宮古島の市街地から平良港へ向かう坂道を下り、平良港の交差点を左に曲がって少し歩くと左手に「菊栄食堂(きくえいしょくどう)」という、一見営業しているのかどうか分からない外観の食堂がある。
ネットで調べた情報によると、「菊栄食堂」の営業時間は午前9時から午後6時とある。定休日は日曜日らしいが、以前平日のお昼に行っても閉まっていたことが2度ほどあった。宮古島あるあるである。
「菊栄食堂」はお昼時はいつも混雑している。平良港に近いため、港で働く男性客も多いようだ。観光客にも人気があるようで、店内には多くの芸能人のサインも飾られている。
店内はいかにも地元の大衆食堂といった感じだ。昭和を思わせるレトロな雰囲気で、壁には石原裕次郎のカレンダーが飾られており、カウンターにはダイヤル式の電話もある。電話は今でも現役のようで、店員さんが10円玉を投入して電話を掛けていた。その光景を見て何故か徳永英明の歌を思い出した。
「菊栄食堂」のメニューは、そば、カレー、ゴーヤチャンプルー、チャンポンなどの庶民的なものばかりで、ほとんどが500円と安い。定番のそばは、サッパリとしていて美味しい。典型的な宮古そばらしく、具の三枚肉とかまぼこは麺の下に隠れている。
カレーは宮古島の食堂でよく見る昔ながらの黄色いカレーだ。具は豚肉、じゃがいも、玉ねぎ、ピーマンなど。豚肉というところがいかにも沖縄っぽい。このままでもまろやかで美味しいのだが、辛いカレーが好きな僕はソースを加えていただいた。
カレーには小さいそばも付いてくる。宮古島の食堂ではよくあるパターンだ。カレーとそばというのは何だか奇妙な組合せだが、意地でも宮古そばを食べて頂こうという心意気が感じられる。
お昼時はお客さんが頻繁に出入りしているのであまりゆっくりはできなかったが、昔ながらの地元の食堂の雰囲気の中、安くて美味しい庶民の味を堪能したい方にはおすすめの食堂だ。
「菊栄食堂(きくえいしょくどう)」所在地:宮古島市平良字西里13-6