アフターコロナで読んだ本まとめ②

ななパフェ

はじめに

暑い。否、熱い。

先週は夕方にランニングしていたところ危うく意識を失いかけた。

しかし、「日本の夏はインドより暑い」なんて言っている人もいるけれど、さすがに4月の南インドはもっと暑かったな。

ある日、南インドで外を歩いていると日差しと湿気が凄くて汗が止まらず、田舎で冷房が効いている建物もなかったのでたまらず大きな木の下に避難したのだが、木陰にじっと座っているにもかかわらず汗が流れ続けた絶望感はあの時が初めてだった。

「日本のカレーはインドカレーより美味い」と言っている人と同じくガセネタではないかと思っている。

いずれにせよ、あまりにも暑いので、前から気になっていたパフェをセブンで買ってきた。

セブンイレブンのななパフェ(クリームチーズ)

セブンイレブンのななパフェ(クリームチーズ)

少し外に出るだけで体が火照っているので一気にいただく。

ぱくっ

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パーン!
( Д )  パフェ、ンマーイ!

濃厚なKiriのクリームチーズ味のアイスにブルーベリーの果肉ソース。

まるで、高級なフレンチレストランのデザートのように上品な味わい。

止まらぬ手で食べ進めて行くと、次の層にはチーズ味のクッキーとベイクドチーズ味のアイスが盛り込まれており、チーズ味だらけにもかかわらず食感・味ともに飽きさせない工夫が凝らされている。

そして、最下層には再びクリームチーズ味のアイスにブルーベリーのソース。

一気に食べ終えてしまった。

コンビニ商品と言えども、こんな美味しいパフェを食べたのは生まれて初めてだ!

ハーゲンダッツのストロベリー味を超える美味しさで、夏だけで言えばバスクチーズケーキをも超越している。

パフェなんて、以前はバラエティ豊かで色々と入っているもののそれぞれの具材の味は決して大したことはないと思っていたのだが、この「ななパフェ」はひとつひとつの味が洗練されており、かつ、それぞれの具材の間のハーモニーも計算され尽くされている。

まさに、「企業努力の結晶」。

アラフォーのおっさんが喫茶店でひとりパフェを頼むのも気恥ずかしいものだが、これは300円程度で自宅でこっそりゆっくり味わえるのも最高だ。

「ななパフェ」のクリームチーズ、目が落ちる美味しさでした。

コロコロコロ…
( Д ) …_。…_。

『俺たちは神じゃない』中山祐次郎


出典:amazon.co.jp

『泣くな研修医』の著者による最新作。

本作はサラリーマン家庭出身で東大医学部卒の生真面目な剣崎(40歳)と、関西出身の医者家庭で、私立医大卒の陽気な松島(39歳)の外科医コンビによる医療ドラマである。

人間ドラマに焦点を当てていた『泣くな研修医』に対して、本作では中堅医師による手術を主とした業務の描写が中心になっていたように思う。

タイトルの『俺たちは神じゃない』と言うのは傲慢な医者の態度かと思いきや、同じタイトルを冠した第二章では、身寄りがなく老い先の短い老人に対して手術を行うかどうか迷う苦悩が見て取れる。

現役の外科医が次々に本を出版する超人さには感服しつつも時間があるなら『泣くな研修医』の続編を書いてくれよとも思ったが、本作は本作で手術の描写が楽しめました。

しかし、緊急事態で頻繁に病院に呼び出されるにもかかわらず、連日のようにバーで結構な量の酒を飲んでいるのはどうなんだろう。

医者ならアルコールが脳に与える影響とか理解してそうなもんだが、僕が患者だったら酔っ払いには手術されたくないなぁ。

『一度読んだら絶対に忘れない英会話の教科書』牧野智一


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通訳者で英語講師の著者による初心者向けに英会話の習得法を解説した本。

著者は英会話を勉強する順番としてスピーキング→リスニング→リーティング→ライティングと、日本の学校教育とは一見真逆とも思える順番を推奨しているが、これはネイティブが言葉を覚える過程にも近いように思える。

