アフターコロナで読んだ本まとめ⑫

ビーチ

はじめに

最近はやたら人と話す機会が多い。

そのほとんどは司法書士関係なのだが、話す相手はお客さんだったり、役所の人だったり、あるいは司法書士会の集まりにおける同業者だったり。

元々あまり人付き合いが得意な方ではないのだが、これまでは集団に入ってもそんな自分をごまかしながらもなんとかやってきた。

心証的には、太宰治が書いていた「道化を演じる」という言葉がシックリくる。

若い頃は飲食店でアルバイトをしたり、塾講師や営業をやっていたりしたこともあって、それなりに外交的な自分を上手く演じていたように思う(一番人気の社員に選ばれたこともあるほどである)。

ところが年を取るにつれて本来のASDあるいはHSP傾向を持つ自我が顔をだしてきたのか、オンラインで翻訳の仕事なんかをしていると人と会わないことも手伝って、次第に人と会うのが億劫になってきたようだ。

しかも、過去2年はコロナで引きこもっていたからなおさらである。

人(特に初対面の人)と会った後はどっと疲れを感じるので、コンビニに立ち寄って甘い物を買わずにはいられない。

ななパフェ(りんごキャラメル)と我らがななみん(桜庭ななみ)

ななパフェ(りんごキャラメル)と我らがななみん(桜庭ななみ)

将来的には自然の中で少数の気の合う人と犬や猫に囲まれて暮らせればそれで十分なのだが、都会で法律家の仕事なんてやっているとなかなか難しそうである。

まぁ、日本の田舎における村社会で司法書士なんてやっていたらそれはそれで人間関係が煩わしそうだけど。

それはさておき、初めて受任した会社設立の案件も無事に終わりそうだし、今月下旬から宮古島でのんびり過ごすとするか。

しかし、ななパフェはクリームチーズが一番美味しかったな。

『ハーバード式不動産投資術 資産26倍を可能にする世界最高峰のノウハウ』上田真路


出典:amazon.co.jp

ゼネコンで設計に携わる傍ら、1棟ビルの不動産投資開発を始め700万円の資産を26倍にして、不動産投資で得た利益を元にハーバード大学で不動産投資デザインを学んだ著者による不動産投資のノウハウ本。

不動産投資の魅力と言えば、数百万円の元手しかなくても1億円以上の融資を受けてレバレッジを効かせ、運用益で年間数百万円、売却益で数千万円を稼げる可能性があることだろうか(上手くいった場合)。

著者は不動産投資だけではなく建築の知識があるので、その投資法は主に土地を購入してその上にビルを設計して建てるというものだ。

とにかくバイタリティ溢れる著者で、ハーバード大学で学んだ不動産投資の知識や自らの経験が惜しみなく書かれている本書は、不動産投資に対するモチベーションを上げてくれる。

僕も数百万円程度の古い一戸建てから不動産投資を始めてみようかと思っていたけれど、本書を読んでいると、1億円規模の融資を受けてRC造りの中古ビルを購入するか新築して、一角を事務所にして残りを賃貸に出してかつ利益を出したいという欲望がフツフツと湧いてきたよ。

まぁ、リスクの高い投資は嫌いだし1億円の融資を受けるためには信用が必要だから、しばらくは不動産投資の勉強をしながら司法書士として売り上げを上げるか金融資産を増やす必要がありそうなんだけど。

自社ビル欲しいなぁ。

『【新訳】信念の魔術―――人生を思いどおりに生きる思考の原則』C・M・ブリストル


出典:amazon.co.jp

1891年生まれのアメリカの実業家による著書で、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』などと同じく自己啓発本の元祖と言えるものかもしれない(もっとも、古代の哲学書や聖書、ブッダの言葉などが真の元祖と言えるかもしれないが)。

100年ほど前の時代に既に「潜在意識」や「宇宙」といった考えが出てくるのは驚きだが、科学的には説明できなくとも、人類は古代からこのような不思議な力を感じ取っていたのだろう。

若い頃は半信半疑だったのだが、年を取って経験を重ねるにつれ、「潜在意識」のようなものは自然と信じられるようになってしまった。

本書のテーマは「信念を持てば叶う」といったシンプルなもので、例えばアラフォーの何の実績もないおっさんが今からメジャーリーガーになるというような人類の限界を超えた実現不可能なことはともかくとして、自分の客観的な能力の範囲内で心の底から信じれば何でもできるといったものだ。

