はじめに
今回、インド・ネパールの旅行中はホテルでルームサービスを頼む機会が多かった。
と言うのも、両国ともナイトライフが盛んではなく(そもそもインドはお酒に厳しいお国柄だ)、夜の治安にも不安があるので、一人で飲み歩くということがなかった。
外食してもさくっと食べてホテルに戻ることが多かったので、もういっそホテルのルームサービスで済ませてしまおうと思ったからだ。
しかし、これまで僕は海外旅行中にルームサービスを利用することはほとんどなかった。その理由は主に以下の通りである。
- 一人暮らしをしていた頃を思い出して侘しくなる
- とにかく電話が嫌い
- 電話での英語のやり取りに不安がある
1と2は個人的な理由なのでともかくとして、3に関しては英語が苦手な数多くの日本人が直面する問題だろうから、今回はこれに関して述べてみたい。
海外のホテルでのルームサービスの頼み方
海外のホテルでの英語を使ったルームサービスの頼み方を調べようとグーグル検索をしてみると、英会話学校などがおしゃれなフレーズを紹介しているが、英語の苦手な方はそんなややこしいやり取りは不要だ。
ルームサービスの内線番号(大抵どこかに書いてある)にかけ、担当スタッフが出たらこのように言えば良い。「Room service, please.」
すると相手が、「Yes, sir. ○×○×(何を言っているかよく分からないことが多い)」などと返してくるので、事前に入念に調べておいた注文する料理を伝えよう。
「Can I have ○○, and ○○, please?」と伝えるか、面倒であれば、「○○ and ○○, please?」と単語だけでも良い。最後には「please」を付けておこう。
ここでのポイントは1つずつゆっくりと頼むことだ。大抵の場合、相手はこちらの言ったことを繰り返してくれるだろう。
この時、相手がただ単に注文の内容を繰り返すだけでなく、何か言ってくることがある。こいつがやっかいだ。例えばコーヒーを頼んだ場合だと「Black or milk?」などである。
また、通常は部屋から電話をかけると部屋番号をわざわざ伝える必要はないと思うが、ホテルやスタッフによっては「Your room number?」などと聞かれることもある。部屋番号も英語で言えるようにしておいた方が良いだろう。
相手の言っていることが分からないと、「Sorry?」「Could you say that again?」などと言えば良い。相手の言っていることがどうしても分からず、注文が完了しない場合は紙に書いて直接持って行くしかないのではないだろうか。
注文が無事に終わったら相手が何か言ってくるので「Yes, thank you.」などと言って電話を切れば良い。
ルームサービス以外のサービスを頼むときにも言えることだが、ポイントはとにかくシンプルにすることだ。使う英語は中学生レベルである。
英語が下手くそにもかかわらず、格好付けてややこしい文章をつくろうとするのは日本人の悪い癖だ。
英語圏の国ならともかく、お互い英語ネイティブではない人たちがやり取りをすると、訛りがあって伝わりづらいことも多いので、とにかくシンプルに伝えることを心がけよう。
むしろ、単語だけで話して英語下手くそをアピールした方が相手もゆっくりと話してくれるかもしれない。
ルームサービスにチップは必要?
これはケースバイケースだ。日本はもちろん、チップの習慣があまりない国では基本的に支払う必要はない。また、ホテルのルームサービスにはサービス料金が入っていることも多いので、チップの習慣が当たり前になっている国を除いては支払わなくても良いだろう。
ちなみに、インドとネパールでは料理を運んだ後はみんなそそくさと帰ってしまい、ルームサービスに対してチップを支払うことはなかった。
支払いはいつ?食べた後の食器の片付けは?
ルームサービスの支払いは、部屋に料理が運ばれてきた時点では伝票をチェックしてサインだけすることが多く、通常はチェックアウト時にまとめて清算する。
食べた後の食器の片付けに困るが、僕は面倒なので食べ終わったら食器は部屋の邪魔にならない場所に置いたままにしている。食器はルームクリーニング(ハウスキーピング)が入ったときに一緒に片付けてくれるので安心だ。
部屋の外に食器を置いていても良いだろうが、匂いもあるしあまりスマートではないように思う(これはホテルにもよる)。すぐに食器を片付けて欲しいのであれば再度ルームサービスにでも電話すれば良いと思うが、これは注文するときよりも難易度が高いので初心者にはあまりおすすめできない。よく分からなければ放置プレーで良いだろう。
おわりに
ルームサービスは冷めていることも多いし、せっかく海外に来たのであれば外出してできたての料理を食べるのが一番だ。
しかし、人が多かったり出かける準備をするのが面倒だったりと、レストランで食べるのは時に煩わしいこともある。そんな時、ルームサービスは非常に重宝する。
僕は仮にも英語のプロ(というか翻訳のプロ)なのだが、そんな僕でも電話でルームサービスを頼むときは「相手の英語が分からなかったらどうしよう」と不安になるのだ。
しかし、何度もルームサービスを注文しているうちに、自然とスムーズにやり取りできるようになってしまった。
特に部屋からの眺めが良い高級ホテルなどであれば、部屋で食べる食事というのもなかなかオツなものである。英語でのやり取りやマナーに不安がある方も、恐れずに是非挑戦してみて欲しい。