はじめに
小琉球(正式名称は琉球郷)は台湾の南に位置する1周約12kmの小さな離島だ。
小琉球の読み方は日本語で「しょうりゅうきゅう」、中国語で「シャオリュウチュウ」となる。
なんだか沖縄を連想させる名前だが、その昔、沖縄は大琉球、台湾は小琉球と中国から呼ばれていたことの名残らしい。
サイズは沖縄より台湾の方が遙かに大きいのだが、沖縄が大琉球と呼ばれていたのは中国との近い関係によるもののようだ。
小琉球に到着した初日、島の東に位置する白沙漁港から見どころが多い島の北東部を徒歩で巡ってきたので以下にご紹介したい。
なお、高雄から小琉球の行き方に関しては以前の記事を参照して欲しい。
小琉球の白沙漁港から島の北東部を巡る
観光客が多くリゾート地化が進んでいるのか、小さな島にもかかわらず小琉球は結構栄えている印象だ。
白沙漁港沿いにはレンタルバイク(レンタサイクル)ショップ、ホテルやレストランが立ち並び、免税店まである。
白沙漁港から、まずは少し北に歩いたところにある花瓶石へと向かう。
花瓶石は高さ約9メートルの奇岩で、その名の通り花瓶に挿した花のような形をしている。
このあたりはウミガメが産卵にやってくることでも有名らしく、近くのビーチではシュノーケリングやダイビングをしている人たちを見かけた。
小琉球には寺廟も多く、花瓶石のすぐそばには霊山寺がある。
建物の色彩は色鮮やかで、入り口にはシーサーみたいな像もあるしどことなく沖縄っぽい。
花瓶石を訪れた後、西へと歩いて同じく小琉球で有名な観光スポットの美人洞へ向かうことにした。
美人洞の名前の由来だが、蘇州の女性が昔は無人島だった小琉球に流れ着き、洞窟内で一生を終えたという伝説から来ているらしい。
他にも、ここで漁に出た男たちを待っていた島の女性は海から見るとみんな美人に見えたためという説もあるようだ。実際には美人じゃなかったってことだろうか。
それにしても小琉球は暑く、5月の初旬にもかかわらず歩いていると汗が噴き出してくる。
1年のうち300日は晴天らしい小琉球はこの日も天気が良く、さすがに珊瑚でできた島だけあって海の透明度は高かった。
宮古島(沖縄)の海とどっちが綺麗かと言われると、小琉球の海はそれほどエメラルドグリーン色をしていないので宮古島の海の方が綺麗だと思うが、透明度に関しては宮古島に勝るとも劣らない。
美人洞を通り抜け、海沿いに伸びる道路を再び西に向かって歩く。
途中で海へと向かう道路を進んで行くと、海が干潟になっていて、岩場から降りて歩いて行くことができた。
干潟を越えてたどり着いた砂浜でしばらく夕日を眺めた後、暗くなる前に港へ戻ることにした。
観光客で賑わう昼間とは異なり、小琉球の夜はとても静かだ。
港近くのレストランで夕食を取り、街を散策した後ホテルに戻って寝ることにした。
こうして、小琉球滞在初日の夜は更けていった。