小浜島(こはまじま)は八重山諸島のほぼ中央に位置し、NHKドラマ「ちゅらさん」の舞台になったことでも有名な島だ。
人口約700人、周囲約16.6kmの小さな島である。
そんな小浜島でのアクティビティと言えば、レンタサイクルやレンタルバイクにまたがってのどかな風景が広がる島を巡るのが定番となっている。
しかし、体力に自信のある人を除いて普通の自転車(いわゆるママチャリ)で島を巡るのはあまりおすすめできない。
約3年前に初めて小浜島を訪れた際にママチャリを借りて島を巡ったのだが、黒島などとは違って小浜島は坂道が多く、日陰のない酷暑の中を走り回って正直死ぬかと思った。
なので、今回はレンタルバイクを利用して島を巡ることにした。自転車を借りるのであれば電動自転車をおすすめする。
ホテルの車で小浜港まで送ってもらい、港前の「小浜島レンタカー」で小綺麗なスズキのレッツ(50cc)をレンタルした。料金は24時間(ガソリン代込み)で確か4,000円で、ホテル宿泊者の割引もあった。
小浜港を出発し、まずは大岳(うふだき)展望台へと向かう。
10月後半とはいえ晴れた日の小浜島の日差しは強く、汗をかきながら階段を上って展望台を目指す。
小浜島は八重山諸島のほぼ中央に位置しているだけあって、海抜99メートルの展望台からは八重山諸島のその他の島々、そして360度に美しい海を望むことができる。
「サー君は野中のいばらの花か♫」
展望台では美しい景色の中、三線にのせて安里屋ユンタを歌っているお兄ちゃんがいた。
当初、あまりにも風景に馴染んでいたので島の人がボランティアでもやっているのかと思ったのだが、どうやら県外から来たお兄ちゃんらしい。
八重山諸島の風景には安里屋ユンタの歌が本当によく似合う。なんだか得した気分になって展望台を後にした。
大岳展望台の隣には西大岳(にしうふだき)展望台がある。
西大岳展望台は大岳展望台に比べると人も少なくてのんびりとできる穴場的スポットだ。
展望台を降り、続いて西に向かってバイクを走らせるとアカヤ崎にたどり着いた。
アカヤ崎から島の西側の道を南に走らせると、道中にマングローブの林がある。
約3年前にママチャリで島を巡っていたときはこのあたりでもう既にバテていたような気がするが、さすがにバイクだと軽快で、吹き付ける島風が心地良い。
道中、すれ違うのは電動自転車に乗った観光客ばかりで、特に八重山諸島では20代くらいの若い2人組の女性観光客をよく見かけるような気がする。
沖縄の美しい海を見て「これやばい」などとはしゃいでいる若い女性たちを見ていると、なんだか自分がおっさんになったような気がしないでもない。
小浜島は少々いびつな形をしていて、島の西側の道路を海に沿って南に走っていくと、島の南西部に位置する細く突き出た細崎(くばざき)という地域に出る。
細崎の先端にはマンタの展望台が印象的な海人(うみんちゅ)公園がある。
ここから西表島は目と鼻の先である。少し離れた与那国島を除いて、八重山諸島のどの島から見てもジャングルに覆われた大きな西表島の存在感は抜群だ。
滞在先ホテルのスタッフがおすすめしていた細崎漁港にある食堂「くばざきの港家(はまやー)」で昼食を取ろうと思ったのだが、この日はあいにくの不定休でお休みだった(沖縄の離島ではよくある話だ)。
小浜港から細崎まで来て、島を約半周した計算になる。
小浜島の周囲は約16.6km(道路を一周したときの距離は不明)で、島を一周して観光スポットを見て回るだけであれば、レンタルバイクを利用した場合所要時間は2~3時間もあれば十分だと思う。
僕は小浜島には2泊滞在していて、この日は1日かけて島をのんびりと巡る予定で時間がたっぷりとあったので、海人公園から海に突き出る防波堤の上をぶらぶらと歩いていた。