アフターコロナで読んだ本まとめ㉒

蓮の花

はじめに

司法書士も2年目。

名誉欲に支配されたろくでもない人間に限って議員や役員になろうとすると先日書いたばかりのような気もするが、おっさん、支部の理事(役員)に選任される。

まぁ、支部の役員なんて町内会の役員レベルで大したことはないと思うのだが、つい最近まで新人だったことを思えばスピード出世のような気もする。

さて、このまま出世の階段を駆け上ってやがては本会の役員や会長まで・・・と言いたいところではあるが、残念ながら司法書士会内の地位にも政治にもそれほど興味がない。

それはさておき、久しぶりに懇親会に参加したところどうやらコロナに感染したようである。

ここ数日自宅で療養しながらもなんとか仕事をこなしていたのだが、眼には刺すような痛みが走り、喉は焼けるように熱い。

寝るときに布団をかぶっていると、何故か暑いにもかかわらず身体は底冷えしてブルブルと震えている。

さすがにかの国が作った殺戮兵器と噂されるだけあって、どうも風邪ではなく化学物質に触れたときのような人工的な香りがするんだよなぁ。

しかし、コロナ禍3年目にして初めてマスクを外して参加した懇親会でいきなりコロナをもらうとは思わなかったわ(まぁ、検査していないしコロナと断定できるわけではないのだが)。

今週はたまたま人と会う約束がなかったから良いものの、息も絶え絶えで買い物に行く気もしないし(そもそも買い物に行って良いのか?)、食べるものも無くなってきたな・・・

予備試験の勉強が進まなくて焦るけど、あと2・3日横になるとするか。

_(┐「﹃゚。)_ エリコセンセー! シヌー

『発達障害の人が見ている世界』岩瀬利郎


出典:amazon.co.jp

発達障害の患者と向き合ってきた精神科医によるADHD(注意欠如・多動症)・ASD(自閉スペクトラム症)の解説本。

最近では発達障害に関する本も数多く出版されているが、類似本と比較した本書の特徴は、知能指数への言及はなく、専門用語も少なくて絵を交えてADHDおよびASDに特化して分かりやすく解説されているところだろうか。

僕は知能がそれなりに高いもののASD傾向がある(ADHDもちょっと入っている)ことを自認しているのだが、本書に挙げられているASDの特性として、視覚優位で記憶力が良い(カメラアイ)、感覚過敏などはまさに自分に当てはまるものだった。

まぁ、ASD傾向を持つ高知能アスペルガーなんて成功者にもたくさんいるし、発達障害には該当せずとも生きづらいことは確かなんだよなぁ。

非常に読みやすい本なので、発達障害の初心者や子どもが何らかの障害ではないかと疑っている親の方には是非。

『Ikigai: The Japanese Secret to a Long and Happy Life』Héctor García、Francesc Miralles


出典:amazon.co.jp

スペイン人作家による、沖縄本島北部に位置する「長寿の里」として知られる大宜味村への取材を通じた、日本人の長寿の秘訣と生きがいについて書かれた本。

長寿県沖縄の中でも大宜味村はとりわけ健康なお年寄りが多く、その秘訣はシークヮーサーなどの果物や野菜など豊富な品目を含む腹八分目の食事、早寝早起きの規則正しい生活、屋外での定期的な運動(運動と言うよりも日常的な行動)、そしてコミュニティにおける人との密な繋がりなどが挙げられる。

また、「生きがい」の重要性も説いており、大宜味村の人たちも後期高齢者になってからも野菜を育てたりと積極的に身体を動かし続けている。

手塚治虫が死の間際までマンガを描き続けたように、「生きがい」とは「フロー状態」に入ることだと指摘されているが、時間を忘れるほどのめり込めることを見つけるのが幸せな生活を送るのには重要なのだろう。

僕も勉強やランニングの際に集中しているとフロー状態に入ることがありその瞬間が最も幸せを感じるのだが、残念ながら仕事においてはフロー状態に入ることは少なくストレス状態の方が多いのが悩みでもある。

本書の英語は簡単で読みやすく、かつKindle版では辞書も参照できるのでおすすめだ(リンクはKindle版)。

『スマホ失明』川本晃司


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近年では長時間に及ぶスマホ使用の影響で子どもの間でも近視患者が急増しており、重度の近視になれば将来失明するリスクも高いというのだ。

スマホは画面が小さく、パソコン画面やテレビ、読書に比べても30cm以内で見続けることにより寄り目となり、急性内斜視になりやすい。

本書に登場するある高校生は、スマホの使いすぎにより若くして重度の近視となり、手術を受けるものの完全には回復せず将来の生活に多大な影響と不安を残すことになった。

最近ではSNSやゲームの発達もあり、コロナ禍も影響してかスマホ依存の人たちも増えている印象で、さながらゾンビ化している人たちも時折見かける。

このゾンビ化している人たちがスマホ長時間使用の影響で失明して、今度は高齢者になってから長寿化により数十年間失明した状態で街をさまようようになるのかと思うとおかしくなると同時に悲しくなってくる。

僕は仕事でパソコンを長時間使用しているし、スマホもSNSの類いも嫌いなので仕事以外ではなるべくインターネットに関わりたくないと思っているのだが、それでも暇があればついスマホに触ってしまうなどその中毒性を強く感じる。

しかし、スマホよりマシとは言え生活に不可欠なパソコン、勉強や読書でも近視が進行してしまうのは辛いなぁ。

ちなみに本書の著者は眼科医だが、高校卒業後は産業廃棄物処理の日雇い労働をしていたものの、一念発起して28歳のときに山口大学医学部に入学したという変わった経歴の持ち主なのにも惹かれた(その後MBAも取得しており、行動経済学の知見から近視対策についても本書で書かれている)。

スマホに潜む失明リスクを知って恐怖に怯えたい方は是非。

『基本刑事訴訟法I 手続理解編』吉開多一 、緑大輔、設楽あづさ、國井恒志


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実際の法廷における裁判官、検察官、弁護士などのやり取りの事例や各種書類の記載例などを豊富に用い、刑事訴訟法について分かりやすく解説された基本書。

以前は司法試験の勉強に用いる刑事訴訟法の基本参考書としては『リーガルクエスト』などが人気だったようだが、今後は本書が定番参考書として使用されるようになるかもしれない。

『基本刑事訴訟法II 論点理解編』と合わせて、刑事訴訟法に携わる方には是非読んで欲しい本。


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