11月から12月にかけての宮古島は雨が多い印象なのだが、今年は雨量が少ないようで、この日も快晴とは行かなかったものの曇りであった。
日中に部屋に籠もって仕事ばかりしているのも勿体ないので、外出してランチを取ってから近くのビーチを散歩することにした。
まずはランチを取ろうと、宮古島の市街地中心部から平良港沿いを北に歩き、やって来たのは荷川取(にかどり)漁港にある「みなと食堂」。
アーサそばが有名らしいこのお店はおすすめしている人が何人かいたのだが、徒歩では微妙に遠いので今まで訪れていなかったお店だ。
カウンターでアーサそばとアーサご飯を注文して席に座る。
アーサ(あおさ)を練り込んだ緑色の麺に、たっぷりのアーサが入っているアーサそばはさっぱりしていて美味しい。
所詮は海藻なので感動するほどの美味しさというわけではないのだが、宮古島らしく鰹だしが効いたスープは優しい味で胃にもたれることがなく、アクセントに紅しょうががよく合う。
アーサご飯もどこか懐かしいほっこりとする味わいだ。
ランチ後は、平良港沿いを南に歩いてパイナガマビーチとみやこサンセットビーチまで散歩することにした。
これらのビーチは、市街地中心部から徒歩で散策するのに適したビーチである。
パイナガマビーチは市民憩いのビーチであり、観光客の姿もよく目にする。
大阪の人にとっての淀川的な立ち位置かもしれないが、大阪や東京の人が初めて宮古島を訪れたときに、市街地にあるにもかかわらずその色合いと透明度の高さに驚かされるビーチである。
パイナガマビーチには石段があり道路を挟んだ向かいにはファミリーマートがあるので、ポークたまごおにぎりやさんぴん茶でも買ってピクニック気分で過ごすのもおすすめだ。
宮古島に滞在中は特に何をするというわけでもなく、日中に仕事をしているとき以外は海を眺めてぼんやりと過ごし、夜はグルメを楽しんでいる。
一応、宮古島にも勉強道具を持参しているわけであるが、日中に仕事に追われていると勉強まで手が回らず、ついつい後回しになってしまう。
大阪に帰ると、ビーチでのんびりと過ごす時間、居酒屋やバーでお酒を楽しむ時間がほぼほぼ全て勉強に置き換わるかと思うと、いくら勉強が好きな僕でも憂鬱である。
来年7月の司法試験予備試験に向けて再び断酒するために、宮古島で1年分飲んでやるぞチクショー。
飲食店の多い宮古島ではグルメ巡りも楽しみのひとつで、もはや顔見知りばかりとなってしまった店員との時折の会話を楽しみながら、地元の食や美味しいお酒に舌鼓を打つのは至高の時間である。
パイナガマビーチではボートのレースをやっていて少し騒がしかったので、早々に撤退して、次は伊良部大橋手前のトゥリバー地区にあるみやこサンセットビーチへ向かうことにした。
トゥリバー地区は埋め立て地区でビーチもそこまで綺麗とは言えないのだが、まだまだ開発されておらず人も少ないので、のんびりと散歩するには良い場所である。
みやこサンセットビーチの手前には、今年オープンしたヒルトンホテルが堂々と建っている。
考えてみると、トゥリバー地区も伊良部大橋もヒルトンホテルも昔の宮古島にはなかった人工物であり、宮古島の風景も年々変化しているのを感じる。
ヒルトンホテルは1泊数万円はするであろうが、豪華な部屋から望む宮古島と伊良部島の間のサンゴ礁の海、そしてそれにかかる伊良部大橋の景色はそれなりに壮大なものであろうから、いつか一度は宿泊してみたいものである。
ぼんやりと海を眺めながらデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の脳が働くのに任せていると、脳がひらめくと共に、雑念を取り払い人生において本当に必要なものが見えてくるような気がする。
都会の生活に疲れているのだろうか、やはり時折の休息は必須だと感じる。
もう20年も前に魅了された宮古島の海。身も心もすっかりリフレッシュしたところで、ホテルに戻ることにした。