東京周辺で外食やショッピングを楽しんでいると、なぜかよく店員のミスに遭遇する。
ある日、朝食にパンと卵でも食べようととあるチェーン店のカフェを訪れた。
4種類ほどあったモーニングセットの1種類を注文して席で待っていると、注文したものとは違うモーニングセットが運ばれてきた。
僕はすかさずバイトらしい店員が2人並んでいるレジに行って、注文したものとは違うセットが出てきた旨を伝えた。
どうやら交換してくれるようなので安心して席に戻って待っていると、またもや僕が注文したセットとは全く違うサンドイッチが運ばれてきた。
「ガクッ」
僕は膝から崩れ落ちた。
卵が食べたいのに、なぜこんなひどい仕打ちをするのだろうか?
ショックを受けた僕は、自分がおかしくなってしまったのかと思ってそのカフェのウェブサイトにアクセスしてみたところ、僕が注文したモーニングセットは存在するし出てきたものとは値段も違う。
結局、バイト歴の長そうなおばさんが対処してくれて3度目にしてようやく注文したものが提供された。
別の日、東京の友人と2人でとあるチェーンの海鮮居酒屋に訪れた。
料理は美味しくて気持ち良く会計しようとしたのだが、手渡された伝票の金額を見ると思ったよりも高い。
いつもは明細なんて見ないのだが、気になったので伝票をチェックしてみると、1杯しか頼んでないはずのチューハイが2杯になっている。
しかも、僕たちは2人にもかかわらずお通しの数字が3になっているので明らかにおかしい。
店員には貞子でも見えていたのだろうか?
しかも、伝票上の数字は多いにもかかわらず実際に席に運ばれてくることはなかった。
料理はどこへ消えた?
結局、会計の際にマネージャーらしき店員に間違いを指摘したところ千数百円が返金された。
皆さんならこのようなときどうしますか?
僕はもちろん丁寧(だと思っている)口調で「すみません、○○なのに○○なので間違っていると思うんですけど」と冷静に事実を伝えるのだが、そうすると大抵の場合は謝罪を交えた丁寧な口調で対応してくれるので事なきを得る。
もちろん、相手の態度が悪かったりわざとだったりしたら怒ることもあるだろう。
と言うよりも、わざと会計を水増ししているのであればそれは詐欺と言う名の立派な犯罪である。
わざとではないにしても、このような間違いが頻繁に起こるのは許容できない。
何も言わなければ千数百円も損していたわけだ。
これらのお店ではいずれも学生らしきバイトが注文を機械処理していたので、不慣れなところもあったのだろう。
しかし、客からすれば店員がバイトかどうかなんて全く関係ない話である。
いや、Qさまに出てくる天才大学生でもあるまいに、新人のバイトにメニューを全部覚えろとか打ち間違えをするなとかそんな無理難題を要求しているわけではなく、防げるミスを防ぐシステムを構築していない経営・管理側に問題があるのだと思う。
僕は海外でも毎日飲食店に行くが、店員のざっくばらんな態度にイラッとさせられることはあっても、会計や商品を間違えられた記憶はほとんどない(外国語でやり取りしているにもかかわらず)。
接客レベルの高さが有名で、国民のIQも高いと思われる日本でなぜこのような問題が頻繁に生じるのだろうか?
その原因の1つは、前述の通り注文を機械処理(レジやハンディターミナル)しているからだと思われる。
手書きではなく機械処理だと、ついついピッピッと数や商品を間違えてしまいやすいのだろう。
それから、世界一の都市圏人口を誇る東京都市圏では当然客数も多く、人員不足も叫ばれている中、少人数で次々に来店する客を捌いていたらミスが起こるのも必然だと言える。
しかし、東京の最低時給は985円と高い(これが少人数でのオペレーションに寄与しているのかもしれないが)し、これだけ貰っているのならもう少ししっかりと仕事をして欲しいと思うのだ。
ちなみに、僕の高校生時代なんて今と物価がそれほど変わらないのに時給は642円だった。
特に東京都市圏では最近外国人労働者やテーブルに設置されている注文用のタブレットもよく目にするが、これだけ店員のミスが多いと、ハングリー精神旺盛な外国人労働者やAIに取って代わられるのは当たり前のことである。
最後にもう1つ、横浜の百貨店でとある有名ブランドショップにバッグを買いに行ったときのことだ。
海外にいたときにそのブランドのオンラインショップを見ていたところ、とある茶色のバッグが欲しくなったのでそれを買いに行ったのだ。
お店でそれらしいバッグを見つけることはできたのだが、色は黒しか置いていなかった。
店員に茶色がないかどうか聞いてみたところ、「そのモデルは元々、黒とネイビーしかありません。ネイビーは在庫がなく黒のみとなります」と、丁寧な口調で返ってくるではないか。
はて?僕の思い違いだったかな?と思い、店員が横にいる中スマホで調べるのも億劫だし黒も気に入ったのでその場で黒を購入したのだが、何だか引っかかったので帰宅後にオンラインショップを調べてみると、どう考えても同じモデルの茶色の在庫があり販売されているではないか。
「畜生」
僕はまたもや衝撃を受けた。一体何なんだこの国は。
結局、黒が気に入ったのでそのままにしている(元々茶色をあまり身に付けないという事情もある)のだが、めかし込んで一見パリッとしている有名ブランド店の店員でさえこの有様である。
ひょっとして、決して高いとは言えない給料で自社ブランドの商品を大量に買わされて心が病んでいるのだろうか?
このような問題がごくまれに発生するのならまだしも、東京都市圏を訪れた際、気付いたものだけでも全体の2割くらいは起きている印象だ。
礼儀正しいと海外からの評価も高い日本人だが、日本の店員はどうも口先が丁寧なだけで中身がないケースが多いように思われる。
丁寧すぎる接客なんていらないから、それより先に自社商品と会計を間違えないようしっかりと勉強して欲しいのだが。
そんなわけで、世界一の経済都市である東京では店員がアマチュアばかりだ、という印象ばかりが残ってしまっている。
え?東京で一番美味しかったものは何かって?
広尾の焼肉かなぁ。