はじめに
台湾の離島である小琉球(シャオリュウチュウ)に滞在中、徒歩で島を一周してきた。
小琉球は一周約12kmの小さな島だ。
日常的に10kmのランニングをしている僕にとっては大したことがない距離だと考えていたのだが、少々考えが甘かったようだ。
と言うのも、小琉球は台湾でも南の方にあるので気温が高く、街中を除いてはあまり日陰がないので日中に歩き回るのはかなりきつい。
また、一周約12kmとは言っても道中観光スポットに立ち寄っていると結局20km程度は歩く羽目になると思う。
島の人たちはもちろん観光客のほとんどは原付で島を回っているので、港周辺でレンタルバイクやレンタサイクル(電動自転車など)を借りて島に点在する観光スポットを見て回るのがベストだろう。
今回は酷暑の中、小琉球の島を徒歩で巡り、島の風景をカメラに収めてきたので以下にご紹介したい。
島の南側を巡る
昼前に滞在ホテルを出発し、街中で腹ごしらえをしてからまずは島の南側を歩くことにした。
島の東側に位置する白沙漁港を通り過ぎてしばらく歩くとビーチがある。
ビーチから別の漁港を通り過ぎて少し南に歩くと龍蝦洞がある。
小琉球はウミガメが産卵にやってくることでも有名らしく、龍蝦洞の崖の上からはたくさんのウミガメを見ることができた。
龍蝦洞を後にし、島の南側の道路を西に向かって歩く。
小琉球は1年のうち300日は晴天らしく、この日も青空が広がっていた。
気温は30度くらいで湿度はそれほど高くないようだが、とにかく日差しが強くて熱い。5月初旬でこれなら夏はどれだけ暑くなるのだろう。
南側道路の丁度真ん中あたりに大福漁港がある。
小琉球には寺廟が点在しているが、大福漁港の近くにも福安宮という色鮮やかなお寺がある。
漁港周辺に小さな街があったので商店でペットボトルの水を買ってほとんど一気に飲み干し、さらに西に向かって歩を進める。
道路には日陰がないのでかなり体力を消耗する。
顔には日焼け止めを塗り、帽子をかぶってサングラスをしているが、腕は焼けてどんどん赤くなってくる。
島の一周まではまだ半分以上もあるのに、かなりの疲労感が襲ってきた。
とにかく暑くてたまらず日陰に入りたかったので、道端にあるパーラーに逃げ込みマンゴースムージーで身体を冷やす。
身体がクールダウンしたところで再度歩を進める。
ごつごつした岩場が広がる厚石群礁を過ぎてしばらく歩くと、ようやく島の西端に到着した。
島の西端にある落日亭には海沿いにベンチが並べてある。遮るものは何もなく、その名の通りここからは海に沈む夕日が綺麗に見えることだろう。
島の北側を巡る
落日亭で一息ついた後、今度は島の北側の道路を歩く。小琉球一周までは残り約半分だ。
しばらく道なりに進むと烏鬼洞に到着した。
島の東側にある美人洞と同じような感じで、烏鬼洞には洞窟周辺に遊歩道が整備されている。
ちなみに烏鬼洞の名前の由来だが、鬼(幽霊)が呻いているような音が聞こえてくるかららしい(実際には洞窟を抜ける風の音のようだ)。
烏鬼洞を後にし、再度道路を東に向かって歩く。
道なりをしばらく歩き、脇道に入って海へと続く坂道を下っていくと、蛤板灣にたどり着いた。
蛤板灣はベニスビーチとも呼ばれ、小琉球で一番綺麗なビーチと言われているようだ。
それにしても小琉球は暑く、ビーチの強い日差しを浴びていると若干意識が朦朧としてきた。
体力の限界が近づいてきたのを感じたので、早々と蛤板灣を後にして、再度道路を東に向かって歩く。
蛤板灣の東にある山豬溝では観光客が森の中へと続く階段を登っているが、さすがに僕にはその気力が残っていなかったので写真だけ撮って通り過ぎることにした。
山豬溝から少し歩くと、杉福漁港の近くに上杉福安宮というお寺がある。
道路沿いにある巨大なシーサーらしき像が印象的だ。
上杉福安宮は島の北側道路の丁度中間あたりに位置する。
夕方が近づいてきているが一向に気温が下がる気配はなく、汗が引かずに足も痛むのでしばらく日陰で休憩することにした。
お寺の階段に座り込むと、もう立ち上がれそうもなかった。僕が動けなくなるのと同時に、首から掛けていたミラーレス一眼カメラのバッテリーも事切れた。
意識朦朧状態でしばらく座っていると、まるでお寺の神様がパワーをくれたかのように、身体から汗が引いてきて体力も少し回復してきた。
猛暑の中走ったマラソン大会を思い出し、「あともう少しだ、頑張ろう・・・」と自分に言い聞かせ、再度立ち上がって歩き始める。
上杉福安宮から少し歩くと小琉球杉福生態廊道(旧砲陣地)がある。
軍事施設跡らしき建物の地下を通り抜けると、見晴らしの良い場所に出る。
ここから出発地点の白沙漁港へ戻ることにした。
島一周の残りのルート(北東部分)に関しては、前日に見て回ったところなので以前の記事を参照して欲しい。
白沙漁港へ戻ってきたのは午後5時頃だった。
白沙漁港を出発したのは正午頃だったので、島一周には5時間ほど要した計算になる。道中寄り道や休憩をしたのでかなり時間がかかってしまった。
おわりに
1日歩いただけで腕がひどく焼けてしまい、皮がめくれてしまった。
猛暑の中、小琉球の島を徒歩で一周するのは思っていたよりもかなりの苦行だったので、観光スポットをゆっくりと快適に巡りたいのであれば徒歩よりもバイクをおすすめする。
小琉球は初めて訪れた台湾の離島だったが、日中はフェリーが発着する港周辺こそ騒々しかったものの、その名の通り、島の風景は随所に沖縄の離島に通じるものを感じさせてくれた。
海が綺麗な小琉球、沖縄の離島好きであれば気に入ることは間違いないだろう。