株式会社(法人)を経営していると決算書類の作成が面倒くさいという話

決算

僕の本業は翻訳会社(株式会社)の経営なのだが、本日、8度目となる決算書類を作成して提出してきた。

時が経つのは早いもので、29歳の時に東京で株式会社を設立してからもう丸8年が経過したのだ。

会社を設立したきっかけは、当時オーストラリアから帰国して東京で就職活動をしていたのだが、リーマンショック後の混乱も重なってか上手くいかず、日本社会に対する不満や苛立ちが募り、「こうなったらもう他人に依存はしない。自分でやってやる」と、以前から副業で行っていた翻訳の仕事をメインに自分でビジネスを始める決心をしたからだ。

また、翻訳を依頼してくるお客さんは法人が多く、こちらも法人だと仕事を受注しやすいという理由もある(個人のフリーランスだと、仕事を依頼する側である法人は源泉徴収税の納付という面倒な経理作業が発生する)。

当時は法律の知識も会計の知識もロクになかったし、分からないことばかりで四苦八苦しながら経営していのだが、勉強をしながら細々と経営を続けてきたお陰か、特に大きな問題もなく9年目を迎えることができた。

株式会社を設立すること自体はとても簡単で誰でもできることなのだが(特に司法書士にはその容易さが分かるだろう)、設立してからは面倒な書類手続きに悩まされることも多い。

その中でも特に面倒なのが1年に1度はやってくる決算書類の作成で、法人を設立した人であれば誰もが直面する大きな壁ではないだろうか。

僕は会社を設立した翌年の8月(僕の会社の事業年度末は6月で、2ヶ月以内に決算書類を提出する必要がある)に、うだるような真夏の暑さの中で初めて決算書類を作成したのだが、簡単な簿記の知識しかなかった僕は、税務署から送付されてくる書類の多さと初見の専門用語のオンパレードで気が狂いそうになった。

それでも、「難しいことと乱雑なことは違う」と誰かが言っていたのを思いだし、数日間かけて別表の書き方を1つ1つ調べて法人税申告書を作成していったのだが、普段使わない脳みその部分を使ったせいか、作成後には体重が数キロも落ちてしまった。

「何で税理士に頼まないの?」と思われる方もいるかもしれないが、設立したばかりの小さな会社には金がないことも多く、税理士に数万~数十万の報酬を支払うくらいなら自分でやった方がマシだと思ったからだ。

それ以降も毎年自分で作成しているのだが、最初の2~3年はとにかく苦痛に感じられた決算書類の作成も年々スピードが上がってきて、今では1日もあれば作成できるようになってしまった。

単純に自分の処理能力が上がったというのもあるが、現在は経理作業にクラウド会計ソフト「freee」を利用しているのも大きい(以前はExcelや紙の帳簿を利用していた)。

「freee」の詳細機能に関してはここでは割愛するが、業務で使用している銀行口座やクレジットカードを登録していると、自動で明細を同期してくれ、後はそれを推測に従ってサクサクと仕分けしていくだけなので非常に便利だ。

普段から「freee」を使って記帳をしていると、決算時には貸借対照表と損益計算書を一瞬で出力することができるので、後はこれらの書類を基に決算書類を埋めていくだけである。

僕は世界各地を旅しながらも仕事をしているので、万が一パソコンが盗難に合ったり故障したりした場合でも対応できるように業務は可能な限りクラウド化しているのだが、クラウド会計ソフトの「freee」もクラウド化の過程で導入した。

ネックと言えば法人プランの料金が1ヶ月1,980円(税抜)からと小規模ビジネスを営んでいる方には決して安くはないことだが、税理士に依頼するコストや決算書類作成時の煩わしさを考えると、支払う価値のある出費に思える。

決算書類を提出して法人税の支払いを終えると、自分の会社の営業成績の不甲斐なさを反省すると同時に、無事に1年を終えることができた安心感を覚える。

法人の経営というのは個人事業主に比べて煩わしいことも多いものだが、自分を大きく成長させてくれるし、今では勇気を出して会社を設立して良かったと心から思っている。

少しの休息を挟んで、また本年度も頑張ろう。

【会計ソフトfreee(フリー)】