久米島には兼城(かねぐすく)港周辺とイーフビーチ周辺に大きく分けて2つの繁華街があるのだが、今回は主に那覇からのフェリーが発着する兼城港周辺の市街地(集落)に滞在したので、以下にその市街地周辺の風景をご紹介したい。
久米島にある2つの繁華街は地元の人に聞いてもどちらが大きいか分からないほどなのだが、ビーチ近くでリゾート気分を味わいたいのであればイーフビーチ周辺、素朴な沖縄の離島気分を味わいたいのであれば兼城港周辺に滞在するのが良いのではないだろうか。
今回は当初フェリーで那覇から久米島に来る予定だったため兼城港の目の前にあるホテルに滞在したのだが、結局台風でフェリーは欠航して飛行機で来る羽目になってしまった。
兼城港の堤防を歩いていると海から吹き付ける風が心地良い。
久米島には山と川があるせいか、港の海は濁っていて綺麗とは言えなかったのだが、堤防の上から眺める外海は美しい。
ところで、久米島は「球美(くみ)の島」とも呼ばれている。
「球美の島」の由来は琉球諸島の中で最も美しい島とも、球美とは方言で「米」を意味するとも言われている。
まぁ、海の綺麗さで言ったら普通に宮古島の方が綺麗なので、琉球諸島の中で最も美しい島と言われると一気にハードルが上がるのだが、それでも久米島が美しい島であることに変わりはない。
久米島の人口は約8,000人で、他の沖縄の離島にはありそうでなさそうなサイズ感である。
大都会の那覇からアクセスも良いのでそれなりに発展しているかと思ったのだが、やはり沖縄の離島らしく、久米島の繁華街は想像していたよりも素朴だった。
与那国島や伊良部島に比べたら都会だけれども、石垣島や宮古島に比べると大分田舎に感じる。
繁華街にはパチンコ屋に加えファミリーマートもある。どうも沖縄の離島では、人口が5,000人あたりからチェーンのコンビニが出店してくるようである。
繁華街には食堂や居酒屋、スナックが何軒かあるが、特に久米島のそばは美味しいのでおすすめだ。
繁華街を抜けて坂道を上ってしばらく歩くと、久米島の名所である上江洲家(うえずけ)住宅と五枝(ごえ)の松がある。
上江洲家住宅は1754年に建てられた沖縄最古の民家である。
五枝の松は上江洲家住宅から島の一周道路を挟んだ西側にある。
セミの声が鳴り響く真夏の沖縄を訪れるのは今回が初めてなのだが、湿気があって思ったよりも暑く、歩いていると汗が噴き出してくる。
五枝の松は樹齢約250年の琉球松で、巨大な盆栽を思わせるその見事な姿は一見の価値ありだ。
上江洲家住宅と五枝の松はどちらも繁華街から徒歩圏内にあり、坂の上からは海も綺麗に見えるので散歩がてら訪れるのも良いだろう。
久米島は今回初めての滞在だったのだが、数ある沖縄の離島の中でもお気に入りになった島で、のんびりと1ヶ月くらい滞在してみたいと思った。
はての浜や奥武島から見る海の美しさ、そばや車海老など久米島グルメの美味しさ、そして何より久米島の人の優しさが印象に残っている。
久米島の人の良さはこれまで訪れた沖縄の離島の中で一番と言っても良いくらいで、離島の素朴感を十分に残しつつも、決してがさつというわけではなく、那覇で感じられるようなホスピタリティも同時に味わうことができた。
そんな居心地の良い久米島、沖縄の離島選びで迷っている方は是非候補に入れてみてはいかがだろうか。