はじめに
人口1,700人程度の与那国島には3つの集落があり、その内の1つが与那国島の西端に位置する久部良(くぶら)集落だ。
日本最西端の集落である久部良集落の港には石垣島と与那国島を結ぶ「フェリーよなくに」が発着し、宿泊施設や飲食店もいくつかある。
5泊6日の与那国島滞在中、何度か久部良集落を訪れたので以下にビーチや観光名所など見どころをご紹介したい。
与那国島の3つの集落を結ぶ無料路線バス
与那国島には3つの集落(祖納、久部良、比川)を結ぶ路線バスが走っている。
小さな離島らしくバスの本数は少ないが、運賃は驚くなかれ無料である。
与那国島ではレンタカーやレンタルバイクなどで観光する方も多いと思うが、時間に余裕があれば路線バスを利用して、ローカルな気分を味わいながら集落内をゆっくりと歩いて回るのもおすすめだ。
ちなみに路線バスは祖納集落の東側は走っておらず、路線バスを利用して与那国島東部の東崎や立神岩に行くことはできない。
滞在しているホテルがある祖納集落の路線バス乗り場へと向かう。バス乗り場は注意していないと見落とすほどだ。
沖縄のタバコ「うるま」をくゆらす島のおばあちゃんと一緒にバス乗り場近くの椅子に腰掛けてしばらく待っていると、およそ僕が想像する路線バスとはかけ離れた乗り物がやって来た。
バスの乗客には聞き取りづらい言葉を話すご老人の姿がチラホラ。どうやら集落間を移動する地元の人たちの足として活躍しているようだ。
久部良漁港とナーマ浜
素朴な県道216号線を走り、路線バスは久部良集落の漁港の目の前に到着した。
バス乗り場から漁港沿いの道を南に歩いて行くと、ナーマ浜と呼ばれるビーチがある。
白い砂浜の上には色々な物が散乱しているが、海の色はエメラルドグリーンで美しい。
八重山諸島の中でも、与那国島の海は特筆すべき美しさがある。
日本最西端之地碑(西崎)
ナーマ浜から道路上の案内標識に従って1kmほど歩くと、与那国島の西端である西崎(いりざき)がある。
西崎にはその名の通り日本最西端の地であることを示す日本最西端之地碑があるので、与那国島に来たら必ず一度は訪れたいスポットだ。
ここから台湾までは111kmしか離れていないらしい。気象条件が良ければ台湾の島影を望むことができるようだが、残念ながらこの日は視力2.0の僕でも台湾を確認することはできなかった。
久部良バリ
久部良の集落を抜け、北に歩いて行くと断崖絶壁の海沿いに久部良バリがある。
バリとは割れ目を意味しており、久部良バリとは巨大な岩の割れ目のことだ。
かつて人頭税(全ての国民一人につき一定額を課す税金)に苦しんでいた島では、人減らしのために妊婦を集めてこのバリを跳ばせるという残酷なことが行われていたという伝説がある。
この巨大な岩の割れ目、カール・ルイスならともかく妊婦ではとてもじゃないが跳べそうもなかった。
久部良集落は祖納集落(一応与那国島最大の集落である)に比べても一段と小さな集落で、主な観光名所と言えばこれくらいだと思うが、また別の記事で集落内の食堂やカフェに関してもご紹介したい。