マルタ共和国の公用語はマルタ語と英語になる。
なぜマルタの公用語が英語なのか疑問に思われる方もいるかもしれないが、イギリスの植民地だった歴史があるからだ。
語学学校も多い(EFの文字をよく目にする)ので、マルタに英語留学に来る日本人も増えているようである。
マルタの英語の訛り(なまり)はきついと噂で聞いていたので、マルタに来る前は現地の人たちの英語が聞き取れないのではないかと心配していた。
しかし、そんな心配をよそにマルタ島に滞在中は英語で困ることはほとんどなく、むしろハッキリとした発音で聞き取りやすく拍子抜けしたほどだ。
同じくイギリスの植民地だったインドの英語に比べると非常に分かりやすい。最近はアジアに旅行する機会が多いこともあってか、知らぬ間にアジア人のクセの強い英語に鍛えられていたようだ。
以前住んでいた訛りが強くて有名なオーストラリアの英語に比べても、マルタの英語は分かりやすく感じた(僕の英語力がアップしているせいもあるのかもしれないが)。
そんなわけでマルタ島では余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)で生活していたのだが、マルタ島の北にあるゴゾ島(マルタは主にマルタ島、ゴゾ島、そしてコミノ島で構成されている)に来てから苦戦することになった。
ゴゾ島にフェリーで到着後、港からタクシーでホテルに向かったのだが、タクシー運転手の英語に訛りがあり、とにかく早口で分かりづらかった。
なんだか、初めて宮古島に行ってタクシーに乗ったときのことを思いだした。
タクシーの運転手とはなんとか会話を成立させることができたものの、ホテルで1泊した翌朝、ホテル併設のレストランでサービスの朝食を取る際にスタッフが説明してくれたのだが、超早口な上にメニューを連発してくるので全くついていけなかった(以下、早口で読んでください)。
「パン、ハム、チーズ、水、ジュースはそっちでセルフサービス」
「エッグ&ベーコン、ソーセージ、ビーンズはこっちで料理」
「コーヒーとティーはどっち?」
大体こんなことを言っていたと思うのだが、僕はメニューの羅列に何が何だかよく分からず、相手の勢いが凄まじかったこともあって久しぶりにオタオタしてしまった。ただでさえ訛りがあって分かりづらいのに、そんなに早口でしゃべらなくても良いのに。
ゴゾ島の人たちが話す英語とマルタ島の人たちが話す英語は違うのだろうか・・・とも思ったのだが、よくよく考えて見ると、マルタ島で話した人たちはほとんどが飲食店などのお店のスタッフだ。
マルタ島には観光客が多いし、通じないことも多いだろうから、分かりやすい英語を話してくれているのかもしれない。それに、飲食店で使う表現なんて定型的なものばかりだ。
そう言えば、マルタ島で一度ローカルなおばちゃんと普通の会話をしたことがあるのだが、こちらも早口で分かりづらかった。
マルタの人たちが話す英語を聞いていると、なんだか日本で地方の漁港に行って地元の人たちが話す言葉を聞いたときのような印象を受ける。
「がさつだけれど優しい」そんな感じだろうか。
実際にマルタの語学学校に通ってこんなに訛りの強い人が教えるとも思えないが、前述の通りインド英語に比べると分かりやすいし、マルタは治安も良くて暮らしやすいので英語留学するのも良さそうだ。
あぁ、また英語の勉強したくなってきたなぁ。