コロナ禍で読んだ本まとめ⑳

モネ

はじめに

事務所の近くにあるから最近よく利用するんだけど、KFC(ケンタッキーフライドチキン)のケンタランチって結構美味いよな。

500~600円程度とコスパも良いし、テイクアウトを頼んでも待ち時間も少なくすぐに出てくる。

少し冷めているのは残念だけど、待たされるよりは遙かに良い。

味もそれなりに美味しいし、量も胃もたれしない程度でサクッと食べるには丁度良い。

おまけに名前もJFK(ジョン・F・ケネディ)みたいで格好良い。

ココイチやタイ料理・インド料理なんかも食べたいけれど、遠くまで歩くのは面倒だしそこまで安くもないので、最近のランチはKFCかスーパーの弁当ばかりになっている。

しかし、KFCのランチが500~600円とかスーパーの弁当が400円とか見てると、日本っていつまで経ってもデフレなんだな。

今日のランチはチキンフィレサンドでした。フィンガー・リッキン・グッド。

『モネ作品集』安井裕雄


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印象派を代表するフランスの画家であるクロード・モネ。

86歳の長い生涯を生きたモネは、セーヌ川沿いを中心に様々な場所に拠点を移して数多くの作品を残した。

『睡蓮』に代表されるようになんだか霧がかったようなモヤーッとした自然の風景絵画が多いモネだが、癒されるものの個人的にはゴッホやフェルメールの方が好みかな。

本シリーズは大型本で家にいながら美術館気分を味わえるのが魅力的だが、モネは作品数が多いこともあってか、本作は解説が少しくどく感じた。

単純に作品を味わいたくて買っているわけだから、文章は最小限で良い(解説が長ったらしくて分かりにくいのは美術館嫌いになる理由だと思う)。

モネの作品は日本にも数多く所蔵されているけれど、京都の大山崎山荘美術館にもモネの作品が数点所蔵されているようだ。

大山崎って目と鼻の先やないか。自然に囲まれたおしゃれな美術館っぽいし、散歩とカフェがてら近いうちにふらっと立ち寄ってみるか。

『伊藤真の刑事訴訟法入門[第5版]』伊藤真


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お馴染み伊藤塾の塾長による刑事訴訟法の入門書。

刑事訴訟法とは、刑法を実現するための手続法のことである。

刑法が犯罪(殺人とか)や刑罰(死刑とか)を定めているのに対して、刑事訴訟法は犯罪が行われたら被疑者を逮捕・勾留し、裁判(公判)を行い、判決を下すという手続きの部分について定められている。

犯罪者にも基本的人権が憲法によって保障されているわけで、刑事訴訟法にも憲法の理念を実現するための犯罪者の人権に配慮した規定が数多くある(例えば、自白のみでは証拠とすることができないとか)。

昨今では犯罪の性質によってはネット上で犯人をボロクソに叩く風潮が見られるが、これも侮辱罪や名誉毀損罪に該当するケースがあるわけで、法治国家において私刑は許されず、犯人の処罰は司法官憲に委ねられなければならない。

司法官憲が妥当な判断をしないのであれば、民主主義の中で法律を改正していく必要があるだろう。

それはともかく、やっぱり自分は訴訟法が大好きで、本書は刑事訴訟法の概念がよく理解できる良書でした。

司法書士試験では刑事訴訟法を勉強しないわけだが、刑事事件に携わる機会の少ない司法書士は本書だけでも読んでおいた方が良いのではないだろうか。

『小説で読む刑事訴訟法』中根敏勝


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独立したばかりの新人弁護士を主人公にストーリーで分かりやすく刑事訴訟法を学ぶことができる。

姉妹本?の『小説で読む民事訴訟法』が司法書士試験の勉強に非常に役立ち、単純に読み物としても優れていたので、本書も刑事訴訟法の勉強を始めるにあたって期待して購入。

本書は小説としてはさほど面白いわけではなく、『ストーリーで学ぶ刑事訴訟法』のようなタイトルの方がシックリくるが、各チャプターは20ページ程度で読みやすく、刑事訴訟法の流れをよく理解することができた。

これから刑事訴訟法を学ぶ法学部や司法試験受験生の方はもちろん、刑事手続きに興味がある法律素人の方にも是非おすすめしたい。

ところでこの著者も東大法学部卒なのね(法律本の著者には驚くほど多い)。自分が全く勉強していなかった中学・高校時代に戻れるとしたら、東大法学部に入って検察官になることを目指すかなぁ。

