はじめに
マルタ共和国ゴゾ島に滞在中、ヴィクトリアの東に位置するジュガンティーヤ神殿(Ġgantija Temples)を訪れた。
ジュガンティーヤ神殿は紀元前3600年から3200年の間に建設された大小2つの神殿で構成され、「マルタの巨石神殿群」としてユネスコの世界文化遺産に登録されている。

ジュガンティーヤ神殿(Ġgantija Temples)の内部
ジュガンティーヤという名前はマルタ語で「巨人」を意味する言葉「ġgant」に由来しており、ゴゾ島の人たちはこれらの神殿が巨人によって作られたと信じていたそうだ。
この神殿はマルタの巨石神殿群の中でも最古のもので、世界最古の巨石建造物とも言われている。
しかし気になったので少し調べてみたところ、トルコ南東部にあるギョベクリ・テペ遺跡は紀元前1万年~8000年の間に建てられたものらしい。上には上がいるものである。
それにしても、太古の昔にこれだけの建造物を人の手で作っていたというのは驚きだ。大昔には本当に巨人が存在していたのかもしれないな。
ジュガンティーヤ神殿への行き方
ジュガンティーヤ神殿へはヴィクトリアから307番のバスでアクセス可能だ。
降車するバス停は少々ややこしい。手元のガイドブックにはDahlaと記載されているが、これは旧入り口の近くである。Dahlaから歩いて行くこともできるが、307番のバスで現在の入り口に一番近いバス停はImqadesだろう。
307番のバスのルートやバス停に関してはMalta Public Transportのページを参照して欲しい。
ちなみに、観光周遊バスのホップオン・ホップオフバスでもジュガンティーヤ神殿にアクセス可能だ。
ジャガンティーヤ神殿に入場
ジャガンティーヤ神殿の入り口にある建物を中に進むと、まずは博物館がある。
博物館にそれほど興味がない僕(膨大な歴史を目前にすると頭が痛くなるのだ)は、パシャパシャと何枚か写真を撮って足早に通り過ぎることにした。

巨石を運ぶために使われた石のようだ

出土した人間の頭をしたカタツムリや座る人間の像
博物館を通り抜け、神殿へと向かう。

神殿へと続く道
ゴゾ島の他の観光地と同じく、日陰がないのでとにかく暑い。
舗装された道の先に巨石建造物が見えてきたが、なんだか思ったよりも小ぶりである。

ジュガンティーヤ神殿の外観
ジュガンティーヤ神殿は隣接する大小2つの神殿で構成されているが、まずは向かって右側の小さな神殿から入る。

右側の神殿の入り口

右側の神殿の内部
入り口の両側にある巨石には大きな穴が彫られている。

巨石に彫られた穴。入り口を塞ぐために何かを差し込んでいたのだろうか
また、巨石には名前やイニシャルなどの落書きが彫られており、案内板によるとそのいくつかは1800年代初めにまでさかのぼるそうだ。

神殿の落書き
これらの落書きは神殿の訪問者によるものらしいが、人間というのは昔から進歩しないものである。

神殿内部の部屋
続いて向かって左側の大きな神殿に入る。

左側の神殿の入り口
ジャガンティーヤ神殿の外壁は硬いサンゴ質の石灰岩で造られていてなんだかゴツゴツとしており、マルタ島で訪れたハジャーイム神殿に比べるとあまり神殿らしくない印象を受ける。

左側の神殿の内部。内部には軟らかいグロビゲリナ石灰岩が使用されている

神殿内部の部屋。祭壇らしきものがある
ジュガンティーヤ神殿も併設の博物館もそれほど大きくはないので、観光所要時間は1時間もあれば十分だろう。
個人的にはマルタ島のハジャーイム神殿やイムナイドラ神殿の方が好みなのだが、ジュガンティーヤ神殿はマルタ最古の神殿なので訪れる価値は十分にあるだろう。
地中海のリゾート地のイメージが強いマルタにこれほど太古の巨石神殿群があるというのはなんだか意外な気もするが、遺跡好きの方は、マルタに来たら是非巨石神殿巡りを楽しんで欲しい。
観光情報
営業時間:9:00~18:00(10~5月は~17:00)
定休日:12/24、25、31、1/1、聖金曜日
入場料金:9ユーロ
アクセス:ヴィクトリアから307番のバスでImqades下車
公式サイト(英語):http://heritagemalta.org/ggantija-temples/
住所と地図:John Otto Bayer Street, Xaghra, Gozo
※上記は変更の可能性がありますので予めご了承ください。