バンタヤン島に着いたのは午後5時過ぎ。港にはホテルのスタッフが待っていて、サンタフェにあるホテルコーラルブルーまで連れて行ってくれた。ホテルで少し休憩をした後、ギルバートと一緒に夜の街に繰り出す。サンタフェは決して大きな街ではないが、リゾート地らしくビーチ沿いにはホテルが立ち並び、その近くのメインストリートにはレストランやバーがいくつかある。
ホテルのスタッフによると、バンタヤン島で一番大きな街はセブ島からの船着き場があるサンタフェからバイクで30~40分ほど行ったところにあるバンタヤンタウンらしい。それを聞いたギルバートは、バンタヤンに行こうと言い出す。とりあえずバンタヤンに行ってディナーを食べることに決め、サンタフェの街を少し散策した後、バイクタクシーを見つけてバンタヤンまで連れて行ってもらう。タクシーの値段は往復で400ペソだった。
サンタフェからバンタヤンまでの道のりはとにかく暗い。また、舗装されていない道路も多く、結構揺れる。若干不安になりながらも40分ほどでバンタヤンに到着。
しかし、予想とは異なり何もない。港にマーケットがあるがお店はほとんど閉まっている。後は役所、教会、誰もいない広場、ローカル向けのレストランや飲み屋が少しあるだけだ。人もほとんど歩いていない。確かに街の規模はサンタフェに比べて大きいが、観光客が集まるサンタフェとは異なり、地元の人たちばかりなのだろう。こぢんまりとした港町といった感じだ。
昼間であればマーケットのお店も開いているだろうし、買い物や観光をするのには良いかもしれない。しかし、余程の目的がなければ夜に行くのはやめた方が良い。人通りの少ない暗い街を途方に暮れながらギルバートと歩いていたが夜の繁華街らしきものは見当たらず、小さなレストランで食事をしていた地元の人たちに「バーやレストランが一杯あるところはどこですか?」と聞いてみたところ、「サンタフェ」という言葉が返ってきたのでバンタヤンに着いて早々サンタフェに戻ることにした。
夜も遅くなりかなりお腹が空いていたので、サンタフェに戻ってとりあえず人の多いレストランに入ってみた。サンタフェ大通りの中心部にあるレストラン、「Blue Ice Bar & Restaurant」だ。ここではシーフードメニューが豊富で、フィリピン料理だけでなく様々な国の料理が楽しめる。丁度この日は土曜日の夜で、ライブ演奏もやっていたので人が多かった。ライブバンドは日によって違うお店で演奏しているようだ。
小さな島らしく料理の量も多い。男2人でも3品ほど頼むと食べきれないほどだ。お腹が一杯になったところで、他のバーを覗いてみる。メインストリートには数軒のバーがあるが、日が変わる前に閉まるお店も多い。Blue Ice Barの近くにあるバーで何杯か飲んだ後、店員が閉店後にライブ演奏をやっているBlue Ice Barに行くというので一緒に参加することにした。バンタヤンのような小さな島では店員はみんな知り合いなんだろう。
時間は12時くらいだっただろうか。再びBlue Ice Barに戻ると、お客さんも増えてライブ演奏で大盛り上がりだった。サンタフェ中の人たちがここに集まっているかのようだ。音楽に合わせて多くの人たちが踊っている。僕とギルバートも店員に誘われてステージ上(というかバンド前の狭いスペース)に連れ出される。これは踊るしかない。
ライブ演奏が終わるころには、サンタフェのお店もほとんど閉まっていた。ライブ演奏が終わった後、再度バーの店員に誘われて道を挟んだ向かい側にあるカラオケバーにやってきた。ここはサンタフェで一番遅くまでやっているお店らしい。
ここでしばらく過ごした後、ホテルに戻ったのは2時くらいだっただろうか。どうも旅行中は飲み過ぎてしまう。暗闇の中を歩いてホテルに戻り、泥のように眠る。