祖納(そない)集落から徒歩で与那国島の東端にある東崎(あがりざき)を訪れた後、島の南側を走る一周道路を西に歩いて立神岩(たちがみいわ)を目指すことにした。
相変わらず何もない素朴な道をしばらく歩いていると、道中、軍艦岩を望むことができるサンニヌ台を見つけた。
サンニヌ台では岩の上に遊歩道が設けられているのだが、台風の影響か最近まで立入禁止になっていたらしい。
岩の上の遊歩道を歩いて行くと、まさに断崖絶壁の上を歩いている感覚が味わえる。
与那国島滞在中に訪れた観光スポットの中で、ここが一番与那国島の荒々しい自然の風景を堪能できる場所だった。
サンニヌ台からは軍艦岩を間近に望むことができる。
それにしても、何というかいかにもインスタ映えする写真を撮ろうとして強風にあおられバランスを崩して落下してしまいそうなスポットなので気を付けよう。
軍艦岩を後にして、再び立神岩に向けて歩き始める。
似たような景色が続く一周道路を歩くのにも疲れると同時に飽きてきたのか、気が付けば僕は道路に転がる石を蹴り始めていた。
周囲に広がる青い海でも緑豊かな草原でもなく、ただ一点足元を見つめて石蹴りを続ける。なんだか小学校からの帰り道を思い出す。
そうやってしばらく歩いていると、眼下に立神岩を望むことができるスポットにたどり着いた。
立神岩は地元の言葉で「トゥンガン」とも呼ばれ、以下の伝説が残る与那国島のシンボルだ。
その昔、海鳥の卵を取ろうと、この岩に登って下りられなくなった若者がおり、
神に祈りを捧げて眠りについたところ、眼を覚ましたら無事に戻れていたという伝説があると言われています。引用:与那国観光WEB
海面からそそり立つ立神岩は、角度によっては男のシンボルにも見える。
ひょっとして、神とはアレのことを意味しているのだろうか。人類の子孫繁栄に不可欠であることを考えると、あながち間違いではないかもしれない。
とりあえず、お祈りをして立神岩を後にした。
ちなみにここから少し東に行くと立神岩展望台と呼ばれる別の展望スポットがあるのだが、上記にご紹介した展望スポットの方が立神岩を間近に見ることができるのでおすすめだ。
そろそろ島を徒歩で巡るのにも限界を感じてきたので、ここら辺で島の中ほどを通る道路に入って祖納集落に戻ることにした。
身体に汗をにじませながらアップダウンの多い与那国島の道をしばらく歩くと、ようやく祖納集落が見えてきた。
道路を一周すると約25kmの与那国島だが、祖納集落から東崎、そして立神岩と、島の約3分の1に相当する東側を歩いただけでかなりバテてしまった。
暑い中歩き回ったせいで足の皮膚はただれてしまったし、どうも与那国島を歩いて回るのは自殺行為のように思える。
集落内のホテルに戻り、疲れ切った身体を休めることにした。