チェンマイに来たら食べたい料理の一つにカオソーイがある。カオソーイはタイ北部の名物料理で、日本風に言えばカレーラーメンだ。一般的にはイエローカレーの中に茹でた麺が入っており、その上に揚げた麺が乗っている。具材は鶏肉を使うことが多い。
この日はカオソーイを食べたいと思い、ガイドブックをめくっていると、「ジャスト・カオ・ソーイ(Just Khao Soy)」と言う、いかにも専門的らしき名前のレストランを発見したので行ってみることにした。
しかし、いくら探しても見つからない。ガイドブックが古かったためか、どうやら「ジャスト・カオ・ソーイ」は閉店したようだ。他にカオソーイ専門店を探そうかとも思ったのだが、面倒なので近くにあった「リバー・マーケット(The River Market)」というレストランに入ることにした。
「リバー・マーケット」は、チェンマイ市街地の東部を流れるピン川(Ping River)沿いにあるレストランだ。ロイクロ通り(Loi Kroh Road)とチャルン・プラテート通り(Charoen Prathet Road)の交差点近くにある。大きな敷地内に入ると、タイ式の立派な木造建築物が建っている。
ピン川を望むことが出来る店内は広くてゆったりとしており、観光客(特に西洋人観光客)で賑わっていた。せっかくなのでリバーサイドでおしゃれに食事をしたいところだったが、僕がお店に入った途端に雷と共に大雨が降り出してきたので、雨がかからないお店のど真ん中にあるカウンター席に案内された。なんだか妙にカウンターが高い位置にあるのが気になる。
せっかくなので、元々この日食べる予定だったカオソーイをいただくことにした。他にはビールに揚げ春巻きをオーダー。旅行中にレストランに入ると、色々食べたくてメインディッシュの他についつい前菜やつまみもオーダーしてしまうのだが、一人だと前菜やつまみでお腹が膨れてしまうことも多い。一人旅の一番の悩みである。
雷が光り、雨が降り続けるピン川を眺めながらビールを飲み、料理が運ばれてくるのを待つ。これはこれで風情のある光景である。揚げ春巻きを先に持ってきて欲しいのだが、まずはカオソーイがやって来た。
カオソーイは普通に美味しかったが、鶏肉が大きくパサパサしていたのが残念だ。一般的なカオソーイはそれほど辛くないので、少し食べてから、唐辛子を入れてライムを搾って味を調える。付け合わせのオニオンを入れても良い。カオソーイを食べていると、揚げ春巻きが運ばれてきた。
揚げ春巻きはハズレが少なく、僕もタイでは頻繁にオーダーするおすすめの料理なのだが、このレストランの揚げ春巻きはエビがプリプリしていてとても美味しかった。こちらに夢中でカオソーイの存在を忘れてしまったほどだ。
カオソーイは195バーツ、揚げ春巻きは225バーツと、普段はもっぱら屋台で食事をしている僕からすると高級レストランの部類に入るのだが、料理の量はまぁまぁ多い。
ここのカオソーイも悪くはなかったが、カオソーイを食べて感動したいのであればやはり専門店に行くべきだろう。僕がチェンマイでカオソーイを食べたのは普通のレストランばかり(大体どこにでもある)だったこともあって、チェンマイではそこまで美味しいカオソーイには出会うことが出来なかった。バンコクのホテルで食べたカオソーイの方が美味しかったほどだ。チェンマイに訪れたなら是非、美味しいカオソーイのお店を見つけて欲しい。
ピン川沿いのおしゃれな雰囲気の中、現地グルメを堪能したい方には「リバー・マーケット」はおすすめのお店だ。僕も今度来るときは、川を眺めながら恋人と一緒にワインでも開けたいものである。
「リバー・マーケット(The River Market)」住所と地図:33/12 Charoen Prathet Road, Changklan, Muang Chiang Mai