目次
はじめに
南インドケララ州の観光と言えばバックウォータークルーズが有名だ。
バックウォーターとは、アラビア海に沿って広がる無数の湖や川からなる水郷地帯のことである。
僕が今回初めてのインド旅行にケララ州を選んだのも、「世界・ふしぎ発見!」でやっていたバックウォータークルーズに惹かれたからだ。
ケララ州のアレッピー(アラップーラ)はバックウォーターの中心地で、様々なボートでクルーズを楽しむことができるが、中でもアレッピーからクイロン(コーラム)まで公営ボートで8時間かけて行くバックウォータークルーズは今回の旅の目玉と言って良い。
まずはアレッピーのボート・ジェッティーへ
アレッピーからクイロンに向かうバックウォータークルーズのチケットだが、アレッピーの市内中心部にあるDTPC(地域観光振興協議会)で聞いてみたところ、予約は必要なくて出発当日にすぐ近くにあるボート・ジェッティーに行けば良いらしい。
ちなみに僕がボートに乗った4月は毎日運航していたようだが、ハイシーズン以外は運航していないこともあるようなのでDTPCなどで事前に確認しておくと良いだろう。
ボートはアレッピーを午前10時半に出発してクイロンに午後6時半に到着する。
見晴らしの良い席に座りたかったので、当日は出発時刻の1時間ほど前にボート・ジェッティーに到着した。
ボートにはまだ誰も乗っておらず、2階の前方の席を確保することができた。
なんだかぼろいボートだが、料金は400ルピー(600円くらい)と安いししょうがない。ちなみに料金は出発後にボートの上でスタッフに支払う。
出発時刻が近づくにつれてボートには次々と乗客が乗り込んできたが、席にはまだまだ余裕があるようだった。
僕以外に外国人観光客らしき人の姿は見当たらず、相変わらずジロジロと見られる羽目になる。
露出度の高い欧米人観光客でもいれば視線を逸らしてくれて助かるんだけれど。
アレッピーからクイロンに向けて出発
午前10時半になり、ボートはクイロンに向けてアレッピーを出発した。
岸辺で暮らす人たちの生活を横目にボートは進む。
ボートから水以外に見えるのはヤシの木、川を流れるボート、そして地元の人たちの村と、代わり映えしない景色が続く。
ボートの乗客はインド人の観光客が多かったようで、出発当初こそみんなパシャパシャと写真を撮っていたものの、代わり映えしない景色にすぐに飽きてしまったようだ。
ランチは南インドの定食「ミールス」
午後1時頃、ボートはランチ休憩のために着岸した。
ランチはローカルな雰囲気の食堂でいただく「ミールス(meals)」。
ミールスとは、ご飯にカレーと何種類かのおかずが入った南インドでは定番のランチメニューだ。
おかずには焼いた魚も付けてくれ、ミネラルウォーターと合わせて値段は170ルピーだった。
ミールスは手で混ぜながら食べるのが南インド流らしい。
僕も現地の人たちと同じように手食(てしょく)に挑戦しようかと思ったのだが、スタッフに聞いてみたところスプーンをくれたのであえなく断念した。
手で食べること自体に抵抗はないのだが、長旅の途中だし、荷物が多くて手が汚れるのが嫌だったのだ(ちなみに、手を洗うための水道はある)。
再びクイロンに向けてバックウォータークルーズへ
ランチ休憩を終えて、ボートは再び出航する。
川の両岸には漁をするためのチャイニーズフィッシングネットが並び、時折ボートとすれ違う。
余談であるが、ケララ州滞在中に何度か魚やエビを食べたが、特に焼いたものはビックリするほど美味しかった。
米食でシーフードが美味しいこちらの食事は日本人の口に合うようだ(カレー嫌いは除く)。
午後3時を過ぎた頃だっただろうか、ボートはお茶休憩のために再び着岸した。
見慣れないおやつがいっぱい並んだローカルな雰囲気のカフェ(食堂?)に入ると、温かいチャイが提供された。
他の乗客はみんなおやつを貪っていたが、僕は朝食もたらふく食べてお腹がいっぱいだったのでチャイだけにした。
短い休憩を終えて再びボートは出航する。
確かに同じような景色を8時間も眺めていると飽きてくるが、風も心地良く、飛行機の中で過ごす8時間に比べるとはるかに快適で短く感じる。
いずれにせよ長旅なので、やることがないことに耐えられない方はモバイルWi-Fiルーターを持って行った方が良いかもしれない。僕もこれでネットサーフィンをして大分時間を潰すことができた。
クイロンに近づく頃には日が傾いてきた。乗客はみんな思い思いに席を移動して移りゆく景色を楽しんでいる。
クイロンのボート・ジェッティーに到着
ボートは最後の湖を越え、日が沈む前にようやくクイロンのボート・ジェッティーに到着した。
僕は慌ただしく移動するのが嫌いなので、この日はさらに南にあるビーチリゾートのバルカラ(ヴァルカラ)に移動する前にクイロンのホテルで一泊する予定だった。
ボート・ジェッティーではオートリキシャの運転手が客待ちをしていたので、ビーチ沿いにあるホテルまでオートリキシャで向かうことにした。