宮古島の日曜日。
晩ご飯を食べようと滞在しているホテルを18時頃に出たのだが、どうも閉まっている居酒屋が多い。
1人でも入りやすい居酒屋を新しく探すのも面倒くさく、僕が1人で宮古島を訪れた際に食事をする居酒屋と言えば「南楽」と「島おでんたから」くらいだしそれで十分なのだが、どちらのお店も閉まっていたので途方に暮れて街を彷徨う。
繁華街を歩いていると道路沿いにまだ誰も座っていないカウンター席がある居酒屋を見つけて思い切って入ってみたが、予約で埋まっているようで入れなかった。
今から8年ほど前、初めて1人で宮古島を訪れて居酒屋に入ろうとしたところ、散々断られた苦い過去を思い出した。
元々日曜日は定休日のお店も多いし、所用や気まぐれで臨時休業しているお店も多い。
さらに、予約がないと断られるケースも多いので、相変わらず観光客には優しくない島だと感じる。
これが東南アジアの島なんかだと、メインストリートを1人で歩いていたら次々に客引きに会いそうなものだけど。
そんなわけで居酒屋には入りづらいので、必然的に料理も提供しているバー(早めの時間は空いている)で食事をする機会も増える。
しかし、バーでの食事にも飽きてきたので、何を食べようかと夜の街を当て所なく歩いていたところ、公設市場の交差点近くにあるメキシコ料理の屋台にたどり着いた。

メキシコ料理の屋台。「El Comal」というらしい
ここは数年前に新しくできたお店で、以前にも飲んだ後にタコスを買ってホテルに帰ったりしていた。
屋台の前に設けられたテラス席に腰掛け、タコスにワカモレ、そしてコロナビールをいただく。

メキシコ料理のディナー@宮古島
宮古島にもかかわらず、気分は完全にメキシコ人である。
普段メキシコ料理を食べる機会こそ多くないものの、ここの料理の味は抜群で、本場のメキシコ料理と比べても遜色ないレベルだと思われる。
11月末にもかかわらず宮古島は暖かく、まだまだ短パンにサンダルで十分に過ごせる。
宮古島に到着してから2~3日間は雨が続いていたが、この日は晴れていて夜空には綺麗な半月が浮かんでいた。
「月が綺麗ですね」
短パンとサンダルから露出した皮膚を蚊に何度も刺されながら、コロナを飲んで半月を眺めボーッとしていると、夏目漱石が「I love you」を訳したと言われる言葉が頭に浮かんできた。
どうやら、ここ最近の僕の脳みそはデフォルト・モード・ネットワークの状態が続いているらしい。
宮古島滞在中に予備試験の勉強をしようと重い参考書と六法を持ってきたものの、旅行前まで仕事と勉強に追われていたせいもあってか、それとも毎日酒を飲んでいて脳が働かないせいなのか、全くやる気が出ない。
コロナ禍で久しぶりの宮古島なのでお酒を飲んでダラダラ過ごしたいという思いがありながら、お酒を飲んでいると勉強ができなくなるというジレンマ。
屋台でメキシコ料理を堪能した後は、バーでビール片手にワールドカップの日本対コスタリカ戦を観戦し、結局日が変わるまでお酒を飲んでしまった。
うーん、予備試験、どうしよう。
大阪に帰ったらしばらくお酒やめようかしら。