大阪中之島美術館において2023年10月26日(木)~2024年1月14日(日)の期間で開催中の「テート美術館展」を訪れた。
テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ【公式サイト】
感想としては、2023年に開催された展示会(2023年はあまり良い展示会がなかったが・・・)の中でもとりわけ印象に残っており、西洋絵画(油絵)好きとしては十分に楽しめるものだった。
本展示会では一部を除いて写真撮影も可能だったので、以下に写真と共にご紹介したい。
JR京都線で大阪駅から環状線に乗り換えて、JR福島駅から真っ直ぐ南へと歩いて中之島美術館に到着。
福島駅からも10分くらい歩くし、大阪駅での乗り換えと環状線があまり好きではない(歩きスマホと変な髪の色の若者が多い印象)身としては、今後は大阪駅から歩くのも良いかもしれない。
本展示会は、イギリスにあるテート美術館のコレクションより「光」をテーマに作品を厳選したものだ。
券売機で2,100円(一般)のチケットを購入し、ロッカーでカバンを預けて展示会に入場。
大阪中之島美術館は2022年にできた新しい美術館だが、西洋絵画展が開催される度、もう既に5回訪れているお気に入りの美術館である。
「テート美術館展」は2023年における注目の展示会ということもあってか、平日10時の開場とほぼ同時に訪れたにもかかわらず、中高年層を中心にそれなりに賑わっていたようである。
本展示会で気に入った作品のアーティストは、ジョン・コンスタブル、ジョン・ブレット、クロード・モネ、ヴィルヘルム・ハマスホイ、ウィリアム・ローゼンスタインなど。
中でも一番目を奪われた作品は、本展示会の看板作品でもあるジョン・ブレットの『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』だ。
生で見ると光と色の使い方が素晴らしく、かつてヨーロッパ大陸とアフリカ大陸を隔てるジブラルタル海峡を望んだときのように、イギリス海峡の絵は何とも言えぬ哀愁と旅情を感じさせるものになっている。
他には巨匠、クロード・モネの『ポール=ヴィレのセーヌ川』にも惹かれるものがあった。
クロード・モネの作品はいつ見ても癒されるが、大阪中之島美術館では2024年2月からモネ展が開催されるので、こちらも必見だ。
本展示会のテーマである「光」と言えば光の画家と呼ばれるフェルメールを思い出すが、ヴィルヘルム・ハマスホイの『室内』はどこかフェルメールを感じさせる作品である。
そして、上記の『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』と合わせて本展示会でとりわけ目を奪われたのがウィリアム・ローゼンスタインの『母と子』。
素晴らしい絵画というのは、(年を重ねてくると異性相手にはほぼほぼ機能しなくなった一目惚れのように)目にした瞬間に心を奪われ、理屈は抜きにしていつまでも眺めていられるものだ。
本展示会では、絵画以外にも光を使った数多くの作品が展示されている。
蛍光灯を何本か連結した眩しすぎる作品などもあったが、いかにも電気代がかかりそうで故・坂本龍一が見たら怒りそうである(ちなみに、坂本龍一のピアノコンサートに行けなかったのが人生最大の後悔の1つとなっている)。
街中のイルミネーションは嫌いではないけれど、このような光を用いた作品は単体で見てもあまりよく分からんなぁ。
他にも、小部屋の中で壁が四角く青く光っているのはどこかで見たなぁ、と思ったら、香川県の直島にある地中美術館でも目にしたジェームズ・タレルの作品であった。
やはり絵画以外にはそれほど興味が持てず、サクサクと見て回っていると、1時間ちょいくらいで出口に到達した。
出口に設けられているギフトショップでは、定番の図録(カタログ)、ブックマークとクリアファイルを数点購入。
クリアファイルは1点550円と安くはないのだが、最近は仕事で書類を送付する機会が多くて、顧客サービスの一環としてアートファイルで評判を上げようという姑息な営業戦略である(ただ、実際に使用する際には勿体なくて躊躇してしまうのだが)。
帰る前に美術館内にあるレストランでランチを取ろうと思ったのだが、既に何度か訪れているし、お客さんから仕事のお礼にいただいたデパートの商品券が余っていたので、地元のデパートでちょっと洒落たランチをいただくことにした。
大きな仕事を片付け、平日に美術館を訪れた後に昼間からパスタをほおばりながら飲む白ワインは至高である。
ほら、目を閉じると、かつて訪れたヨーロッパの街並みの情景が浮かんでくるではないか。
大阪中之島美術館で開催中の「テート美術館展」、2023年に訪れた展示会の中では一番だったので、西洋絵画やアート好きの人は是非訪れてほしい。