インド旅行終盤になって気が付いたことがある。
インドはイギリスの植民地だったこともあってかそれなりに英語を話せる人が多いが、インド人の英語は早口で訛りもあって分かりにくい。英語のレベルも人によって様々だ。
話している内容がほとんど分かる人もいれば、ほとんど分からない人もいる。個人的には女性の英語が分かりづらく感じた(日本語でも女性が何を言っているのか分からないときがあるが、それは別論である)。
そして、相手の言っていることが分からなくて聞き返すとき、僕はついつい「What?」を使ってしまっていた。
しかし、周りのインド人や欧米人観光客を見ていると、ほとんどみんな「Sorry?」と言っている。
そこで僕は思った。「あれ?WhatじゃなくてSorryじゃね?」と。
僕も昔は「Sorry?」を使っていたはずだ。一体いつから「What?」になってしまったのだろうか。
考えて見たところ、最近よくアジア旅行に行くことが関係しているようだ。
東南アジアなどの国を旅行していると、道端で突然話しかけられたり、押し売りがしつこかったりすることがよくある。
そんな時、相手の言っていることが分からないと、苛立ちもあってついつい「What?」と強く言ってしまうのだ。
おまけに、英語を話せない人が多い国だと、簡単な英語表現の方が通じやすいので、「What?」と言った方が相手にも伝わりやすいのだ(多分)。そもそも、相手が「What?」を使っていたような気がする。
そんな訳で、相手がアジア人だと、「What?」と言うクセが付いてしまったようだ。
しかし、「What?」と言えば「はい?」とか「え?何?」とか言っているようなもので、随分ぶっきらぼうに聞こえる。
なので、聞き返すときは「What?」よりも「Sorry?」を使った方がスマートだろう。必要に応じて「Could you say that again?」などを付け加えれば良い。「すいません。もう一度言ってください。」みたいなニュアンスだろうか。
ちなみにインドは基本的にはイギリス英語らしい。アメリカには行ったことがないので定かではないが、アメリカでは「Excuse me?」もよく使われるらしい。
学校で習った「Pardon?」は昔オーストラリアでホームステイしていたときにお母さんがよく言っていたのを耳にしたが、最近はあまり聞かない表現である。しかし、言葉には正解がなく人それぞれだと思っているので、通じるのであれば時には「Pardon?」も織り交ぜてバリエーション豊かに行きたいところだ。
もちろん、相手や場面によっては「What?」などを使うのも良いだろう。どこの世界にも悪い人はいるもので、そのような相手に対していちいち丁寧に接してやる必要もない。特に一人旅だと時には強く出ることも必要だ。
それはともかく、どうやら、僕はアジア旅行を重ねているうちに、現地の人とのコミュニケーション能力はアップしたものの英語力は落ちてしまったようだ。
今では改めて英語を勉強する機会などほとんどなくなってしまったが、仮にも英語を使ってメシを食っている英語のプロとして反省してしまった。
最近、日本語と英語以外にも何か言語を勉強しようかと思っていたのだが、色々な国の英語にも対応できるようにした方が、世界中を旅行する上では役に立つことを実感する。
そう思うと、なんだかまた英語を勉強したくなってきた。今度はマルタかフィジーにでも英語留学に行こうかなぁ。