レンタルバイクにまたがって小浜島の南西端に位置する細崎(くばざき)を後にし、島の南側の道路を東に向かって走る。
道中、いかにも沖縄の離島らしい田畑が広がる素朴な道を海に向かって走って行く。
たどり着いた先には、ウータ浜(南風花海岸)と呼ばれるビーチがあった。
八重山諸島のビーチは遠浅が多く、時間帯によって全く異なる表情を見せる。
このウータ浜も干潮のせいか干上がってゴツゴツとしており、南国のビーチらしい雰囲気は感じられない。
ウータ浜から引き続き島の東に向かってバイクを走らせると、リゾートホテル「はいむるぶし」の入り口が見えてきた。
「はいむるぶし」敷地内の駐輪場にバイクを停め、奥の道を進んで行くとはいむるぶしビーチと呼ばれるビーチがある。
ホテルの宿泊客以外もビーチに行くことはできるのだが、駐輪場からビーチまでは結構遠い。
カートを軽快に走らせ楽しそうにビーチへと向かうホテルの宿泊客を横目に、猛暑の中長い道のりを歩いてようやくビーチにたどり着いた。
ここはまさに南国のビーチリゾートと言った雰囲気で、ビーチではホテルの宿泊客が海に入ったりパラソルの下で寝そべったりと思い思いに時を過ごしている(ビーチにある設備は宿泊客しか使えないようである)。
よく手入れされているのか、はいむるぶしビーチは小浜島で見たビーチの中でも一番の美しさだった。
はいむるぶしビーチを後にし、再び長い道のりを歩いてバイクを停めた駐輪場まで戻る。
「誰かカートに乗っけてってくれないかなぁ。でもホテルの宿泊客じゃないし声を掛けるのも悪いなぁ」
そんなことを思いながら、黒島で参加したシュノーケリングツアー中にサンゴ礁で切った足を大げさに引きずりながら誰かが声を掛けてくれるのを待っていると、ホテルスタッフの爽やかなお兄さんが運転するカートが横に停まって乗っけてってくれた。
さすが高級リゾートホテルの「はいむるぶし」。惚れてまうやないか。
「はいむるぶし」から再びバイクにまたがって、シュガーロードと呼ばれるのどかな一本道に入り、スピードを落として両側に広がるサトウキビ畑を眺めながらゆっくりと走る。
シュガーロードを抜けると集落にたどり着いた。さすがに人口700人程度の島だけあって素朴な集落である。
鍵を付けたままのバイクを停め、歩いて集落内を散策することにした。
ひとまずランチを取ろうとやって来たのが集落内にある「シーサイド」というレストラン(食堂)。
店内に入り、八重山諸島のランチの定番メニューである八重山そばをいただく。
八重山そばは大抵どこで食べても美味しいものだが、個人的には宮古そばの方が好みだったりする(どちらも沖縄そばの一種)。
小浜島の集落内には、NHKドラマ「ちゅらさん」のロケ地になった民家「こはぐら荘」がある。
集落内を一通り散策した後はシュガーロードへと戻り、島の東側の道路を小浜港に向かって北に走る。
道中にある居酒屋「やらます」の隣の道を進んで行くと、トゥマールビーチと呼ばれる大きなビーチに出る。
トゥマールビーチには藻が多くてはいむるぶしビーチに比べるとあまり綺麗ではなかったが、小浜港からも近いので時間がないときに立ち寄るのも良いだろう。
トゥマールビーチから再びバイクを北に走らせ、出発地点である小浜港へと戻ってきた。
この日は時間がたっぷりとあったので結構ゆっくりと見て回ったつもりだったのだが、それでも小浜島一周にかかった時間は4時間くらいだっただろうか。
他にやることもなくかなりの暑さだったので、港前にあるカフェで一息ついてから早めにホテルに戻ることにした。
リゾートホテルで終日のんびりと過ごすのも良いが、小浜島に来たら是非一度はレンタルバイクやレンタサイクル(電動自転車)で素朴な風景が広がる島を巡ってみて欲しい。