大阪中之島美術館で2022年10月15日(土)から2023年1月9日(月・祝)まで開催中の「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」を訪れた。
ロートレックもミュシャもパリで活動したポスターアーティストだが、本展示会では1891年から1900年までの10年間に焦点を当てて、石版画ポスターを中心に展示している。
油絵好きの僕はポスターにはあまり興味がなかったものの、とりわけミュシャの作品は思ったよりも良かったので、以下に展示作品の写真と共にご紹介したい。
2022年にできたばかりの大阪中之島美術館だが、モディリアーニ展と岡本太郎展に続いて早くも3度目の訪問となる。
他の美術館よりも比較的近いし雰囲気も好きなのだが、JR京都線を利用する身としては、大阪環状線が嫌いなのとJR福島駅からでも10分程度と少し歩かなければならないのがネックだろうか。次はJR大阪駅から歩いてみるか。
1,600円の当日券を購入して入館。
金曜日のお昼時に訪れたのだが、平日なのでそれなりに空いていて、20代くらいの学生らしき人も多かったように思う。
油絵の展示会だと年齢層は高い傾向にあるのだが、ポスターの展示会は現役のイラストレーターやデザインの勉強をしている学生なんかには魅力的なのだろうか。
ロートレックの作品もミュシャの作品も商業ポスターがアートに昇華したものなので、ムーラン・ルージュ(パリ市内にあるキャバレー)のポスターに代表されるように、ポスターの絵や文言を通じて当時の社会情勢を知ることができる。
ただ、元々ポスターに興味がなかったことも手伝ってか、ロートレックの作品にはあまり惹かれなかったなぁ。
しかし、ミュシャの作品には良い意味で期待を裏切られた。
ミュシャは1860年生まれのチェコ出身のアーティストで、今で言えばカリスマデザイナーやイラストレーターといった感じだろうか。
ミュシャが描く女性はとにかく美しくて魅力的で、ミュシャの絵を見ているとなぜかファイナルファンタジーや北条司(キャッツアイとかシティハンターの作者ね)が描く女性を思い出した。
ってか、このおっさん絶対女好きだろ。
それも、現実の女性が好きというよりは脳内に描いた理想の女性像を追い求めているというか。
ミュシャ作品の中でも連作の『四季』は素晴らしく、とりわけ『夏』は本展示会の中でも一番目を奪われた。
いや、でも今から見返してみると『秋』も良いなぁ。
これだけ美しく女性を描かれると、男としてはやっぱり見入ってしまうわ。
ちなみに、既にお分かりだと思うが本展示会では写真撮影が可能である(一部禁止されている作品を除く)。
ブログやSNSにアップするのには良いと思うのだが、見返す目的であれば図録を買えば良いし、写真撮影が可能な展示会は俗っぽくなる傾向があるので個人的にはあまり好きではない。
作品の正面に立って見とれていたところ、スマホ掲げたオバタリアンが横から突っ込んできた。
展示されている作品数は思ったよりも多くて、1時間以上かけてゆっくりと見て回った。
本展示会ではグッズも数多く販売されている。
さすがにポスターアーティストだけあって、カレンダーなどを始めとして、ロートレックやミュシャの絵が印刷されたグッズはやたらと映えるものが多い。
結局、お決まりの図録とミュシャの絵が描かれた白雲石コースターをお土産に購入した。
白雲石は炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを主成分としており、表面には多孔質という小さな穴があいているため吸水性に優れているらしい。
ミュシャの絵が描かれた白雲石コースターは高級感たっぷりで、事務所に置くにはピッタリである。
大阪中之島美術館の1階に「ミュゼカラト」というお洒落な雰囲気のカフェレストランがオープンしていたので、遅めのランチを取ってから帰ることにした。
「完熟トマトとモッツァレラのパスタ」(1,100円)とドリンクセットのカプチーノ(550円)をいただく。
ウェブサイトからして高級そうな雰囲気だったのだが、思ったよりも普通のお値段である。
「完熟トマトとモッツァレラのパスタ」は量こそ控えめなものの、濃厚な味わいが素晴らしく、かつてマルタ島で食べたパスタを思い出した。カプチーノは極めて普通だ。
美術館で美しい作品を見た後におしゃれなレストランでランチを取るのは一種の幸福である。
なんかこう、ドーパミンとセロトニンがドバドバと分泌されているのを感じる。
それはさておき、「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」、ポスターに興味がなかった僕でも十分に楽しむことができた。
特にミュシャの作品は素晴らしく、現代のデザインに携わる人はもちろん、絵画好きや単純に美人好きな人にもおすすめだ。
「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」【大阪中之島美術館】