「一番好きな沖縄料理は何か?」と問われたら、僕は迷わず「宮古そば」と答えるだろう。沖縄料理は数あれど、これだけは大阪に持って帰りたい一品だ。宮古そばは沖縄そばの一種であるが、沖縄そばは離島によって微妙に違いがあり、「沖縄そば」「宮古そば」「八重山そば」などの呼び名がある。この中で味が一番僕好みなのが宮古そばだ。
宮古そばは、そばといっても麺は小麦粉(普通のそばには蕎麦粉が入っている)で出来ている。基本のだしは豚にかつおで、具は豚の三枚肉(ばら肉)にかまぼこ、ネギなどが入っているのが一般的だ。具が麺の下に隠されている場合もある。お店によって違いはあるが、宮古そばは基本的にあっさりとしており、そばというよりもどちらかと言えば関西風のうどんに近い味だ。
宮古島のレストランや食堂には必ずと言っていいほど宮古そばがあり、僕の昼食は地元の人たちと変わらず毎日のように宮古そばだ。
この日は昼食を取るため、宮古そばで有名な「大和食堂(だいわしょくどう)」を訪れた。このお店は、初めて宮古島に来たときに友達とみんなで食事をした思い出の場所でもあり、宮古島に来た際には必ず一度は訪れるお店だ。市街地中心部からは若干離れており、宮古島市役所から約1.5km、徒歩20分程度のところにある。お店の隣には駐車場があり、車で来る人も多いようだ。

「大和食堂(だいわしょくどう)」外観
「大和食堂」には、昔ながらの島の食堂と言った雰囲気がある。宮古そばももちろん美味しいが、この雰囲気を味わうために来ていると言った方が近いかもしれない。特にお昼時は地元の人たちや観光客で混んでいるので、午後1時~2時過ぎなど、昼食には少し遅めの時間帯に行った方がゆっくり出来るだろう。店内にはテーブル席と畳の座敷があるが、出来れば畳の座敷に座って沖縄の離島感を味わいたいところだ。

「大和食堂」店内

「大和食堂」の座敷席
この日注文したのはソーキそば。普通の宮古そばとソーキそばの違いは、豚の三枚肉の代わりにソーキ(豚の骨付きあばら肉)が乗っているだけである。「大和食堂」のそばはあっさりとしており、ソーキもトロトロで食後に胃もたれすることもない。

トロトロのソーキそば
もちろん、三枚肉が入った普通の宮古そばもおすすめだ。昔ながらの宮古そばらしく、具は麺の下に隠されている。三枚肉そばというメニューもあるが、確か三枚肉の量が多かっただけだと思う。

宮古そば(大)
そば以外にも色々とメニューがある。昔すぐ近くのウィークリーマンションに住んでいたときはこのお店にも頻繁に通っていたのだが、そば以外ではカツ丼が美味しくてよく食べた。小さいそばが付いてくるのも嬉しい。

カツ丼(ミニそば付き)
昔ながらの黄色いカレーライスが気になるかもしれない。以前食べたことがあるが、美味しかったものの、辛みのないカレーなので、辛いカレーが好きな僕にとってはあまり好みの味ではなかった。小さい頃に家で食べた手作りカレーに近いような気がする。なんだか優しい味だ。

「大和食堂」のメニュー(2017年版)
やはりこのお店の一番のおすすめはそばだ。島の食堂の雰囲気の中で食べる宮古そばは格別である。宮古島に来たなら、是非一度は訪れて欲しいお店だ。
「大和食堂(だいわしょくどう)」所在地:宮古島市平良西里819-3