海外を長く旅していると、なぜか無性にカツ丼やカツカレーが食べたくなる(分かる人には分かると思う)。
ネパールに来る前、約2週間のインド滞在中は毎日インドカレーばかり食べていてそろそろ日本食が恋しくなってきたので、カトマンズに滞在中、タメル地区にある日本食レストラン「ふる里(ふるさと)」にやって来た。
「ふる里」の店内には昔ながらの日本家屋のような昭和の香りが漂っている。
現地の料理に飽きた日本人たちのオアシスとしての役割を果たしているのだろうか、店内では他にも1人の日本人男性が食事をしていた。
ここで割烹着を着たおばちゃんが奥から出てきて「いらっしゃい」なんて言ってくれるとほっとするのだが、残念ながら店員は全員ネパール人(しかも男)のようだった。
田舎の食堂にでもありそうな木のテーブルに座って、カツ丼とビールを注文。店員は「カツドン~♫」と愛想が良い。
せっかくなので雰囲気作りに日本のアサヒビールを頼んだところ、品切れだったので代わりにカールスバーグ(デンマークビール)をいただいた。
首都カトマンズの喧噪とは無縁に思える店内で、のんびりとビールを飲みながら窓から見えるカトマンズの通りを眺める。
しばらくするとカツ丼が運ばれてきた。
カツ丼と言うのは、一見シンプルだが本当に難しい料理だと思う。
カツが揚げたてなのは言うまでもなく、卵はふわとろ、玉ねぎも柔らかくて口の中に入れるととろけなければならない。その絶妙なバランス感覚が(特に外国人にとっては)難しいのだ。
「ふる里」のカツ丼もカツはなかなか美味しかったのだが、卵は固めで、別途炒めたような玉ねぎが大量に乗っていた。
ネパール人シェフが作っているようで、やはり日本で食べるカツ丼とは異なるものの、味は悪くなかったし久々に日本の雰囲気を味わうことができて満足だ。
素朴で落ち着いた店内の印象とは真逆に、閉店間際でテンションが上がっているのか、奥の厨房では陽気なネパール人たちが口ずさんでいた。
ネパールに来たらやはりダルバート(ネパール料理の定食)がおすすめだが、日本食が恋しくなった方は「ふる里」やカトマンズに数多くある日本食レストランを訪れると良いだろう。
そう言えば、海外で日本と全く同じレベルのカツ丼って食べたことないなぁ。
店舗情報
営業時間:10:00~21:00
住所と地図: J.P. Road, Thamel, Kathmandu
※上記は変更の可能性がありますので予めご了承ください。