ネパールにアライバルビザで入国後、カトマンズの空港で早々ぼったくりにあった話

カトマンズのトリブバン国際空港に到着

弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは、強さの証だ。

引用:マハトマ・ガンジー

ネパールに向けてインドを出発

南インド・ケララ州のビーチリゾートであるコバーラムで数日間過ごした後、ケララ州の州都であるトリバンドラムにあるトリバンドラム国際空港からデリー経由でネパールのカトマンズにやって来た。

インド出発日、午前6時トリバンドラム国際空港発の飛行機に乗るため、午前2時に起床してホテルを出発した。

インドでの約2週間の旅も終わりを迎えようとしていた。インドではひどい事件も起きているし、インドに入国する前はかなり身構えていた。しかし、実際には南インドの人たちは穏やかで親切な人が多くてとても過ごしやすかったので、ほっとしたと同時に肩の力が抜けたのを覚えている。

一方のネパールは親日家も多く、一度行ったら好きになる人も多いと聞いていたので、悪名高いインドに比べたら楽勝だろうと思ってあまり下調べもしていなかった。今思えば油断していたのかもしれない。

エアインディアの飛行機は予定時刻を大幅に遅れて午後4時前にカトマンズのトリブバン国際空港に到着した。

ネパール人はせっかちな人が多いのか、飛行機が着陸すると我先にと収納場所から荷物を取りだそうとする。おまけに飛行機のドアが開く前、列が動かないのに後ろからアジア系の男がスーツケースを押しながら突っ込んでくる。ネパールの第一印象はあまり良くない。

カトマンズのトリブバン国際空港に到着

カトマンズのトリブバン国際空港に到着

カトマンズのトリブバン国際空港でのビザ申請手続き

ネパール入国にはビザが必要だが、到着後に空港で観光ビザ(アライバルビザ)を取得することが可能だ。

空港にはビザ申請機が何台かあるのだが、当然のごとく長蛇の列ができている。申請内容は全て英語で、ネパールに初めて来る人は戸惑っている人も多いようだった。

トリブバン国際空港のビザ申請機

トリブバン国際空港のビザ申請機

加えて、列の後ろからは無言のプレッシャーを感じる。飛行機が遅れて苛立っているのか、声を張り上げる欧米人の姿もあった。母国語が世界共通語の英語だからって海外で調子に乗っている欧米人は嫌いだ。

ビザ申請に不安がある人は事前に申請内容を確認しておくことをおすすめする。ちなみに僕は、待っている間に申請内容をネットで調べて、かつ前の人の申請を凝視していたので容易に手続きを終えることができた。入力内容は基本的なことばかりなので、簡単な英語が分かればそれほど恐れる必要はない。

僕の前の中国人、英語がよく分からないのか助けを求めてきたので手伝ってあげた。お礼はなかった。

長旅で疲弊していたこともあってか、空港内はどこか殺伐とした空気が流れているような気がした。

ビザ申請機の入力を終えた後、支払いカウンターでビザ申請料金を支払う。ネパールのビザ申請料金は15日以内の滞在であれば25USドルだが、日本円で支払うことも可能だ。日本円の料金は3,000円とかなりレートは悪い。

ビザ申請料金を支払った後、入国カード(空港に置いてある)を記入したもの、ビザ申請機から出てきた紙、ビザ申請料金のレシート、そしてパスポートを持って入国審査官のところへ向かう。

入国審査をスムーズに済ませたかったので「Hi」とフレンドリー(自分ではそのつもり)に挨拶したのだが、入国審査官は返事もせず無愛想だった。

僕がインドから入国した旨を伝えると英語で搭乗券を提示するよう言われたが、最初は分からなくて聞き返すと、入国審査官は苛立ったように大声を上げる。文句を言いたくなったが入国できなくなっても困るので睨んでおいた。

ネパールに入国後、早速ぼったくりの洗礼を受ける

そんなわけで、かなり時間がかかったものの無事ネパールに入国することができた。空港にあるATMで現金を下ろした後、滞在ホテルに頼んでおいた送迎車を探す。

空港から市内中心部のタメル地区にあるホテルまでの送迎料金は1,000ルピー(約1,000円)と相場よりも高い(ちなみに空港のプリペイドタクシーだと700ルピー程度)が、初めてのネパールだし送迎車の方がトラブルが少ないと思ったのでお願いすることにした。

送迎車のドライバーを見つけて車に向かおうとしたところ、2人のネパール人が近づいてきて、日本語で話しかけてきた。

「こんにちは」「ネパール初めてですか?」「ネパールへようこそ」

なんだかすごく歓迎されているようだ。最初はホテルの迎えの人だと思ったので、言われるままにスーツケースを運んでもらうことにした。

ところが、車に乗り込んだところ、1人のネパール人がチップを要求してくる。

僕はよく状況が把握できていなかった。ただのぼったくりなのか、それともそのネパール人たちは送迎車のドライバーに頼まれて代わりに僕を待っていたのだろうか、いや、ひょっとしたらグルなのだろうか。

とりあえず送迎車はかなり待たせてしまったので、早く出発しようと多少のチップを渡そうとするが、お金を下ろしたばかりであいにく高額紙幣(500ルピーと1,000ルピー)しかない。

僕は午前2時起きで意識が朦朧としており、おまけにこの急展開である。チップを要求してくるネパール人に「White one(白いやつ)」と言われたので、なんだか事態がよく飲み込めないまま白い1,000ルピーを渡してしまった。

送迎車の料金が1,000ルピーで、そのネパール人たちは送迎車のドライバーの手伝いだとも思ったのだ。色々な考えが瞬時に頭を巡って困惑してしまった。後から分かったのだが、どうやらただのぼったくりらしい。

送迎ドライバーに紛れ込んで、長旅とビザ申請で疲弊した、初めての国で勝手が分からない一人旅の旅行者を騙すなんて卑怯にも程がある。南インド人はそんなことしなかったぞ。

1,000ルピー(約1,000円)は大した金額ではないかもしれないが現地では数倍の価値があるだろうし、そもそもチップとしては高すぎる。

何より騙されるのが嫌いな僕は、しばらく怒りを抑えきれないままホテルへと向かった。送迎車のドライバーにも聞いてみたが、ぼったくりのネパール人とは無関係らしい。怒っていてもお金は返ってこないので、貧しい人たちに施しを与えたと思うことにした。

どうやら、「親日家が多くて治安も良い=ぼったくりが少ない」の図式は当てはまらないようだ。親日家が多いということは、日本人のお金が好きということでもあるのかもしれない。

「日本政府はネパールへのODAなんて止めてしまえば良いのに・・・」

ホテルに向かうタクシーの中、こんな考えが頭をよぎった。ネパール人に対する第一印象は最悪なまま、ネパールでの初日は過ぎていった。

カトマンズの空港ではぼったくりにあう危険度が高いので、ネパール入国の際には十分気を付けて欲しい。

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2018年6月5日