以前別の記事でも書いたが、この本の著者である樺沢紫苑さんは精神科医で、精神医学や脳科学などに関する本を書いている作家だ。僕はこれらの分野の本が結構好きなので、最近はこの人の本を読むことも多い。
この本の中で、著者は人間が集中出来る時間を「15分」、「45分」、「90分」の3つに分けて解説している。人間が集中出来る時間は90分が限界だそうだ。
僕自身、集中力や時間の使い方に関しては、高度な集中力と長い勉強時間を要する司法書士試験の勉強をしているときに、かなり意識するようになった。
勉強をする際、45~60分程度勉強するとどうしても脳が疲れてしまい、10分程度の休憩を挟むことが多い。調子の良いときでもせいぜい90分程度だ。なので、3時間程度勉強しようと思うと、45~60分程度の勉強と10分程度の休憩を1セットで計3セット勉強することになるのだ。
司法書士試験に一発で合格した有名な某受験講師のように、1セットあたり3時間は高い集中力を保ったまま継続して勉強したいのであるが、よほど切羽詰まったときでもない限り、3時間休まずに継続して集中した勉強をすることは出来そうにもない。
「自分は集中力が足りないのだ」と、悔しい思いをしてきたのであるが、脳科学的に見ると、僕の勉強のやり方は正しかったのではないかと思う。
集中力が途切れないごく一部の例外的な人(アスペルガー?)を除いて、3時間だらだらと勉強を続けるよりも、45分の集中した勉強を3回続ける方が、はるかに効果があるのだ。
ただ、休憩時間が長くなりすぎないように気を付けないといけない。僕は仕事があるので休憩時間ごとにスマホでメールをチェックするのであるが、必要以上にはインターネットに触れないようにしている。視覚情報が脳に入りすぎると、脳が混乱するので良くないようだ。
10分休憩するつもりがSNSをやり始めてついつい30分・・・なんてのは最悪のパターンだろう。
集中する前に僕もよくやるが、音楽を聴きながら目を閉じてリラックスというのは良い休憩時間の過ごし方かもしれない。
15分とは高い集中力が持続する時間のようだ。凄まじい集中力と頭の回転を要するプロの同時通訳は15分程度が限界らしい。まとまった勉強時間が取れないときは、電車に乗っているときやその他のスキマ時間に15分程度の集中した勉強をするのも十分に効果があるようだ。
他にも本書では、この著者には毎度お馴染みのことであるが、脳の力を最大限に引き出すための朝の時間(ゴールデンタイム)の有効活用法、脳をリフレッシュさせるための仮眠や運動の重要性などが書かれている。
僕はもともと朝が超苦手なのであるが、この著者の本を読んだこともあり、受験勉強をするために思い切って朝型に切り替えた。夜はカーテンを開けてアイマスク・耳栓をして眠り、朝早く(といってもせいぜい7~8時だが)起きて脳がクリアな状態で集中して勉強をするのだ。朝のうちにある程度の大事な勉強や仕事をこなすと、その日一日は驚くほどパフォーマンスが良い。
受験勉強をしていたときは、大事な仕事があるときを除いて基本的に朝は勉強をする時間に充てていたが、現在ではブログの執筆をしていることが多い。
この著者以外にも作家の村上春樹や、難関資格に一発合格する人、ビジネスで成功している人などは、朝の時間を有効活用している人が多いように思う。ランニングやその他の運動をしている人も多い。
テクノロジーが発達した現代では、集中力を維持するのはますます難しくなってきているように感じる。一度集中力が途切れると、元の集中した状態に戻るのには15分はかかるそうだ。集中しているときに、スマホの通知がなったり、電話がなったり、または声を掛けられたり・・・。僕も勉強に集中しているときは、スマホとの付き合い方が一番の悩みのタネであった。
現代人、特に今の学生などは、欲せずとも常に誰かと繋がっている状態で、よほど強い意志を持たなければなかなか自分の時間を確保出来ないのではないかと思う。だからこそ、「集中する人」と「集中しない人」の差は広がっていくばかりなのではないだろうか。
それにしても、次々と著作を出すこの著者の質の高い文章を書くスピードは凄い。僕も負けずに早起きして文章を書き続けよう。