香港はホテルが高く、その分自然と食費を節約するようになる。なので、香港に滞在中は高級レストランに行くことはなく(一人では入りづらいこともあるが)、食事のほとんどは滞在しているホテルがある油麻地(ヤウマテイ)の安い食堂(レストラン)やナイトマーケットで済ませた。
台湾でもそうだったが、高級レストランよりも、小さな食堂や屋台で食べる食事の方が美味しかったりするものだ。日本で言えば、高級料亭の懐石料理よりも、アットホームな食堂で食べる肉じゃがやサンマの塩焼きの方が美味しく感じたりするのと同じで、これはある意味当然とも言える。
香港の下町・油麻地の廟街(テンプルストリート)を散策していると、なんだか美味しそうな食堂を発見したので入ってみることにした。
廟街の人気レストラン「美都餐室(Mido Cafe)」がある通りを入って北に進み、セブンイレブンを過ぎたところにその食堂、「廟街餐廳小厨」がある。店頭には陽気なおばちゃんが立っていることが多い。他の店員も含めて英語はあまり通じないようだ。
この食堂では、ランチセットを35ドル(約490円)で提供している。日本で言うワンコインランチのようなものだ。+2ドルでドリンク(アイスティーなど)を付けることもできる。安いこともあるのだろうが地元の人に人気の食堂らしく、昼時の店内は混雑している。
ランチセットはメインディッシュの料理にライス、スープが付いてくる。メインディッシュの料理は食堂の入り口に置いてある肉まんの蒸し器のようなものに入っており、そこから選ぶ。肉料理(豚、鶏、牛)と魚料理がある。魚料理は肉料理とは別の蒸し器に入れられており、こちらも同じ値段(35ドル)だと思うが、食べたことがないので定かではない。
肉料理はどれも美味しくて、濃い目の味付けだが日本人好みの味だ。牛肉料理は香港を出国する日、食堂オープン直後の時間帯に朝食と昼食を兼ねていただいたのだが、オープン直後ということもあってか、中が赤かったのが気になった。しかし、味は問題がなく、後からお腹の調子が悪くなるということもなかった。
ランチセットのスープには野菜や肉などの具材が入っていて、基本的にさっぱりとした味付けだ。セットに+2ドルでアイスレモンティーが飲めるのが嬉しい。香港の暑さの中飲むアイスレモンティーは格別だ。普通の喫茶店なら10倍の値段はしそうである。
お店の前の通り(廟街)では、夜になるとナイトマーケット(夜市)が開かれる。このお店も、昼間はランチセットだけを提供しているみたいだが、夜はナイトマーケットが開かれている道路にもテーブルを出して、一品料理を提供している。ナイトマーケットを観光した後に食事をするのにもおすすめだ。
夜にも一度ディナーを食べるためにこのお店を訪れ、豚の腸を揚げた料理と貝を炒めた料理をいただいたが、どちらも美味しかった。豚の腸は少し臭みがあったが、どちらかと言えば内臓系が苦手な僕でも気になる程の臭みではなかった。貝の料理は、貝をオニオン、グリーンペッパーやチリと共にブラックビーンズソースで炒めたものだ。ご飯とチンタオビールがよく進む。
料理2品、ご飯2杯、そしてチンタオビール(大)2本で175ドルと、思ったよりも安い値段だった。満腹になり、食後はナイトマーケットでお土産を買って、満足して帰路についた。現地グルメをリーズナブルに堪能したい方にはおすすめのお店である。ご馳走様でした。
「廟街餐廳小厨」住所と地図:油麻地廟街45號