雨の屋久島で、樹齢7,000年の縄文杉に会いに行く

数千年の歴史を見てきた木の中に立つ

屋久島は、笑けるくらい雨が降っていた。

「1か月に35日雨が降る」とも言われている屋久島だが、その言葉通り、3泊4日の屋久島滞在中はほぼほぼ雨だった。

黒潮と急峻な山岳によるものらしいが、鹿児島市や種子島のすぐ近くにあるにもかかわらず、こんなにも天候に違いがあるのかと驚く。

しかし、さすがに南国だけあって9月の終わり頃になってもまだまだ暑く、シャツが身体にへばりついてくる。

屋久島の港。数少ない晴れ間

屋久島の港。数少ない晴れ間

屋久島に滞在中はずっとシャツが濡れているような気がするが、これは湿気の蒸し暑さによるものなのか、それとも雨で濡れているのかもはや判別がつかない。

屋久島を訪れたのは今回(2024年9月)が初めてだが、屋久島はほとんどが森林で覆われており、それ以外は海沿いの一周道路沿いに小さな集落がいくつか点在しているくらいだ。

同じく世界遺産である沖縄の西表島に雰囲気は似ているが、屋久島の人口は1万人以上と西表島よりずっと多く、縄文杉(屋久杉)目当ての観光客も多く訪れていて集落も発展しているように感じる(あくまで、西表島と比較しての話だが・・・)。

ハート型のウィルソン株

ハート型のウィルソン株

しかし、トレッキングに興味があるならともかく、地元の人はそんなに頻繁に山に入らないだろうし、室内は湿気ですぐにカビが生えてきそうで、お店はすぐに閉まるし生活するにはなかなか大変そうだ。

今回の旅行では、鹿児島市を訪れたついでにフェリーで種子島と屋久島を訪れようと思い立っただけなのだが、せっかくの屋久島なので、縄文杉トレッキングツアーに参加することにした。

神々しさを感じる縄文杉

神々しさを感じる縄文杉

島の中央に位置する有名な縄文杉まで、登山口から往復22kmくらいの終日ツアーで、朝4時頃に出発して暗くなる前に戻ってくる。

この1か月ほど前に台風が屋久島を直撃して、大きな縄文杉が倒れて登山道が通行止めになったなんてニュースでやっていた。

幸いなことに、島の中央にある樹齢7,000年とも言われる巨大縄文杉はびくともしなかったらしいが、台風による停電の影響で登山道にあるトイレは使えず、携帯トイレを持参することになった(余談であるが、今の携帯トイレは快適なことを知り、これ以降ギックリ腰で動けなくなった時用にいくつか購入して家に置いている)。

屋久島の登山ルート。石は濡れても滑らないので歩きやすい

屋久島の登山ルート。石は濡れても滑らないので歩きやすい

登山道の入口から目的地である縄文杉まで片道約11kmとはいっても、そのうち約8kmは、かつて伐採した木々を搬出するために使われていた平坦なトロッコ道を歩くだけなので楽ちんだ。

ところどころに大きな吊り橋があって高いところが苦手な人間には足がすくむが、ガイドによると、最近観光客が下山を終える直前で吊り橋から転落して亡くなったらしい。渡る前にそんな怖いこと言わないで欲しいなぁ。

トロッコ道から残りの約3kmも、急な山道というのはほとんどなく、普段からランニングをしている人間にとっては体力的には余裕の道のりである。

数千年の歴史を見てきた木の中に立つ

数千年の歴史を見てきた木の中に立つ

ただ、慣れないトレッキングシューズで靴擦れしたのと、雨が降り続いていたので歩きづらかったが、夏なので寒さは感じなかったし、雨に覆われている方が神秘的で屋久島らしい。

絵葉書のような1枚

絵葉書のような1枚

山中には巨大な縄文杉が至るところにあるが、やはり登山道の最終地点にある巨大な縄文杉は格別だ。

縄文杉を取り囲むように展望台が設けられており、これを目的に屋久島までやってきたであろう観光客が思い思いに縄文杉を眺めている。

樹齢2,000~7,200年の巨大縄文杉

樹齢2,000~7,200年の巨大縄文杉

帰りは下りが多いせいか行きよりも楽で、靴擦れを除いては足に痛みを感じることもなかったが、早朝から1日中雨の中を歩いたせいか、知らず知らずのうちに疲れていたらしい。

ホテルに戻っても雨が降り続いており、服もスマホもすべてビショビショで居酒屋に行く気にもならず、午後8時には閉店する港にあるスーパーでお弁当とビールを買って、夕食後は丸太のように眠った。

その翌日、海沿いの道路を走るバスに乗って島内の風景を眺めながら、ウミガメの産卵地として有名ないなか浜を訪れた。

雨のいなか浜

雨のいなか浜

この日も横殴りの雨が降り続いていていなか浜にはウミガメはもちろん人はおらず、休憩する場所もなかったので、砂浜に到着して早々に集落に戻ることにしたが、雨の中バスを待ってもなかなか来ない。沖縄の離島と同じく、バスの本数は1日に数えるほどしかないようだ。

集落に戻り、開いていた定食屋で名物のトビウオ(あご)定食をいただいた。さっぱりしたアジのような味わいで美味しい。

トビウオ定食

トビウオ定食

屋久島での3泊4日の滞在中、丸1日縄文杉トレッキングに参加した以外はぼんやりとしていただけだったが、一生に一度は見るべきとも言われる、巨大な縄文杉を見られただけで満足である。

またいつか訪れよう、と心に誓いながら、屋久島空港から伊丹空港へと向かう飛行機に乗り込んだ。

屋久島空港でいただいたトビウオ丼

屋久島空港でいただいたトビウオ丼