マカオと言えばカジノ以外に世界遺産も有名だ。タイパフェリーターミナルの観光案内所で手に入れたガイドブック『世界遺産の街 マカオ 日本語版』を手に、マカオ半島にある世界遺産「マカオ歴史市街地区」を1日かけて徒歩で巡ってきたのでご紹介したい。
世界文化遺産に登録された「マカオ歴史市街地区」にある世界遺産の数は全部で30個で、8つの広場と22カ所の歴史的建造物で構成される。マカオにある世界遺産の一覧(ガイドブック記載の番号順)はこの記事の一番下を参照して欲しい。
ガイドブック記載の番号に従って、マカオの街を南から北へ歩くことにした。この記事では、30個ある世界遺産のうち、①媽閣廟~⑬セナド広場までをご紹介したい。正確に番号通りのルートで回ると効率的でなく分かりづらい所もあるのだが、モデルコースの一つとして参考にして欲しい。
滞在しているホテルを出て、まずは出発地点であるマカオ半島南部の①媽閣廟(A-Ma Temple)とその前にある②バラ広場(Barra Square)へタクシーで向かうことにした。マカオの街は暑いので、効率的に見て回るにはタクシーも併用したい。
媽閣廟はマカオで最も古い寺院であり、かつ最も古い建造物でもあるようだ。媽閣廟の通称「アマガオ」が「マカオ」の名前の由来となったらしい。結構大きな寺院で、観光客や参拝客で賑わっている。この日はお盆休みだったこともあり、日本人の姿もちょくちょく目にした。
媽閣廟の前には、バラ広場がある。ポルトガル式モザイクが波模様に敷き詰められた石畳の広場だ。
媽閣廟から北に媽閣斜巷の通りを進むと、③港務局(Moorish Barracks)がある。
港務局は、昔はインド人部隊の兵舎だったが、現在は海事水務局として使用されているようだ。港務局の中は普通の役所のようで、入ってみたが何だか気まずくなってすぐに出た。見学可能なのはどうやら回廊のみらしい。
港務局からさらに北に媽閣街を歩くと、左手に④鄭家屋敷(Mandarin’s House)、右手に⑤リラウ広場(Lilau Square)がある。
鄭家屋敷の入り口は路地を入ったところにあるので少し分かりづらい。鄭家屋敷は1869年に建設された中国人思想家、鄭觀應(ていかんおう)の旧邸宅で、伝統的な中国式家屋の中に西洋の装飾様式を取り入れている。
鄭家屋敷のすぐ近くにあるリラウ広場は地元の人たちの憩いの場になっている。リラウとはポルトガル語で「山泉」を意味する。一見何の変哲もない広場だが、ポルトガル人が最初に住み始めた地区らしく、周囲にはポルトガル様式のアパートが立ち並んでいる。
ここからさらに北に高樓街を進むと、⑥聖ローレンス教会(St. Lawrence’s Church)がある。
聖ローレンス教会は、1600年代半ばに最初の建物が建てられたマカオで最も古い教会の1つだ。風格のある立派な建物である。なお、寺院と同じく、教会に入る際は帽子を取らないといけない(男性の場合)ので気を付けよう。どうも帽子は神様に受けが悪いようである。
聖ローレンス教会から少し北に進むと、⑦聖ヨセフ修道院及び聖堂(St. Joseph’s Seminary and Church)、⑧聖オーガスティン広場(St. Augustine’s Square)、⑨聖オーガスティン教会(St. Augustine’s Church)、⑩ドン・ペドロ5世劇場(Don Pedro V Theatre)、⑪ロバート・ホー・トン図書館(Sir Robert Ho Tung Library)の5つの世界遺産が集まっている。
バロック様式の聖ヨセフ聖堂は1758年に建築され、堂内には聖フランシスコ・ザビエルの遺骨が祀られている。この教会もクリーム色をしている。ポルトガルの建物の特徴だろうか。
上記の歴史的建造物に囲まれた聖オーガスティン広場は、間違いなく通ったはずなのだが、残念ながら写真を撮っていなかったようだ。聖オーガスティン教会は工事中だった。最初の教会は1586年に木造の神学校として建設され、1591年に聖オーガスティン広場に移設されたそうだ。
緑色の外観が特徴的なドン・ペドロ5世劇場は1860年に建設された中国最初の西洋式劇場で、ポルトガル人の社交場だったが、現在は演劇やコンサート会場として使用されているようだ。こちらも残念ながら中に入ることはできなかった。
ロバート・ホー・トン図書館は、香港の富豪ロバート・ホー・トン卿が購入して別荘として使用していたが、彼の死後に遺言によって公立図書館として寄贈されたものらしい。図書館らしく、中はひんやりと静まり返っていた。庭もあるので歩き疲れた時に休憩するには良いだろう。
ここから北に東方斜巷を進むと、⑫民政総署(”Leal Senado” Building)がある。民政総署の前は有名な⑬セナド広場(Senado Square)だ。
民政総署は1784年にマカオ市政局として建てられたもので、現在の建物は1874年に改築されたものらしい。
セナド広場はマカオの中心地であり、周辺には世界遺産が立ち並ぶ。日が沈む頃のライトアップされたセナド広場も美しいが、昼間の青い空をバックに見るヨーロッパ調の街並みもまた美しい。
続いて、セナド広場周辺の世界遺産、⑭三街会館(關帝廟)~⑳聖ドミニコ教会までは以下の記事を参照して欲しい。
参考文書
『世界遺産の街 マカオ 日本語版』
マカオの世界遺産一覧(番号はガイドブック記載の通り)
①媽閣廟
②バラ広場
③港務局
④鄭家屋敷
⑤リラウ広場
⑥聖ローレンス教会
⑦聖ヨセフ修道院及び聖堂
⑧聖オーガスティン広場
⑨聖オーガスティン教会
⑩ドン・ペドロ5世劇場
⑪ロバート・ホー・トン図書館
⑫民政総署
⑬セナド広場
⑭三街会館(關帝廟)
⑮仁慈堂
⑯カテドラル(大堂)
⑰カテドラル(大堂)広場
⑱盧家屋敷
⑲聖ドミニコ広場
⑳聖ドミニコ教会
㉑聖ポール天主堂跡
㉒イエズス会記念広場
㉓旧城壁
㉔ナーチャ廟
㉕モンテの砦
㉖カモンエス広場
㉗カーサ庭園
㉘プロテスタント墓地
㉙聖アントニオ教会
㉚ギア要塞(ギア教会とギア灯台)