【フェルメール展】天王寺の大阪市立美術館で『窓辺で手紙を読む女』を鑑賞

『窓辺で手紙を読む女』

燃え盛るような暑さの中、大阪市立美術館で2022年7月16日(土)から9月25日(日)まで開催中の『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』に行ってきた。

『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』公式サイト

『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』の目玉は、何と言ってもヨハネス・フェルメールの初期の名作『窓辺で手紙を読む女』だ。

この『窓辺で手紙を読む女』、当初はフェルメール自身が壁に元々あったキューピッドの絵を塗りつぶしたと考えられていたようだが、後の検査でフェルメールの死後何者かによって消されていたことが判明して、最近行われた修復作業によって元の姿に戻ったらしい。

修復作業が完了した『窓辺で手紙を読む女』は、所蔵館であるドイツのドレスデン国立古典絵画館を除いては日本が世界初公開となる。

本展示会はフェルメールの名を冠しているにもかかわらず、フェルメールの作品はこの『窓辺で手紙を読む女』の1点のみで(フェルメールの作品は合計でも30数点しかない)、後は同時代のオランダの画家による作品が約70点展示されている。

大阪市立美術館があるのは天王寺公園内だ。

平日の昼食前の時間帯が空いているだろうと思ってこの日は金曜日の昼前に出発したのだが、まずはJR京都線から大阪駅で環状線に乗り換え、天王寺駅から天王寺公園内を歩く。

あべのハルカス

あべのハルカス

美術館までは少し距離があり、最高気温が35度を超える日の日中に天王寺公園内を歩くのはなかなかの苦役である。

ひまわりのお花畑

ひまわりのお花畑

アラフォー、真夏の大冒険。というフレーズがなぜか頭の中に浮かんできた。

大阪市立美術館に到着

大阪市立美術館に到着

大阪市立美術館を訪れるのは今回が初めてだったのだが、なかなか味のある美術館である。

大阪らしいレトロな建物だ

大阪らしいレトロな建物だ

当日券(一般は2,100円)を購入して入場。

館内はフェルメール一色だ

館内はフェルメール一色だ

他の多くの絵画展と同様、館内の作品は写真撮影が禁止となっている。

平日の美術館と言えば高齢者や主婦の割合が多く、後は若い女性や学生らしいカップルをちらほら見かける程度が常であるが、大阪では高齢者の外出自粛が呼びかけられていることも手伝ってか、この日はそんなに混んでいなかったな(1つの絵画の前に1~2人、多くて3人が並んで見るくらい)。

フェルメールの他には、レンブラントやメツーなどの作品が合わせて70点ほど展示されている。

レンブラントは有名にもかかわらず僕はあまり好みではないのだが、メツーの作品はフェルメールに似た雰囲気があって結構惹かれるものがあった。

それにしても、冷房が効いている館内で、静寂に包まれながら西洋絵画を眺めるのは異世界に入ったようで至福のひとときである。

以前のポンペイ展では人の多さにうんざりさせられたけど、やっぱり絵画展は良いわ。

70点ほどの絵画の他には、『窓辺で手紙を読む女』の修復過程の様子を収めたビデオなどが上映されていたが、これは本を読んである程度知識として知っていたこともありスルーした。


出典:amazon.co.jp

フェルメールの『窓辺で手紙を読む女』は、ラスボスのごとく一番最後の部屋に展示されている。

『窓辺で手紙を読む女』の前にはもちろん人だかりができていたのだが、前述の通りフェルメール作品はこの一点のみなので、スペースがある部屋の中を行ったり来たりしながら、じっくりと時間をかけて鑑賞。

初めて実物を見るフェルメールの作品は素晴らしく、細部に至るまで繊細で、思わず涙がこみ上げてくるくらい感動した。

フェルメール作品は実物を見ると虜になるという人が多いと聞いたことがあるけれど、その言葉通り、『窓辺で手紙を読む女』は一気に好きな作品になりました。

修復前の『窓辺で手紙を読む女』

修復前の『窓辺で手紙を読む女』

フェルメール作品では有名な『牛乳を注ぐ女』も絵画としては素晴らしいけれど、描かれているのがガタイの良いおばさんだから、男としてはどうしても『真珠の耳飾りの少女』とか『窓辺で手紙を読む女』の方に惹かれるんだよな。

修復後の『窓辺で手紙を読む女』

修復後の『窓辺で手紙を読む女』

フェルメール作品以外は人の流れに沿ってサクサクと見て回った結果、所要時間は1~2時間くらいだっただろうか。

ドーパミンがドバドバ出た状態のまま、出口のすぐ先に設けられているショップでお土産を購入。

フェルメール展のお土産。左上のリンゴはマルタで買ったマルタガラスで関係ありません

フェルメール展のお土産。左上のリンゴはマルタで買ったマルタガラスで関係ありません

購入したのは、図録(展示作品のカタログ)、クリアファイル2点、ブックマーク、ゴーフル、ミッフィーのレターオープナーで合計7,000円ちょっと。

レターオープナーはちょうど事務所に欲しかったので購入したのだが、どこにでもコラボで出てくるミッフィー、可愛いけれどちょっとウザいんですけど。

あ、公式サイトに乗っているマイセンのマグは見当たらなかったなぁ。

美術館を出た後、まだお昼ご飯を食べていなかったので天王寺公園内にある「ソライロキッチン」に立ち寄ることにした。

ランチにハンバーグと生ビールをいただく。

とろーり玉子の牛100%手造りハンバーグ(1,700円)と生ビール(500円)

とろーり玉子の牛100%手造りハンバーグ(1,700円)と生ビール(500円)

ランチにはパンのビュッフェが付いてくるらしく、正直この年になるとわざわざ取りに行かなければならないビュッフェは面倒くさいのだが、思いのほかにパン(特にピザパン)は絶品で、結局10個ほどいただいてしまった。

なかなかおしゃれな店内は若者ウケしそうで、店員は20歳前後と思われる女性が中心、客も平日と言うこともあってか若いカップルやマダムなどが目立ち、孤独なアラフォーのおっさんは少し浮いた存在である。

若い女性店員「もう一杯いっときますか?」

僕の周りだけなんだか居酒屋みたいになってきた。

どうやらフェルメール展のチケットがあればドリンクが一杯無料になるそうで、結局昼間からビールを三杯も飲んでしまう。

暑さとフェルメールの絵画ですっかり火照った体と脳をクールダウンし、まるでモロッコに滞在していたときのようにパンの食べ過ぎですっかり重たくなった体を引きずりながら、お店を後にした。

若い女性店員「お気を付けてお帰りください」

昭和の時代であれば自分の娘でもおかしくないような年齢の女性に優しく見送られると、介護施設から帰る人みたいな気分になった。

それはともかく、『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』、フェルメールファンはもちろん絵画好きにはとてもおすすめだ。