他にはテレパシーについても実験を交えて触れられている。

僕はテレパシーも感じる方なのだが、誰かのことを不意に思い出して頭から離れなくなり不安になって何気なく連絡をしてみると、病気や家族の死など不幸が生じているということがよくある(ちょっと気まずい)。

それはさておき、自己啓発本が好きな方には、何十年も読み継がれている本書はおすすめだ。

なんだか久しぶりに宇宙を感じたくなってきたので、宮古島に行ったらパワースポットの石庭を訪れることにしよう。

『弁護士のすゝめ─最強資格のリアル。そして令和版司法改革へ─』宮島渉、多田猛


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「弁護士は稼げない」などとマスコミで騒がれ、実際に僕も法律の勉強をしていると周囲から「今の時代、弁護士なんて稼げないんじゃないの」などと言われて迷惑を被っているのだが、これはマスコミや弁護士を増やしたくない人たちのネガティブキャンペーンによるもので、実際には弁護士の数は足りていないらしい。

もちろん、不況時など時代によって就職のしづらさはあるが、それはどの業界でも似たような事情で、有名大学を卒業して大手企業に就職するのに比べて難しいというほどでもなく、大手5大事務所などでは初任給でも1,000万円を超えるのが普通らしい。

小室圭さんで今話題のNY州の大手事務所では2,000万円などと言われているが、日本とアメリカの物価差を考えると日本の給料は十分に感じる。

司法書士でさえ、弁護士に比べても独立前提の資格なので雇われだと給料こそ安いものの、40を軽く超えているような人でもいくらでも就職先はあると実感している。

データに基づいて弁護士の魅力と弁護士増の必要性を訴える本書、法曹に興味がある人は是非読んで欲しい。

その他にも、弁護士として幅広い業務を行うだけではなく、政界で活躍したりビジネスを起こして成功したりと、弁護士資格を元に輝かしいキャリアを送る人たちのインタビューも掲載されている。

僕は仕事をしながら法科大学院に通うという選択肢がなかったので(関西には夜間の法科大学院がない)司法書士を選んだわけだけれど、本書を読んでいると30代の頃に無理をしてでも法科大学院に通っとけば良かったと思ったよ。

法科大学院は奨学金制度も充実しているし、まだ若くて専業で特に理由もなく司法書士の勉強を始めようなんて思っている人は、試験がやたら難しい割に地味な司法書士を目指すよりも、多少無理をしてでも法科大学院に行って法曹を目指した方が良いと思うぞ。

いや、本書の著者も司法書士から弁護士になった人だし、司法書士も良い資格だと思うんだけどね。

『認知症世界の歩き方』筧裕介


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精神医学が好きで認知症の本も最近はよく読むんだけど、まだまだ人ごとかと思っていたら70歳くらいの父親が認知症の初期症状を見せ始めたようである。

仕事人間だったので退職うつ、退職する頃に発症した肝臓がん、そしてコロナ禍におけるより一層の引きこもりでやることがないのも重なってどうも症状が悪化するペースも早いようだ。

高齢化社会の日本において認知症はもはや生活習慣病と言えるほど身近なものだと思うが、本書は精神科医や介護従事者からの視点ではなく、認知症になった本人からの視点で描かれているところに特色がある。

さらに、著者はデザインに携わってきた人らしく、記憶をなくす「ミステリーバス」、人の顔がわからなくなる「顔無し族の村」、時間の感覚がなくなる「トキシラズ宮殿」、視界だけでなく記憶も消える「ホワイトアウト渓谷」など、認知症になった人を旅人になぞらえて、一緒にその旅を体験することができる。

認知症とは認知機能の衰えによって日常生活に問題が生じている状態を言うので、睡眠不足などで疲れが溜まっている人や発達障害の傾向がある人なんかは、本書で言及されている症状のいくつかを経験したことがある人も多いだろう。

カラーのイラストを交えて楽しく学ぶことができるので、認知症に興味がある人もそうでない人も、一読することをおすすめしたい。