海外生活も1週間、2週間と過ぎて行くと、どうしても日本食が恋しくなってしまう。お米をあまり食べない西洋の国に滞在しているのであればなおさらだ。
そして、僕の場合はなぜかいつもカツ丼やカツカレーなどの庶民的な日本食が食べたくなる。
マルタ島に滞在中、ネットでセントジュリアンに美味しい日本食レストランがあるとの情報を得たので、セントジュリアンのレストラン街「マリーナレストラン」にある日本食レストラン「禅(Zen Japanese Sushi Bar & Teppanyaki)」で食事をすることにした。
「マリーナレストラン」の前方には湾を見下ろすことができ、高級ボートが係留されていたり、周辺には高級ホテルやカジノがあったりとリゾート感たっぷりだ。
建物に囲まれた湾にボートが並ぶ光景はまるで映画のワンシーンのようで、レストランで食事をしない方も是非一度は散策に訪れて欲しいスポットだ。
湾へと続く階段を下りて行くと、左手にこの日のお目当てのレストラン「禅」の入り口がある。
早速店内に入ると、浴衣を着た日本人女性スタッフが出迎えてくれた。
マルタで留学でもしている日本人だろうか。女性スタッフはみんな若く、浴衣を着ているのでとても癒される。
「禅」の店内には高級レストランの雰囲気が漂い、広々としていて寿司カウンターまであった。シェフも日本人シェフのようだ。
テーブル席に案内され、この日のディナーにカツ丼と日本のビール(確かサッポロだったと思う)を注文。
カツ丼は21.25ユーロ(約2,700円)、日本のビールはパイント(約500ml)で15ユーロほど(2,000円弱)となかなかのお値段だ。
まずは久しぶりの日本のビールをいただく。冷えていて美味しい。
窓から見えるマリーナの景色を眺め、「浴衣いいなー」とか思いながらちびちびとビールを飲んでいると、ほどなくしてカツ丼が運ばれてきた。
カツ丼の卵はトロトロでネギの加減も絶妙である。さすがに日本人シェフだけあって、日本で食べるカツ丼と遜色ない。
久々の日本食ということもあって、高級カツ丼にもかかわらずガフガフと勢いよく食べてしまった。
それにしても、浴衣を着た丁寧なウェイトレスが行き交う高級レストランの雰囲気の中、庶民食のカツ丼をいただくというのはなんだか妙な感じである。
「禅」のカツ丼は日本のカツ丼と変わらない美味しさで、海外でこれだけのクオリティを保つのはすごいことだと思うが、値段はなにせ約2,700円と、日本ではよほどの高級店でもない限りあり得ない値段である。
これがせめて半額の10ユーロくらいなら、「おぉ、美味い!」と素直に味わえるのだが、庶民の僕はついつい値段が気になってしまって、「値段の割には普通だな」となってしまうのである。
おまけに日本のビールの値段も2,000円弱(パイント)と、高級ホテルのラウンジで飲んでいるかのようだ。
さらに見栄っ張りの僕は10%程度のチップを置いて、お会計は合計で5,000円程度になってしまった。カツ丼に生ビール大で5,000円・・・日本の安い定食屋の5倍くらいの値段である。
マリーナ周辺にはヒルトンホテルもあってお金持ちが集まりそうな雰囲気だし、日本人であればある程度金銭的に余裕のある人か、マルタに長期滞在(1年とか)で本格的な日本食がどうしても食べたくなった・・・という人向けだろうか。
現地にも美味しい料理はいっぱいあるし、短期滞在でわざわざこれだけの値段で日本食を食べる必要はないように思うが、お店の雰囲気やサービス、味など値段以外は大満足だったので、マルタで本格的な日本食を食べたい方にはおすすめだ。
もちろん、カツ丼などの庶民的なメニュー以外に寿司メニューなども豊富にある。メニューはこちらのサイト(英語)に載っているので参考にして欲しい。
これまでの人生で一番高いカツ丼の値段に度肝を抜かれながらも、久しぶりのカツ丼と浴衣に癒されてお店を後にした。ご馳走様でした。
店舗情報
営業時間:19:00~23:00
参考サイト(英語):https://www.themarinarestaurants.com/restaurants/zen
住所と地図:Portomaso Marina, St Julian’s
※上記は変更の可能性がありますので予めご了承ください。