神の島・大神島での宿泊体験 Vol.3~集落を抜けて遠見台、そして東側外周道路へ~

遠見台の入り口

おぷゆう食堂の隣の道を上り、島の中心部にある遠見台を目指す。おぷゆう食堂の隣には大神小中学校の跡地がある。現在、島に子供はいないので、もちろん学校はない。島で一番若い人は50代だそうだ。

大神小中学校跡地

大神小中学校跡地

外周道路を除いて、大神島は坂道が多い。島民はお年寄りばかりなので大変かもしれない。坂道を上ると集落がある。人の姿を目にすることはほとんどない。現在、大神島の人口はホームページにも26人と記載されているが、実際に数えてみると25人しかいなかったと言っていた。あと1人はどこにいったんだろう。

大神島の集落

大神島の集落

集落を抜けて、緑に囲まれた小道を歩いて遠見台を目指す。足下には小さな虫がいっぱいいる。宮古島で出会ったユタ(シャーマン)の話によると、大神島のものには全て神が宿っているので、小さな虫もなるべく殺さない方が良いらしい。

遠見台へと続く小道

遠見台へと続く小道

小道を抜けて遠見台へ。祭祀の時期は遠見台への立ち入りは禁止になるようだ。僕はいつも11月の中旬から12月の初旬にかけて大神島を訪れるが、祭祀の時期に重なったことは一度もなかった。

遠見台の入り口

遠見台の入り口

遠見台の階段

遠見台の階段

木々の間の階段を登り、頂上へと到着。この日は真夏の陽気だったので、汗が噴き出してきた。遠見台の標高は74.5mあり、頂上からの眺めは素晴らしい。大神島全体を見渡すことが出来るだけでなく、宮古島、池間島を望むことが出来る。

自然に囲まれて、ただ一人ここに立ち尽くしていると、なんだか自分がちっぽけな存在に思えてくる。自然という名の神と対話をしているかのような、そんな気持ちにさせられるのだ。「神の島」と呼ばれる大神島の伝説、そしてこの島の美しい自然が、そのような特別な気持ちにさせるのかもしれない。

遠見台からの景色

遠見台からの景色

遠見台からの景色

遠見台からの景色

遠見台を降り、次は島の東にある外周道路へと向かう。いったん、おぷゆう食堂がある港まで戻っても良いが、遠見台から集落まで行って、そこを左に曲がり畑がある道を抜ければ東側外周道路に出ることが出来る。外周道路とは言っても島を一周しているわけではなく、道路は途中で行き止まりになっている。

大神島東側外周道路

大神島東側外周道路

東側外周道路から見える海では半円状に大岩が並んでおり、2つ合わせてクジラの形をした岩も見ることが出来る。

クジラ岩(東側外周道路)

クジラ岩(東側外周道路)

東側外周道路には、「大神島多目的広場」なる大きな広場がある。トイレもあって日除けも出来るので、島を散策する途中に休憩するには丁度良いだろう。「多目的」と言っても何もない広場なので何を目的に作られたのかは分からないが、人が多く住んでいた時代にはここでイベントなどが開かれていたのかもしれない。

大神島多目的広場

大神島多目的広場

東側外周道路からおぷゆう食堂に戻ったのは午後4時頃。もうすぐ宮古島行きの最終のフェリーが出る時間だ。西側外周道路を散策する前に、食堂で休憩をしてからフェリーを見送ることにした。

食堂のテラス席に座りフェリーの出発時刻までのんびりしていると、去年まで見たことのない大神島のおじさんが話しかけてきた。

おじさん「お兄さん、泊まり?」
僕「はい、泊まりです。」
おじさん「一人?」
僕「はい、一人です。」
おじさん「・・・・・・・・・」
僕「・・・・・・・・・」

なんだか怖くなってきた。大神島の夜はどんな感じなんだろう?まさか、取って食べられるんじゃないだろうな・・・。

大神島の人たちとの会話はいつもこんな感じで、会話が長く続かない。まぁ、僕が積極的に話しかけないせいもあるんだろうけど。大神島の人たちは、宮古島の人たちのように、親しく話しかけてくるということはあまりない。人口25人程度の小さな島なので、よそ者に慣れていないのかもしれない。しかし、特に排他的という訳でもなく、話しかけると親切に返してくれる。

午後4時20分、宮古島行きの最終フェリーがやってきた。宮古島に帰る人は、このフェリーを逃したらジ・エンドだ。その場合は食堂の人たちにお世話になるしかないだろう。

乗客たちが港に立つ僕に手を振りながら、フェリーは港を離れていった。島民を除いて、島に泊まるのは僕ただ一人。大神島の長い夜が始まる。

宮古島行きの最終フェリー

宮古島行きの最終フェリー

宮古島行きの最終フェリー

宮古島行きの最終フェリー

神の島・大神島での宿泊体験 Vol.4~西側外周道路、ビーチから見る夕日~に続く