約一年ぶりに宮古島に来たが、全体的に大きな変化はないような気がする。一番驚いたのは、ココストアがなくなったことだ。ココストアはファミリーマートに吸収合併されたので、ほとんどの店舗はファミリーマートになるらしい。
ココストアは名古屋の会社だが、関西で目にすることはなく、沖縄ではよく目にするのでココストアを見ると沖縄に来たという実感が湧いていた。特に、宮古島市街地の中心部である西里通りのど真ん中にあったココストアは宮古島のアイコンでもあった。中心部と言っても元々人通りの少ない通りではあったが、ピンクの色がなくなり閉店されたココストアを見るとなんとも寂しい気持ちにさせられる。
コンビニがココストアばかりの時は、わざわざ慣れ親しんだファミリーマートを選んで入っていたものだが、いざココストアがなくなってみると、あのピンク色の外観が無性に懐かしくなる。失ってから初めて大切さに気づく・・・人間ってのは勝手なもんだ。
西里通りに、K’s DINERというアメリカンレストランも出来ていた。宮古島にはそぐわない、なんともモダンな外観だ。この手のお店は年々増えてきているような気がする。
通りにはそれほど人が増えたという印象はないのだが、羽田と関空から宮古島への直行便が就航したこともあり、去年より観光客の姿を目にするような気がする。宮古そばで人気のお店なんかに行くと、客の半分は観光客ではないかと思うほどだ。
観光客には若い人が多い。20代が一番多いのではないだろうか。東京や大阪などの都会育ちの人たちが若いうちに宮古島の自然や文化に触れ合うことは貴重な経験になると思う。しかし、2泊3日などの日程で来ている観光客も多いようだ。2泊3日だと見所を見て回るのには短く、またゆっくりとした時の流れを感じることも宮古島の魅力の一つなのだから、出来れば少しでも長く滞在して離島の時の流れを体感して欲しい。
普段僕が行くようなバーでは観光客の姿はあまり増えたような気がしない。短期滞在の観光客は、夜は有名な沖縄料理の居酒屋で食事をしたりして、その後は翌日に備えて早めにホテルに帰る人も多いようだ。
そう言えば、去年の同時期に比べてホテルやマンションの予約がかなり埋まっていた。やはり直行便が就航した影響が大きいのだろうか。
また、これは宮古島に休暇で頻繁に訪れる人も口にしていたことだが、宮古島から見る伊良部島に明かりが増えたように思う。伊良部大橋が開通し、人が増えていっているのだろうか。伊良部島ではこれからも開発が進んでいくことだろう。宮古島よりも海が綺麗な伊良部島に訪れる人が増えるのは嬉しいことでもあるが、人が増えたことによって伊良部島の海が汚れていくのではないかと思うと、少し悲しくもある。
他に街中での変化と言えば、宮古島の飲み屋街、イーザトに屋台村が出来ていたことだろうか。島おでんたからの目の前で、隣にはバーが併設されている。以前この辺にあった古謝本店は閉店したようだ。タクシーの運転手によると、内地の人がこの屋台村をオープンしたらしい。内地とは、沖縄に居るとよく耳にする言葉だが、基本的には沖縄県以外の都道府県を指している。
このような宮古島での新しいスタイルのお店を開いているのは、内地、特に本州から移住してきた人たちが多いように思う。
新しいお店や観光客は年々増えてきているように思うが、宮古島の人たちの優しさは変わらない。観光客が押し寄せる昔ながらの島のお店なんかは、これだけ繁盛しているんだからお店のスタッフも少し傲慢になるんじゃないかと思うんだが、島の人たちの接客態度は10年以上前に初めて宮古島に来たときとなんら変わらない印象だ。まぁ、だからこそ人気店のままでいられるんだろうけど、島の人たちの姿勢に学ばされることも多い。
そして、相も変わらず宮古島の海は綺麗だ。これだけ人が増えると海も汚れてきそうではあるが、白い砂浜と宮古ブルーの美しさはまだまだ健在だ。