カーブがかかったなだらかな傾斜の道を進むと、「ハテルマブルー」と呼ばれる青いグラデーションの海と真っ白な砂浜が姿を現す。
波照間島で人気ナンバーワンのビーチ、ニシ浜だ。
ニシ浜はトリップアドバイザーが毎年発表している「日本のベストビーチ Top10」の常連であり、1位に選ばれたこともある。
波照間島や八重山諸島の中だけでなく、押しも押されぬ日本のトップビーチの1つなのだ。
ニシ浜は波照間島の北部、波照間港のすぐ西側に位置している。
紛らわしいのだが「ニシ」とは八重山方言で「北」を意味しており、島の北部にあることからこのように名付けられたらしい。
今回約3年ぶりに波照間島を訪れたのだが、ニシ浜へと続く坂道は新しくなっていた。
以前はまさにハテルマブルーの海に突っ込んでいくかのような坂道だったと記憶しているのだが、現在はカーブが印象的な坂道で途中に腰を下ろすことができるスペースもある。
坂道を下るときの感動は以前の方が上かもしれないが、新しい綺麗でモダンな坂道はニシ浜の風景に見事に溶け込んでいる。
ニシ浜は波の穏やかなビーチで、サンゴ礁が織りなす鮮やかな色彩が美しい。
波照間島の海の色と言えば、日本最南端の碑がある高那崎から見るディープブルーが強く印象に残っていたのだが、ニシ浜の海の色はそれとはまた違った淡い青色で、奥に行くほどコバルトブルーになっている。
上手く表現する言葉が見つからないのだが、その他に類を見ない独特の色彩はまさにハテルマブルーと呼ぶのがふさわしい。
ニシ浜の入り口にはビーチを見下ろすように「ペンション最南端」が立っている。
ニシ浜は上から見た方が青の濃淡がはっきりと見えてより一層美しいので、僕のように海を眺めるのが好きな方は是非ここに宿泊してニシ浜の絶景を独り占めしたいところである。
サンゴ礁が広がるニシ浜の海はシュノーケリングにも最適で、「ペンション最南端」に併設してレンタルショップ「クマノミ」があるので、ここでシュノーケルセットをレンタルするのも良いだろう。
ニシ浜は大きなビーチで、その真っ白なふかふかの砂浜はどこまでも続きそうだ。
足を取られそうになりながら砂浜を歩いて行くと、ほぼ90度左に曲がったところでペー浜と呼ばれるビーチに繋がっている。
静かなビーチが好きな方はこちらで過ごすのもおすすめだ。
ニシ浜の美しさは相変わらずだったが、ここ最近石垣島からの大型船も就航して観光客も増えたせいか、11月にもかかわらずニシ浜も昼間は観光客で賑わっている印象だ。
ビーチで音楽を鳴らす若者や最近よく見かけるドローンを飛ばす人もいて、沖縄の離島の静かな海が好きな僕としては若干興ざめである。
夏になると観光客はさらに増えるだろうし、ニシ浜の美しい海をゆっくりと味わいたいのであれば波照間島に1泊はしたいところだ。
今回波照間島を訪れて再認識したのだが、やはり波照間島の海は八重山諸島の中でもとりわけ美しく、その青さには思わず身体が吸い込まれてしまいそうになる。
八重山諸島の中で唯一宮古島に対抗できるほど、いや、ひょっとするとそれ以上のポテンシャルを秘めているのではないかと思わせてくれるほどの美しい海が波照間島にはある。
日本一とも言われるほどのニシ浜の美しいビーチ、人生に一度は訪れ、ハテルマブルーの絶景を心ゆくまで味わって欲しい。
観光情報
アクセス:波照間港から徒歩約15分、車で数分
設備:更衣室、シャワー、トイレ
駐車場:あり
住所と地図:沖縄県八重山郡竹富町波照間