あの人は金木犀の香りがする季節が好きだと言っていた。夏の終わりに咲く花だ。
夏の終わりから初秋は過ごしやすくて好きな季節だが、秋が深まってくると情緒が不安定になっていけない。
若い頃は気温の低下に伴う情動的なものだと思っていたが、片頭痛・天気痛持ちの身からすると、単純に自律神経の乱れによる生理学的な反応なのかもしれない。
そう言えば、11月の中旬から宮古島に通い始めるようになったのも、心身共に不調な年に、寂しさや虚しさに耐えられなくなり夏の終わりを求めて宮古島に渡ったのがきっかけだった。
珊瑚のパワーのおかげなのか宮古島に行くとなぜか元気が出るので、それ以来は何を差し置いても訪れているわけだが、今年も11月の中旬から宮古島に滞在することが決まった。
9月7日の予備試験が終わってからは、夏休みを取っている。
世間では夏休みが終わる頃なので夏休みと呼ぶには遅いような気もするが、つい最近まで大阪では気温が30度を超えていたことを思うと、「A late summer vacation(夏の終わりの休み)」なんて言葉がしっくり来るように思う。
司法書士試験の受験生だった頃は、毎年7月が試験日なので、試験が終わった後はしばらく勉強を休み、8~9月くらいによく海外に行っていたものだ。
追い込み期間に必死に勉強をした後に、異国の地で海や自然、あるいは街並みや行き交う人々をぼーっと眺めながらビールを飲む瞬間がたまらなく好きだった。
この感動を再び味わうために予備試験の勉強を始めたのもあるのだが、予備試験の論文式試験が9月に実施されるようになったことに伴って、夏休みもかなり遅い時期になってしまった。
夏休みとは言っても、あくまでも予備試験の勉強を休んでいるだけで仕事を休んでいるわけではない。
自営業なので時間の融通は利くものの、仕事はそれなりに忙しいし、司法書士会で年上かつベテランばかりの研究会の中で座長を務めることになったので、それなりにプレッシャーもある。
夏休みらしいことと言えば、島根に旅行に行って(島根は食も自然も最高だった)、関西の美術館をいくつか巡り、後は家でお酒を飲みながら映画を観ていたことくらいだろうか。

小出楢重@大阪中之島美術館
予備試験と大阪の酷暑によるストレスもあってか、どうも8月頃から酒量が増えたような気がする。宮古島ではしょうがないとしても、来年の予備試験に向けてお酒を飲む機会は減らしていかないといけない。
それに、せっかくなので今しかできないことをしようと、英検1級やAIパスポート、ITパスポートの勉強をしていたら、あっという間に2ヶ月が過ぎてしまった。
慌ただしくてあまり休めていないような気もするのだが、来年9月の予備試験まで心身共に持つのだろうか。
宮古島でものんびりしたいところなのだが、仕事も持っていくし、そろそろ来年の試験に向けて勉強も再開しなければならない(論証集の暗記と論文を書き殴るのはシラフじゃなくてもできるかもしれないが)。
仕事も勉強も好きでやっていることだしそれなりに楽しくもあるのだが、一体いつまでこんな単調で時間に追われる生活が続くのか。
司法試験に受かって弁護士登録をしたところで、出費は増えるし今よりさらに忙しくなるのは目に見えているではないか(英語ができる弁護士は少ないし・・・)。なぜ現状で満足できないのだろうか。
それにここ最近、2夜連続でえりこさんが夢の中に出てきて、僕に冷酷な言葉を放って去っていった。2日間に渡る連続ドラマで構成される夢も珍しいが、何かあったのだろうか。
どうも他人とは思えないような人間から冷たくされるのは、自分で自分を罵っているように感じるのだと気付く。
求めても満たされない現状に対する心の不安を表しているのか、何らかの虫の知らせか、それともただ単に疲れているのだろうか。
はっ
ひょっとすると、縁結びで有名な出雲大社を参拝したご利益が、夢の中で罵られるという形で現れたのかもしれない。

出雲大社
そろそろ精神科医やユタに見てもらう必要がありそうだ。
ユタは必要としているときに巡り会えるとも聞く。現地の知り合いに聞いてもなかなかたどり着けないのだが、今回(11月中旬~12月中旬)の宮古島の滞在では、ユタに出会うことはできるのだろうか。



