宮古島に滞在して1週間が過ぎた頃。
その日はとても天気が良く真夏の陽気で、日中はパイナガマビーチまで散歩をしたり、夕暮れ時には砂山ビーチまでランニングをしたりと精力的に過ごしていた。
その後、居酒屋で晩ご飯を食べてホテルに戻ってもまだまだ気温が高く暑かったので、冷房をガンガンに効かせたまま寝ることにした。
しかしその日の夜から天気は急変し、台風に近いレベルの嵐が接近しているようで、気圧の変化のせいかなかなか寝付けなかった。
次の朝に目が覚めると、どうも頭が重くて喉もイガイガする。
どうせいつもの低気圧による偏頭痛で、天気が回復すればすぐに治ると思っていた。
喉は痒くて咳が出ていたのだが、潮風にやられたのだと思い咳止めを薬局で購入して飲んでいた。
しかし症状はなかなか改善せず、風邪か初めてのコロナを疑い始めたのだが、熱を測ってみても体温は正常だった。
2~3日たってようやく頭痛と咳は治まったものの、鼻の奥がやたらと痛いことに気付く。
ここで4年前、八重山諸島と宮古島を約1ヶ月半かけて旅行した際に副鼻腔炎を患ったことを思い出した。
副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは、風邪や菌などが原因で鼻の奥の副鼻腔に炎症が起こる症状を言い、炎症が長引いて膿が発生すると蓄膿症(ちくのうしょう)と呼ばれる。
4年前、竹富島の少し冷える夜に屋外のバーで満点の星を眺めながらカクテルを飲み、民宿に戻ってからクーラーをガンガンに効かせたまま寝た後、どうやら鼻風邪になったようで咳が止まらなくなってしまった。
それから波照間島に渡り約1週間滞在したのだが、売店にある龍角散のど飴を買い占めて1日2~3本のペースで消費していたにもかかわらず、一時的に症状は改善されても咳は全く止まらないままだった。
それから石垣島を経由して宮古島へと渡り、宮古島滞在中に病院に行って副鼻腔炎と診断され、鼻に無慈悲にも突っ込まれたチューブによって膿は吸い出され抗生物質を処方されてことなきを得た。
そんな経緯もあって副鼻腔炎と分かったわけだが、今回は咳はそれほど出ず鼻の奥が痛いだけなので、とりあえず薬局に副鼻腔炎の薬を買いに行くことにした。
12月にもかかわらず最高気温が28度の青空の下、薬局を探して宮古島の街を彷徨う。
しかし、この日は日曜日ということもあってか、小さな薬局はことごとく閉まっていた。
結局、県道243号線沿いにある大きな「ドラッグストアモリ」まで歩いて、ようやく「チクナイン」を入手。
若い頃に気胸になって手術したのを除いて、大阪では薬にも病院にもお世話になることは滅多にない僕だが、旅行中は疲れや環境の変化から免疫力が低下するのか、宮古島では1年のうち1ヶ月も滞在しないにもかかわらず意外と薬や病院のお世話になっているのだから不思議なものである。
どうも、宮古島では1年の終わりに全ての膿を出し切りなさいと言われているような気がしてならない。蓄膿症だけに。
それはともかく、ようやくチクナインを入手したので、帰りはパイナガマビーチに立ち寄ってコーヒーを飲んで帰ってきた。
ホテルに戻って早速チクナインを服用してみると、鼻通りも良くなり鼻の奥の痛みも軽減されて随分と楽になったように思う。
たとえ一時的にせよ病気の苦しみから解放されるのは嬉しいもので、老人が薬漬けになるのも分かる気がするわ。
後2~3日チクナインで様子を見て、改善されなかったらまた宮古島の医者に診てもらおうかな。
病院嫌いなんだよなぁ。