滋賀県にある佐川美術館でピカソ展をやっているという情報を得たので、ちょっと遠いのだが訪れてみることにした。
イスラエル博物館所蔵の作品を展示するこのピカソ展、佐川美術館で2022年07月02日(土)~2022年09月04日(日)まで開催されている。
「イスラエル博物館所蔵 ピカソ ー ひらめきの原点 ー」【佐川美術館】
佐川美術館は滋賀県守山市の琵琶湖大橋近くに位置しており、JR堅田(かたた)駅からバスやタクシーでアクセスすることが可能だ(JR守山駅からは少し距離がある)。
当日、JR高槻駅を出発し、京都駅で湖西線に乗り換え、堅田駅を目指す。
京都駅での乗り換え時間が結構長く、50分程度で堅田駅に到着。
堅田駅前のバスターミナルから出発する「免許センター前」行きのバスが佐川美術館に停車する。
平日の真っ昼間にもかかわらずバスは1時間に1本程度しかない(沖縄の離島か!)ので、バスを利用する方は事前のスケジューリングが重要だ。
バスに乗り込み、琵琶湖大橋の上から広大な琵琶湖を眺める。
バスは約15分ほどで佐川美術館に到着した。
佐川美術館の入館には現在ウェブ予約が必要となっていて、この日は余裕を見て14時に予約していたのだが、平日で空いていたこともあって12時半頃に到着しても入ることができた。
それにしても、風光明媚という言葉がシックリ来る美術館である。
この日は最高気温が32度程度のカラッとした陽気で、自然に囲まれた美術館の中を歩いていると心地良い。夏も毎日このくらいなら過ごしやすいんだけど。
イスラエル博物館に所蔵されている貴重な作品だからか、A4サイズを超えるカバンはピカソ展に持ち込むことができず、入り口のロッカーに預けていざピカソ展へ入場。
ピカソ展と言えば、スペインのバルセロナで訪れたピカソ美術館が印象に残っている。
佐川美術館では写真撮影は禁止されているので、バルセロナのピカソ美術館で撮影した写真をせっかくなので代わりにどうぞ(※以下の作品は佐川美術館には展示されていません)。
なぜ世界で最も有名な画家とも言えるピカソ展がこんな辺鄙な場所(失礼)で大した宣伝もされずに開催されているのかと思っていたけど、入ってみて納得したわ。
エッチングやリトグラフなどの版画が中心で、油絵や有名作品は少ないんだな。
看板にもなっている『座る女』は良かったけれど、油絵好きとしてはバルセロナのピカソ美術館と比べると展示作品には雲泥の差があり、少しがっかり。
しかし、ピカソの作品を見る度にこの人は精神分裂症ではないかと疑ってしまうな。
ピカソ展は人もまばらで、夏休みだからか子連れの家族や大学生らしいカップルの姿をチラホラ見かけた。
絵画の美術展は作品を守るためか冷房が効いていて快適だし、(コロナ禍なので特に)会話をする人もおらず静寂の中で作品を鑑賞していると異世界の雰囲気に浸ることができるのが好きなんだよな。
しかし、女好きで知られるパブロ・ピカソ、特にイケメンというわけでもなく身長も163cmと日本人からしても小さいのに、おじいちゃんになってからも若い愛人を作ったりと、やっぱり才能・名声と金でしょうか。
結局、油絵以外にはあまり惹かれなかったこともあって、30分ちょっとで見終わってしまい、美術館内のカフェで食事をすることにした。
この日のランチにいただいたのは「比叡とろ湯葉そばセット」。
セットには湯葉そば、鶏飯と漬物、そしてドリンクが付いてくる。
香ばしい出汁にトロッとしたクリーミーな食感の湯葉が入ったそばは美味しく、鶏飯との相性も抜群で、そして何より漬物が絶品だった。
漬物なんて昔は食べる気すら起きなかったのだが、タイ料理にパクチーが欠かせないように、年を取った今ではご飯に漬物は欠かせないように感じる。
いつか、キムチも食べられるようになるのだろうか(白菜の漬物が苦手な人)。
カフェで休憩した後、美術館内にあるショップでお土産を購入した。
アート好きには図録(展示作品のカタログ)は定番のお土産だが、概ね3,000円程度の価格で魅力的な作品が少ないと購入する気にならないので、もう少し安くしてくれると嬉しいなぁ。
ピカソ展の他には常設展も同料金で見ることができ、バスの時間までは間があったのでサクッと見て回ることにした。
常設展では佐藤忠良の彫刻、樂吉左衞門の茶碗、平山郁夫の絵画などが展示されていたけど、世界を旅しながら各地の風景や人物を描いた平山郁夫の作品は結構良かったなぁ。
バスの時間が来て、佐川美術館を後にする。
ピカソ展は期待したほどではなくピカソファンでもなければわざわざ遠くから足を運ぶほどでもないけれど、佐川美術館は風光明媚な景観、カフェの食事、常設展も含めて訪れるだけでもそれなりに楽しめるのでおすすめだ。