アフターコロナで読んだ本まとめ⑤

「ななパフェ マスカットオブアレキサンドリア」

はじめに

出勤途中にセブンイレブンに立ち寄ると、ななパフェの新作を見つけたので即購入した。

ななパフェは税込300円なのだが、レジ袋を頼むと303円になるのが煩わしい(レジ袋を有料にしたのは誰だ)。

「ななパフェ マスカットオブアレキサンドリア」

「ななパフェ マスカットオブアレキサンドリア」

蓋をパカッと取り除くと、OPPAI山のようなホイップクリームが出現。

見事なホイップクリームだ

見事なホイップクリームだ

セブンイレブン商品開発部のおやじたちがニヤニヤしながら開発している様子が目に浮かぶぜ。

ホイップクリームとその下に敷かれているマスカットソースを一緒にいただく。

ぱくっ

* *   * *
* * * * * *
* *    * *
パーン!
( Д )  エイドリアーン!

以前食べた「ななパフェ クリームチーズ」でもそうだったが、ななパフェはとにかくソースが絶品だ。

ホイップとマスカットソースを勢いよくほおばると、その下からかき氷が出現した。

コンビニでいただいたプラスチック製スプーンでかき氷を掘削しようと試みるも、まるで北極の氷を思わせる硬さで、スプーンがあっさりと折れ曲がってしまった。

金属製のスプーンに持ち替え、ザクザクとかき混ぜながら食べ進めて行く。

爽やかなマスカットソースとヨーグルト味のかき氷は夏にぴったりで、まさに渚のハーモニー。

しかし、僕はかき氷がそれほど好きではない。原料はただの水である。

パフェの中心部分の多くの面積をただの水が占めているのは勿体なく、腹立たしささえ感じる。

かき氷の下には再度のマスカットソース、そして一番下にはマスカットアイス。

うーん、やっぱりアイスは美味いわ。

新作の「ななパフェ マスカットオブアレキサンドリア」、「ななパフェ クリームチーズ」ほどの感動はなかったものの、夏にはピッタリでそれなりに楽しむことができました。

それよりもセブンイレブンさん、ななパフェ置いていないことが多いんだけど、1種類で良いので常備しといてもらえませんか?

『人生の短さについて 他2篇』セネカ


出典:amazon.co.jp

古代ローマにおける禁欲主義で自然との調和を目指すストア派の哲学者であるセネカ。

人間にとって時間は最も価値あるものだが、多くの人間は自分のためではなく他人のために貴重な人生の時間を浪費する。

多忙な人生を送る人は、人生の最後の局面においてようやく、自らの時間がわずかしか残されておらず何も為してこなかったことに気付く。

地位や名誉を手にした人も、忙しさの中でそれらを捨ててでも閑暇(かんか)を求めるようになる。

未来は不確かなものであり、欲に溺れることなく過去の偉大な哲学者たちの英知に学び、今をしっかりと生きる大事さを説く。

「人生は使い方しだいで長くなる。」と時間の大事さを説いた表題と他2篇で構成されている本書だが、人間の本質的な悩みは太古の昔から変わらないものなのか、約2,000年が経過した現代にも通用する素晴らしい哲学の本となっている。

僕は古代ローマやギリシャの哲学者の本はあまり読んでこなかったのだが、よく分からない現代インフルエンサーの自己啓発本よりも、何世紀も語り継がれている哲学の本を読んだ方が遙かに有益ではないかと感じた。

だって、現代インフルエンサーの本ってお金とか世俗的な話ばかりなんだもの。

『ストレス脳』アンデシュ・ハンセン


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『スマホ脳』が世界的ベストセラーとなったスウェーデンのイケメン精神科医、アンデシュ・ハンセンの最新作。

本書は脳に本来的に備わっている不安や恐怖を主題にしたものだが、太古の昔から脳の最大の目的は生き延びることであり、危険を察知する不安や恐怖はそのためには欠かせない感情である。

ほんの数世紀前までは大人になるまでに半数もの人が感染症で命を落としており、ストレスを感じると引きこもりになるのも生き延びるために脳に備わっている本能であると説く。

また、個人差はあれど孤独が心身両方に与える影響は大きいようで(デジタル上の接触では解消されない)、本書を読んでいるとなんだか早く結婚して子どもが欲しくなってきたよ。

幸せには期待することなく、愛する家族や少数の気が合う仲間とふれあい、適度な運動をして、SNSで他者比較をせず、意義のある仕事をすることが豊かな人生を送る秘訣ってことでOK?

ところでアンデシュ先生、日本ではイヤホンを装着して歩きスマホをしているサバンナでは真っ先に捕食されそうな人を時折見かけるんですけど、この人たちは生存本能よりも目先の快楽に負けた、スマホに脳を乗っ取られたゾンビと解して良いでしょうか。

『マンガで読む名作 ソクラテスの弁明』プラトン、横井謙仁


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「ただ生きることではなく善く生きること」が大事と説く、紀元前5世紀から4世紀にかけて生きた古代ギリシャの哲学者であるソクラテス。

ソクラテスは恨みを買った人間から告発されて裁判にかけられてしまい、民衆(裁判員)の面前で弁明を行うものの、民衆の投票により結局は死刑に処されてしまう。

ソクラテス自身は著述を残していないため本書の原作はソクラテスの弟子であるプラトンによるものだが、マンガである本書では死を恐れないソクラテスの人生最後の法廷における堂々とした主張および態度が躍動感のある描写で描かれている。

紀元前5~4世紀とは思えないギリシャの生活や裁判の様子や、現代であれば優れた弁護士(いや、正義を説くあまり勝敗にこだわらないのであれば優れた弁護士とは言えないかもしれないが)になったであろう弁論家・ソクラテスの人物を分かりやすく知ることができる本書、初心者の方には特におすすめだ。

それにしても、71歳で死刑に処されたソクラテスといい、これだけ昔でも70歳くらいまでは普通に生きられたんだなぁ。

『理解が深まる 消費税インボイス制度QA』金井恵美子


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2023年10月から始まるインボイス制度の税理士による解説本。

内容も難しくなくこれ一冊でインボイス制度の概要は理解できるので、対応が必要な事業者の方にはおすすめ。

『小説で読む憲法改正―僕と三上さんと柳田先生の放課後』木山泰嗣


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弁護士による憲法改正について物語を通じて分かりやすく解説された本。

著者は『小説で読む民事訴訟法』で有名だが、本作『小説で読む憲法改正』では同じ主人公である佐伯祐一の高校時代が描かれており、本シリーズのファンとしては楽しく読むことができた。

本作では、佐伯祐一が放課後に図書室で思いを寄せるクラスメートと出会い、彼女が手にしていた憲法の本をきっかけに不純な動機で憲法の勉強を始めたものの、次第に憲法にとりつかれていく様子が描かれている。

若者を意識して書かれたのか『小説で読む民事訴訟法』に比べても文章は軽快で小説としては稚拙にも感じるが、憲法のエッセンスは十分に堪能することができるし、思ったことをすぐ口に出してしまうウブな高校生の恋愛が憲法学習を通じて成就していく様子が面白い。

僕は30歳を超えて法律の勉強を始めたのだが、最初に学んだ憲法の条文を読んで以来、法律の虜になったことを思い出した。

日本国憲法にはそれほどの魔力があるが、憲法改正が盛んに議論されている今、日本人として最低限の憲法の知識は身に付けておきたいものだ。