今年(2022年)完成したばかりの大阪中之島美術館で開催中のモディリアーニ展を見に行ってきた。
アメデオ・モディリアーニは35歳という若さで亡くなったイタリア出身の画家で、パリを中心に制作活動を行った。
モディリアーニの絵画は見たことがある人も多いと思うが、印象には残るもののなんだか好き嫌いの分かれそうな特徴的な人物画ばかりである。
フェルメールやゴッホ、モネなんかに比べると正直それほど惹かれなかったのだが、大阪中之島美術館には行こうと思いながらもなかなか行けていなかったこともあって今回訪問することに。
大阪中之島美術館はJR福島駅から南へ徒歩10分程度。
JR京都線で大阪駅から環状線に乗り換えて、福島駅から南へと歩く。
堂島川にかかる玉江橋を渡って中之島に入ると、四角くて黒い物体が見えてくるので分かりやすい。入り口にはよく分からないネコがいた。
1,800円の当日券を購入してモディリアーニ展が開催されている5階へと上がる。
ちなみに、大阪中之島美術館では現在、モディリアーニ展の他に「みんなのまち 大阪の肖像」も開かれている。
この日はゴールデンウィーク前の平日ということもあってかそれほど混んではいなかったが、やはり都会だけあって、先日モネの『睡蓮』を見に訪れた京都の大山崎山荘美術館に比べると人は多い。
モディリアーニ展では、国内外のモディリアーニ作品約40点と共に、モディリアーニと関連のあったピカソなどの作品も展示されている。
訪れる前はそれほど興味のなかったモディリアーニだけど、やっぱり実際の絵画を見るとそれなりに感動するものがある。
中でも、『若い女性の肖像』と『おさげ髪の少女』の絵画には目を奪われるものがあった。
今回の展示会の目玉は同じモデルを描いた2点の裸婦の絵だろうか。
『髪をほどいた横たわる裸婦』と『座る裸婦』の2点が並んで展示されているが、『髪をほどいた横たわる裸婦』は大阪中之島美術館所蔵だからなのか、写真撮影が許可されていた。
しかし、いくら美術作品とは言え、こんなモロに全裸が描かれていたらおっさんが凝視するのもなんだか気が引けるな。
この絵が描かれた当時の状況を想像していたらなんだか少し興奮してきたんですけど、先生、この作品にワイセツ性は認定されないのでしょうか。
それにしても、モディリアーニ作品の魅力と静かで広々とした空間が後押ししているのもあるんだろうけれど、やっぱり美術館に来ると心が落ち着くなぁ。
感覚過敏な僕は人混みが苦手なこともあって、当初は大阪のど真ん中にある美術館に1人で行くのもなんだか気が引けたけれど、美術館は1人で行く方が正しいような気がするわ。
芸術作品が生み出される過程は孤独なものだし、1人の方が絵画の世界に入り込んでじっくりと絵画やその先にいる画家と対話できるような気がするもんな。
それに、複数人で絵画の前に並んで立つのも邪魔になるし、静かな美術館だと会話もノイズに感じられる。
現在はコロナによって会話が推奨されていないこともあってか、館内はとても静かで心地良く見て回ることができた。
ゆっくりと2時間くらいかけてモディリアーニ展を見て回った後、出口のところに設けられているショップでお土産を購入して、それから芝生広場にオープンしているモディリアーニカフェで休息。
モディリアーニと冠しているだけあってイタリアらしいメニューが揃っていたが、この日はイタリアビール、生ハムカマンベール、そしてバスクチーズケーキをいただいた(合計1,800円)。
バスクチーズケーキはイタリアじゃなくてスペインだという大阪人らしいツッコミを入れたくなったが、バスクチーズケーキに目がない僕はメニューにあると注文せずにはいられない。
値段はともかく味は抜群で、美術館で絵画を堪能した後、初夏の陽気の中テラス席でバスクチーズケーキにビールを楽しむなんて最高の贅沢で、まさにヨーロピアンなジェントルマンだ(意味不明)。
それにしても、平日の昼間に事務所を抜け出して美術館巡りをするのは、学生の頃に授業をサボって遊んでいた時のような背徳感があって楽しく、これは自営業の最大のメリットだと感じる(※ちゃんと仕事はしています)。
購入したお土産は『おさげ髪の少女』の小さな絵画(2,750円)に、仕事にも使えるモディリアーニの絵画6点が入った30cmものさし(660円)だ。
やはり初めての美術館に行くとテンションが上がるせいか、お土産や飲食代などで色々と出費がかさんでしまう。
大阪中之島美術館、広々とした綺麗な空間に異世界気分が味わえるモディリアーニの絵画、テラス席での建築物を眺めながらのビールととても満たされた気持ちになったので、僕のようにそれほどモディリアーニに興味がない人にも是非おすすめしたい。