アフターコロナで読んだ本まとめ⑩

ランニング

はじめに

2023年1月22日(日)、3年ぶりに高槻シティハーフマラソンが開催される。

気温が低い時期に激しいトレーニングをしているとギックリ腰になったり、出走までの時間がとにかく寒かったりするので真冬の大会は嫌いなのだが、久しぶりの開催なので参加する予定である。

以前の大会までは16~39歳の若者カテゴリーにギリギリ属していたのだが、今回からは40~49歳のおっさんカテゴリーとなる。

16~39歳のカテゴリーだとかなり年長者となり現役の陸上部なんかもいるだろうから上位に入るのは不可能に近いのだが、40~49歳のカテゴリーであればかなり有利なので上位に入れるかもしれない(笑)。

ここ最近は週2回で10km走っているけれど、このペースだと体重維持はできてもなかなか体が引き締まらず、老化による衰えの方が早いような気がするんだよなぁ。

かと言って、走る日数を増やしたり筋トレをガンガンしたりするのも気が引ける。

普段10kmしか走らずいきなりハーフを走るのはきついから、たまに15~20kmのランを取り入れて、5分30秒/kmのペースを維持して2時間以内の完走を目指すとするか。

12月の宮古島滞在中にブクブク太っても困るので、今年は1人南国でのランニング&予備試験合宿に励みます。

天は自ら行動しない者に救いの手をさしのべない。

――ウィリアム・シェイクスピア

『読んだら眠れなくなる 宇宙奇譚集』真実の目


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YouTubeチャンネル「真実の目」が本になった。

「真実の目」は超常現象やオカルト現象などを科学的な視点を交えて考察しているチャンネルなのだが、チャンネル開設から1年も経たずに登録者数が10万人を軽く超えている人気チャンネルである。

本書ではこれまで公開された動画を関連付けて分かりやすく解説しているだけでなく、新しいエピソードも紹介されていて読み応えたっぷりなので、本チャンネルを見て興味を持った方にはおすすめ。

英語版のチャンネルもあるので(ちなみにスペイン語版もある)、英語学習にも役立つこと間違いなしだ。

『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』目黒冬弥


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メガバンク(恐らくはみずほ銀行)に勤める現役銀行員による業務日記。

30年間の勤務期間中に営業職から事務職に移動した(正確には移動させられた)著者だが、本書では銀行の厳しい上下関係、学歴社会や出世競争、ノルマがあり残業や仕事の持ち帰りが当たり前の厳しい業務、頻繁な転勤、システムエラーによる顧客からのクレーム対応など、メガバンクに勤める銀行員の実情が描かれている。

世間では銀行員は安定していて誠実なイメージがあるかもしれないが、銀行は金利差や手数料で稼ぐビジネスシステムであり、個人的には消費者金融と変わらない金に執着するブラックな世界だと思っている。

本書を読んでいるとその考えは誤りではないと実感させられたが、司法書士は住宅ローンを融資する銀行とは関わりが深いので、どうやって付き合っていくかは悩みどころでもある。

昔、京都大学を卒業して大手銀行に就職したけど時給換算したらマクドナルド以下で3ヶ月で辞めた友人を思い出したわ。

守秘義務の厳しい現役銀行員による珍しい業務日記、本シリーズのファンはもちろん銀行業務に興味がある方は是非。

『天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法』佐藤純


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天気痛とは、気圧、温度や湿度などの気象要因によって偏頭痛などの慢性痛が悪化することを言う。

本書では、日本で唯一の天気痛外来を開設した医者である著者が、データに基づいた天気痛の原因やその対処法を解説している。

僕も台風が近づいてきたときは目の奥が痛くなり頭が締め付けられるような感じがするし、梅雨時など雨が多いと体調も優れない。

それでも、台風や大雨の日は特別な用事でもなければ外出することはないし日常生活に大きな支障はないのだが、勉強や仕事の効率はどうしても落ちる。

本書に登場する天気痛の患者の中には、新幹線や飛行機に乗ったりビルの高層階に上がったりするのも辛いほどで日常生活もままならない人もいる。

天気痛の症状に苦しむ人たちは普通の医者に行っても薬を飲んでも解決されず、天気が悪くなる日に症状が悪化するので天気痛を疑ってワラにもすがる思いで著者の下を訪れることになるのだが、体調が悪化する前のめまい薬の服用、体調管理や根本となる慢性痛の治療を通じて少しずつ症状が改善されていく。

自分の体調不良の原因が天気痛であることが分かると安心するし、同じように天気痛に悩まされている方には対処法も書かれた本書はおすすめだ。

僕は気圧の変化が滅法苦手なので、ダイビングを止めたのも(肺気胸になったのもあるが)、ジェットコースターに乗らないのもやっぱり正解かな。

ジェットコースターが怖くて避けている人間に「臆病者」なんて言わないでくれよな。

『怒りについて 他二篇』セネカ


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古代ローマに生きたストア派の哲学者セネカ。

表題の『怒りについて』では、怒りに身を任せることがいかに有害か、理性に従い行動することがいかに重要かを説く。

賢者は感情で我を忘れることがない。

外に出ると危険が一杯だが、他者の不正に怒りを覚えたとしても、それが自然現象や動物の行動だと思えば怒りも湧かないであろう。

さすがに街に犯罪者がうろついているような古代とは違うが、現代に置き換えてみると、街を歩いていて歩きスマホにイヤホンをしながらぶつかってきた挙げ句に罵ってきたり舌打ちをしてきたりした相手に対しても、ついカッとなって手を出してしまったら自らの身を滅ぼすことになりかねない(相手の打ち所が悪くて死んでしまったら殺人罪になってもおかしくない)。

不正に不正で応えてはならないのだ。

だからと言って不正を許すのではなく、相手の行動によって怪我をしたり自らの権利を侵害されたりしたのであれば、理性的に対処して警察や裁判所などを通じて法に訴えるのが良いだろう。

そもそも、自分と同じ基準を他人に求めるからイラッとするのであって、「スマホゾンビ」という言葉があるようにそれが文明の利器を手にして喜んでいる猿だと思えば可愛らしいではないか。

僕は通勤ラッシュとは縁がないし歩きスマホに迷惑を被る機会も少ないのだが、ほとんど歩けない老人や目が見えない人が周囲にいるにもかかわらず、その人たちの存在に思いが至ることなく歩きスマホに興じていた元気な若者を見てついイラッとしてしまった。

セネカの言葉はストレスがたまりやすくついカッとなってしまいがちな現代にも役立つものだが、暴君から宴会に招かれて肉料理を提供され、それが自分の息子であることを後から告げられても更なる嫌がらせを避けるため「怒るな」というのは無理な話だと思った。

セネカが生きた2,000年前の世界はさすがに残酷である。

自由とは、心を不正のはるか上に置き、それを、ただ自分自身から自分の喜びになることが生まれるものにすること、外部を自分自身から隔てることだ。

――『賢者の恒心について』