香港のメインストリートと言えば、九龍半島の最南端部の尖沙咀(チムサーチョイ)から太子(プリンスエドワード)まで南北に約3.8km(3.6kmと記載している媒体もある)伸びる彌敦道(ネイザンロード)だ。
香港の近代的な街並みと昔ながらの下町、港、そして自然と、ネイザンロードを歩くと香港の魅力を存分に味わうことができる。
僕が香港で滞在していた下町エリアの油麻地(ヤウマテイ)にもネイザンロードが通っているので、香港滞在中はよくネイザンロードを歩いたものだ。
油麻地のネイザンロードには、吉野屋がある。日本ではチェーンの牛丼屋なんてもう何年も入っていないが、香港で見る吉野屋はなんだかもの珍しく、昔懐かしい感じもして、引き寄せられるように入ってしまった。
値段は日本より割高に感じるものの、地元の人にも大人気のようで、店内は常に混雑している。トッピングの卵が生卵ではないのが海外らしいが、牛丼や味噌汁の味は日本のそれと大差ない。
ネイザンロードを港(ビクトリアハーバー)がある尖沙咀に向かって歩くと、近代的な街並みが広がり、それと同時に通り沿いには緑が増えてくる。都会のど真ん中にもかかわらず、ネイザンロード沿いには大きな九龍公園がある。
九龍公園内には、香港の漫画の主人公の像が並ぶ「ホンコン・アベニュー・オブ・コミックスターズ」がある。
九龍公園は結構広く、中にはプールや体育館などの施設もあり、泳ぎに来ている地元の人たちを多く目にした。まさに都会の中のオアシスといったところだ。他には中国式庭園もある。街歩きに疲れたら、九龍公園の自然の中でのんびりするのも良いだろう(暑いけど)。
九龍公園からネイザンロードをさらに南に歩き、ショッピングモールが立ち並ぶ通りを抜けると尖沙咀プロムナードにたどり着く。尖沙咀プロムナードから見るビクトリアハーバーの景色は美しい。ここから見る香港島の夜景は有名で、毎晩午後8時からは光と音のショー「シンフォニーオブライツ(A Symphony of Lights)」も行われている。
尖沙咀プロムナードの2階からの眺めは格別で、観光客の間で絶好の撮影スポットとなっている。残念ながら、尖沙咀プロムナードは現在工事が進行中で、ブルース・リーの銅像などが展示されている「アベニュー・オブ・スターズ」は閉鎖されている。後から知ったのだが、2018年末の工事完了まで、すぐ近くの尖沙咀東海濱平台花園という公園で「ガーデン・オブ・スターズ」として展示物が公開されているようだ。
ブルース・リーの像を見ることができなかったのが香港滞在中の心残りだが、映画にもよく出てくるネイザンロードは香港を語る上では欠かせない場所なので、香港に来たら是非一度はネイザンロード周辺を歩いて観光して欲しい。