アフターコロナで読んだ本まとめ①

マスク

はじめに

最近はランニング時でも通勤時でもマスクを外している。

そもそも、ランニングは山の方だし通勤は自宅から事務所まで約15分の道のりを歩くだけで、すれ違うと言ってもせいぜい数人である。

なるべく距離は取るようにしているしすれ違うだけで感染するとも思えないのだが、これまでマスクを着用していたのは(夏を除いて)マスク自体がそれほど苦にはならないことと、すれ違う人が嫌がるだろうと思ってのことである。

もちろん、昼休みに駅前に出てランチをするときや屋内に入る必要があるときにはマスクを着用している。

以前のような行動制限もないせいか、最近は司法書士会の集まりだったり美術館巡りだったり外に出る機会も増えてきた。

大阪司法書士会のマスコットキャラクター「フクロッポウ」と会長

大阪司法書士会のマスコットキャラクター「フクロッポウ」と会長

旅行はもちろん外食に行く機会も減ったままだが、気分的にはもうアフターコロナである。

バスクチーズケーキとコーヒー@ホテル日航大阪

バスクチーズケーキとコーヒー@ホテル日航大阪

しかし、去年の冬あたりから夜寝ていて目が覚めたときに足の痺れを感じるようになったんだけど、これはコロナワクチンのせいじゃないかと疑っている(副反応の症状に近い)。

コロナには感染していないし結果論かもしれないけれど、それほど人と会わないのであればワクチンなんて打たなくても良かったかなぁ。

若い頃に肺気胸になったことがある身としては、とにかく肺炎だけは勘弁だったんだよな。

それはさておき、海外旅行は来年以降にするとして、夏になったら屋久島とか礼文島でも行こうかな。

『13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海』田中孝幸


出典:amazon.co.jp

ある日、男子高校生と女子中学生の兄妹が学校帰りに歩いていたところアンティークショップのウインドウに飾られていたディプロマットと呼ばれる地球儀に目を奪われ、アンティークショップの店主であるカイゾクと呼ばれるおじいさんからその地球儀をかけたテストに合格するため地政学に関する7日間の講義を受けることになる。

地政学とは地理学と政治学を合わせた学問であるが、本書では難しい用語などは何もなくて、タイトル通り初学者でも面白くスラスラと読める良書だった。

アフリカの貧困問題、中国の南シナ海への進出、アメリカの繁栄、日本を含む大国の人々が内向きで外国語が下手になりやすい理由など、位置関係を含めた各国の関係がよく分かる。

本書を読んでいるとなんだかまた世界を旅したくなってきたし、地球儀も欲しくなってきたよ。

しかし、ディプロマットの地球儀で検索したら200万円近くもすることを知って衝撃を受けた。

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/ / ポーン!
( Д )

『宙ごはん』町田そのこ


出典:amazon.co.jp

今もっともオススメしたい小説家・町田そのこの最新作。

ひとりの少女の成長を通じて描く家族との絆、そして人生を分ける重要な局面においてはいつも心を癒やしてくれる温かい料理があった。

町田そのこと言えば、狂ったように小説を読んでいた学生時代のピュアな感情を思い起こさせてくれた希有な作家である。

才能なんて言葉は安易に使いたくないけれど、洗練された文章で人の感情を描写するのに関しては、そのこさんは天才だと思うよ。

本作でも最後の方にはおっさんの涙が止まらず、ドライアイが改善されたほどである。

個人的には大ヒットした『52ヘルツのクジラたち』よりも素晴らしく、町田そのこの長編の中では一番好きな作品だ。

子供とは思えないほどしっかりとしていて、我慢した挙げ句たまに正論を振りかざしてブチ切れる宙(そら)ちゃんが最高です。

『住宅営業マンぺこぺこ日記――「今月2件5000万! 」死にもの狂いでノルマこなします』屋敷康蔵


出典:amazon.co.jp

人気の中高年による職場日記シリーズの最新作。

今回はバブル世代(1970年生まれ)で、消費者金融に勤めた後、東日本大震災前後の福島県においてローコスト(価格が安い)住宅メーカーで営業マンを行う屋敷さんの物語。

住宅メーカーなど不動産業界はブラックなイメージがつきまとうが、著者の会社もローコストなだけあって営業、展示場の準備、顧客案内、打ち合わせ、図面の作成、融資の相談、クレーム対応など数多くの仕事を1人でこなす。

働き過ぎた同僚の死、上司からの圧力、顧客からの鳴り止まない携帯電話など、著者は結局のところ肉体と精神の限界に達したのか40代半ばにして住宅メーカーを退職するが、自身の住宅ローンが返済できなくなりマイホームを手放して一家も離散することになる。

住宅メーカーの内部事情や販売テクニック、住宅メーカー営業マンの厳しさ、そしてサラリーマンが数千万円の住宅ローンを組むことの恐ろしさがよく分かる一冊。

それと、個人的には金融機関の融資に対する司法書士の属性(評価)が高いって書かれていたのが嬉しかったかな。司法書士も基本的には自営業者なんだけどな。

『司法書士 法務アシスト読本―地域と生きる法律実務家の職務と責任』大崎晴由


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ベテラン司法書士による補助者・新人司法書士に向けた指南書で、業務にあたる心構え、戸籍や各種書類の読み方、登記や裁判実務などについて解説されている。

網羅的な内容なので司法書士にとっては当たり前の内容だったり老人(失礼!)らしく読みづらい文章もあったりするのだが、とりわけ補助者などこれから司法書士業務に携わる方は読んでおいて損はないだろう。

それにしても、実務書はちょこちょこ読んでいるけれど、法律のテキストなんかに比べるとやっぱり面白みには欠けるよなぁ。