宮古島一の繁華街・西里大通りにある居酒屋「でいりぐち」は、宮古島に住む人たちの間でも美味しいと評判の居酒屋だ。
以前から気になっていたのだが、人気店のため予約で埋まっていることが多い。夕食のゴールデンタイムに訪れるのであれば予約は必須だろう。食べログによると営業時間は午後6時から12時で、繁華街のど真ん中にあるためか、駐車場はないようだ。
今回、「でいりぐち」の店員がたまたま知り合いで、観光客が少ない11月ということもあるのだろうが、前日にもかかわらず幸運にも予約を取ってくれたので訪れることにした。
店内はテーブル席とカウンター席がある。テーブル席はそれほど数が多くないようで、すぐに予約で一杯になるのもうなずける。
この日は2人で訪れたので、カウンター席に座ってまずはオリオン生ビールとお通しをいただく。カウンターには名前入りのウェルカムメッセージが書かれているのが嬉しい。
ちなみに、生ビールはキリン一番搾りもある。宮古島にもオリオン以外の生ビールを置くお店が増えてきたように思う。地元の人たちにとっては選択肢が増えて良いのだろうが、「沖縄と言えばオリオンビール」という観光客にとっては、生ビールをオーダーして種類を聞かれるのは、なんだか微妙な気持ちになるのである。
まずはイラブチャーの刺身と海ぶどうをいただく。もはや宮古島の居酒屋と言えば最初に頼む料理はほとんど刺身と海ぶどうと決まっている。イラブチャーとは、ブダイ科の総称のことである。海ぶどうはクビレズタという海藻だ。
宮古島では刺身は大体どこで食べても美味しいのだが、「でいりぐち」の海ぶどうは絶品で、色も食感も今まで宮古島の居酒屋で食べた中では一番だった。食欲が増してきたところで、続いてさんまの磯辺揚と島豆腐ステーキ(和風きのこあんかけ)をいただく。
いつものように1人ではなく2人で食事をしているので色々な料理を食べられるのが嬉しい。「でいりぐち」では島の食材を使った創作料理を楽しむことができ、他の居酒屋とは一味違ったメニューも多い。ドリンクメニューも豊富で、マンゴーサワーも濃厚なマンゴーの味がして美味しかった。
続いては「ザ・沖縄料理」と呼ぶに相応しいラフテーをいただく。ラフテーは豚の角煮のことであるが、味はもはや説明の必要がなく、写真で見たまんまの美味しさである。
沖縄の居酒屋に来ると、せっかくなので沖縄料理ばかりを食べたくなるのが人情である。お腹が満たされて来たところでご飯が食べたくなったので、このお店の名物メニューとも言える「石焼タコライス」をオーダーした。タコライスとは沖縄料理の一種で、ご飯の上にタコスの具が乗っている。タコスが何であるかはメキシコ人に聞いて欲しい。
タコライスをビビンバのように石焼きで食べるのは初めてだ。店員が目の前で手際よく混ぜてくれた。まろやかな味でとても美味しく、締めには最高の一品である。
「でいりぐち」では泡盛の種類も豊富だ。宮古島にも泡盛酒造所がいくつかあり、中でも代表的なのが菊之露である。泡盛は琉球グラスに入って出てくるのが嬉しい。居酒屋で沖縄料理を食べていると、やはりオリオン生ビールと泡盛が飲みたくなる。
美味しい料理とお酒ですっかり気分が良くなった僕は、隣で唖然とする友人を横目に、締めの締めの一品としてアーサの塩焼きそばをいただいた。1人旅で鍛え上げた胃袋は、20代のそれよりも強靱なのだ。
2人で10杯程度は飲んだような気がするが、会計は合計で1万円程度と、思ったよりも安かった。さすがの人気店だけあって、店内の雰囲気も良く、料理もお酒も美味しく、何より店員の態度が丁寧で親切だった。なかなか入れないのが残念だが、毎日でも来たいと思わせてくれるおすすめの居酒屋である。
「でいりぐち」所在地:宮古島市平良字西里224