黒島滞在2日目。
滞在している民宿の無料レンタサイクルを利用して、初日に訪れたビーチ以外の黒島の観光スポットを巡ってみることにした。
黒島は周囲が約12.62kmと小さく、平らな地形なので自転車で回るのに適しており、観光客のほとんどはレンタサイクルを利用して島内を巡っている。
黒島の中心地である東筋集落
自転車にまたがり、まずは滞在先の「民宿あ~ちゃん」から島の東にある東筋(あがりすじ)集落へと向かうことにした。
牛がもしゃもしゃと草を食むのどかな風景を通り抜け、民家が立ち並ぶ東筋集落に入る。
集落内を自転車でのんびりと走っていると、道端で原付の横に倒れたおばあちゃんが僕に向かって手を上げて助けを求めていた。
「事件だ」
僕はとっさにママチャリをおばあちゃんの元に走らせたが、倒れて動けないおばあちゃんの隣にはおばちゃんが立っていて、僕にこう告げる。
「もう消防呼びましたから大丈夫です。自分たちで何とかしますから」
どうやら原付に乗ってこけたらしい。診療所はあるものの、老人が多い小さな島では何かが起こったときは大変だ。
とにかくよそ者の僕にできることは何もなさそうだったので、言われたままに立ち去ることにした。
東筋集落には、「たま商店」という人口が200人程度の島にはとても貴重な商店がある。
ここで民宿での晩酌用にオリオンビールを2本購入。何か必要なものがある人は、店が開いているうちに購入しておくことをおすすめする。
黒島のおしゃれなカフェ「CAFE ICONOMA」
東筋集落から北の伊古桟橋に向かう途中の伊古集落には、「CAFE ICONOMA(カフェイコノマ)」がある。
5軒しかない小さな伊古集落に突如現れるおしゃれなカフェ。
素朴な沖縄の離島とは思えないほど店内は異国情緒に溢れ、フランスやベトナム、モロッコなど様々な国の文化が混在しているようだ。
メニューは豊富なドリンク類に軽食、スイーツがある。
「パパイヤ入りカレーライス」が気になったが、民宿での夕食時間が迫っていることもあって、「黒島産アーサのマヨチーズトースト」と「パリのアイスコーヒー(甘め)」をいただいた。
トーストには黒島名物のアーサ(海藻)がこれでもかと乗っており、和と洋の絶妙なハーモニーを生み出していて美味しい。
パリのアイスコーヒーは妙に泡立っている。まだフランスに行ったことがないのでよく分からないのだが、これが本場のアイスコーヒーなのだろうか。
このカフェは女性が経営しているようで、店内には猫や小さな女の子もいた。
女の子はとても人懐っこく、僕のiPhone SEを見て「ちっちゃ」と笑い、持っているiPadを自慢気に見せてくる。
一見都会にありそうなおしゃれなカフェであるが、やっぱりそこには小さな離島らしい牧歌的な雰囲気があった。
八重山諸島で一番長い伊古桟橋
伊古集落の北にある林を通り抜けると、八重山諸島で一番長い全長354mの伊古桟橋(いこさんばし)がある。
ここは黒島でも一二を争う絶景スポットなので、黒島に来たら必ず訪れたい場所だ。詳細は別記事に書いたのでそちらを参照して欲しい。
のどかな風景を満喫できる日本の道100選と黒島展望台
伊古桟橋から東筋まで戻り、黒島港までの道を自転車で走る。
東筋から黒島港まで続く県道213号線は日本の道100選の一つに選ばれていて、牧場に囲まれて真っ直ぐに伸びる道路を島風を感じながら走るのが心地良い。
県道213号線をしばらく走ると高さ約10mの黒島展望台がある。
展望台の上からは、360度に広がる黒島ののどかな風景を望むことができる。
遠くには海に浮かぶ八重山諸島の島影も見える。
展望台を後にし、引き続き県道213号線を黒島港に向かって走る。
軽快なサイクリングで、最終目的地である黒島港に到着。
小浜島のような起伏の多い島とは違って、黒島の道は平坦で電動自転車ではなくママチャリでも十分に心地良いサイクリングを楽しむことができた。
黒島は自転車で2~3時間もあれば十分に回れる小さな島で、日帰りでも十分に楽しめると思うが、時間がある人は是非島に宿泊して八重山諸島の中でも特に素朴な黒島の魅力を存分に味わって欲しい。