夕方になり、空もだんだんと曇ってきた。カベール岬から一本道を戻って、久高島の真ん中から西側(北側)にある道へ進む。ため池の横の道を抜けると、ロマンスロードという舗装された道に出る。
久高島の東側(南側)のビーチからカベール岬までの道のりは前回の記事を参照
ロマンスロードからの景色はなかなか綺麗で、遠くには沖縄本島を望むことが出来る。道の脇にはアダンの実がなっている。
ロマンスロードを進むと、道の脇に小さな岩場へと繋がる梯子の階段がある。降りた先にはウディ浜と呼ばれるビーチがあって泳げるようだが、満潮のせいか砂浜を見ることは出来なかった。
ロマンスロードを通り過ぎてしばらく進むと、久高島の中心近くにフボー御嶽(クボー御嶽)がある。フボー御嶽は琉球開闢(かいびゃく)神話にも登場する七御嶽の一つで、男子禁制の沖縄でも最高の霊地だ。
奥にはイザイホーやフバワクなどの行事の祭祀所となっている円形広場があるようだが、現在は男女問わず立ち入り禁止になっていて、久高島のノロと呼ばれる神女さん以外入ることは出来ないらしい。
フボー御嶽を後にし、集落へと続いている道を進む。久高島の西側(北側)には、「ガー(カー)」と呼ばれる井戸へと続く階段がいくつかある。崩落の危険があり、立ち入り禁止になっているガーもある。階段を見るとつい降りたくなってしまうが、突き当たりに井戸があるだけで特に景色が良いというわけでもない。
しばらく道なりを進むと、集落近くの久高漁港へと出る。港には地元民らしき人たちが何人かおり、防波堤に座ってのんびりと夕日を眺めている人たちもいた。夕方からかなり曇ってきたので夕日を綺麗に見ることは出来なかったが、丁度夕暮れ時に集落に帰ってくることが出来た。
午後3時頃に集落を出発して戻ってきたのが午後6時頃だったので、久高島一周(集落以南を除く)にかかった所要時間は約3時間となる。久高島に1泊してのんびりと過ごすに越したことはないが、時間が無ければ日帰りでも十分に見て回る事が出来るだろう。
神の島と呼ばれる久高島。小さな離島の素朴な風景を楽しむことは出来たが、久高島の歴史や文化についてそれほど詳しくないこともあってか、同じく神の島と呼ばれる宮古島の離島の大神島ほどの神秘的な雰囲気を感じることは出来なかった。久高島は都会である那覇から近く、それなりに発達しているということもあるのかもしれない。
この日は午前中斎場御嶽に行ったこともあり、合計で20kmは歩いたような気がする。かなりの疲労感を覚え、暗くなる前に滞在先の久高島宿泊交流館へ戻ることにした。