そして本書を読み進めていると、大人が英会話をマスターするためには、いくら表面上の英語スキルを磨いたところで核となる日本語がしっかりとできて自分の考えを持っていないとそれこそ話にならないことが分かる。

また、英語はしょせんコミュニケーションツールであり自分より英語ができない相手に分かりやすく伝える重要性も説いているが、難しいことを簡単に伝えるというのは上級者だからこそできることでもあり、僕も東南アジアなんかを旅していたときにはこの重要性をよく実感したものである。

著者はさすが言語のプロだけあって日本語も分かりやすく、サラサラと楽しみながら読むことができた。

ちなみに、僕も一応翻訳家という英語のプロではあるのだが、多くの日本人と同じように英会話は他の全ての科目を含めても一番苦手な科目だったりするので、通訳者にはつい憧れの気持ちを抱いてしまう。

まぁ、これは僕の脳みその偏りが大きな原因でもあって、そもそも日本語の会話もそれほど得意ではないのだけれど・・・

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』パイパー・カーマン


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ネットフリックスでドラマ化されたアメリカの刑務所に収監された女性の記録。

著者は医者や弁護士などを排出する家系に生まれ育ち自身も名門女子大を卒業するも、若気の至りから悪友(恋人)に誘われ麻薬取引に携わってしまった結果13ヶ月にわたり収監されることになる。

それなりに育ちの良い女性が刑務所で地獄を味わう話かと思いきや、収監された刑務所には思わず麻薬取引に巻き込まれてしまったような常識的な人も多く、著者の精神的な強さや知性もあってか大きな問題もなく穏やかな日々が続く。

もちろん傲慢な人や嫌な人はいるものの(そんな人は一般社会にもいる)、周囲の人は概ね優しく刑務所内ではパーティーもあったりで、これではウイグルの強制収容所はもちろん日本のブラック企業の方が過酷な環境ではないかと思うほどだ。

裁判まで数年待たされたり所持品検査で毎回裸にされたりと同情する側面はあるものの、自らの意志で犯罪に手を染めてしまったのだから自業自得だろう。

やはり日本とかアメリカのような基本的人権が尊重されているような国では刑務所もぬるく、これが現実なんだろうなぁ、と思わせてくれた一冊でした。

日記やブログのような軽快な文体でアメリカの女性刑務所が疑似体験できる本書、興味がある方は是非。

『カラー版 マンガでわかる 会社の設立・運営』荒川一磨


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税理士兼行政書士による会社(法人)設立および運営に関する解説本。

マンガはそれなりに楽しめたものの、文章での解説や書類の記入方法の説明の方がはるかに長く、結構ボリューム感がある。

書類の記入方法なんて行政のウェブサイト見れば大体分かるし、この手の本はタイトルに「マンガでわかる」と謳っているならなるべくマンガだけで完結するようにして欲しいんだよなぁ。

税理士や行政書士は会社設立に携わっている人が多いみたいだけど、登記申請の代理および相談できるのは原則として司法書士(または弁護士)だけで、それ以外の人間が登記申請代理をするのは非司行為で立派な犯罪だからな。

本人申請という形で法の網をくぐり抜けているかもしれないけれど、そもそも、会社法および商業登記法に精通していない人間に安易に会社設立に携わって欲しくないわけよ。

本書でも会社設立の専門家である司法書士の名前を意地でも出したくない感があったな。

え?会社法も商業登記法も簡単だって?司法書士試験は毎年7月に実施されて誰でも受験できます。

まぁ、文句は言いたくなったけれど、本書では会社設立の手順は分かるし情報はそれなりに網羅されているので、これから自分で会社を設立したいという人には参考になるんじゃないかな。

『伊藤真の行政法入門』伊藤真


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行政書士試験以来の行政法の勉強。

行政法と言っても数多くの法律で構成されており抽象的にならざるを得ないが、憲法との関連など行政法の全体像をざっくりと理解するのには最適な本だ。

資格試験受験生の方はもちろん一般の方にも。