英語なんて独学でいつでも勉強できるしね。いや、自分の人生に後悔があるわけじゃないんだけれども。

『HSPサラリーマン――人に疲れやすい僕が、 楽しく働けるようになったワケ』春明力


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ウェブサイト制作会社で営業として働くも成績は万年下位で、人を傷つける言葉や人間関係に恐怖を抱く30歳の達也。

ある日、学生時代にブレイクダンスを通じて共に青春を過ごした親友だったが事故から疎遠になっていた青希と再開し、自分を見つめ直して努力を重ねた結果、周りとの人間関係、営業成績や人生が好転していくお話。

営業も人間関係の本質も、人に興味を持って人の話を聞くことにあり。

一見よくあるビジネス本だけど、ストーリーが面白くて一気に読み進めてしまい、最後には涙を誘う良書でした。

青希と奥さんが人間的にできすぎているのがちょっと非現実的かな。

『図解 東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法』河野玄斗


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最初に強調しておきたいのは、世の中には生まれつき頭の良い人間がいて、同じ方法で同じ量勉強したところで同じところまでたどり着けるとは限らないということだ。

例え僕が小さい頃から死ぬほど努力しても大谷翔平みたいになれる可能性は限りなくゼロに近いのと同じように。

そのことを理解して自分なりのやり方を身につけていかないと、自己嫌悪やモチベーションの低下へとつながる可能性があるので注意が必要である。

著者は僕も名前だけは知っていたのだが、東大医学部と司法試験に合格していて、恐らくは日本でもトップクラスの頭脳を有していて少なくともIQ130はあるのではないかと思われる。

著者は本書の中で「自分は特別ではない」という旨のことを書いているが、仮にIQ130あったとすると上位2%なので、それだけで特別ではないというのは妥当しない。

司法試験予備試験に8ヶ月で合格したというのはなかなかの化け物だ。

司法書士試験に合格している僕が今から8ヶ月で予備試験に合格しようと思ったら、仕事を辞めて最低でも1日10時間は勉強して、それでようやくギリギリ受かるかどうかというレベルだと思う。

それはさておき、タイトル通り本書で述べられている勉強法はシンプルで、目標から逆算するとか勉強を楽しむとかありきたりなものばかりである。

というか、万人に通用する勉強法というとありきたりなものにならざるを得ないのではないだろうか。

本書はサクサクと読み進めることができるので、特に勉強法に悩んでいる学生などは目を通しておけば役に立つと思う。

それにしても、この著者にしても東大王などのクイズ番組に出ている学生にしても、大して役に立たないクイズ解いてタレント気取りでチヤホヤされて満足しているのではなく、せっかくの頭脳があるならノーベル賞取るなりGAFAみたいな世界を変える企業作るなり国会議員になって日本を変えるなり優秀な医者や弁護士になって人のために尽くすなりして欲しいとおじさんは思うんだよなぁ。

ところで河野玄斗くんは今何してるの?タレントにYouTuber?結局、本書に書かれていた医療訴訟を取り扱う弁護士にはならないのかな?

若い頃に下手に名前が売れてお金が入ってくるとそれはそれで苦労しそうだよな。

『ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く』岡田斗司夫


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10年後(今からだと6年後)には機械翻訳の精度がさらに増して、YouTuberは世界規模の競争にさらされ、アイドルや芸能人も舞台をYouTubeに次々と移し、さらにはAIも動画配信するようになって素人がYouTuberとして稼ぐのは今よりさらに難しくなるという。

YouTubeに限らずAIの進化による未来を予測しているが、サクサクとは読めるもののあまり印象には残らず、ひとつの未来予想図として参考にはなる程度。

AIが進化するのは分かるしこの手の本ってあまり解決策が書かれていないような気がするんだけど、解決策って書かれていたっけ?

え?上手くいっている人の機嫌取るだけ?なんだか昭和のサラリーマンみたいですね。

個人的には、コーヒーを入れてくれてメンタルカウンセリングもしてくれる美人AIロボットの事務員が欲しいかな。

『22年間会ってない父が死んだので相続放棄することにしました。』シバキヨ


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両親の離婚により絶縁状態にあった20年以上会っていない父親が死んだと突然電話がかかってくる・・・

相続放棄手続きについて順を追ってストーリーで楽しく学べるKindleマンガ。

相続放棄をするには家庭裁判所への申述が必要だが、原則として被相続人(相続される人)が死んだことを知ってから3ヶ月以内にしなければいけないこと、相続財産を処分してはいけないことを覚えておきたい。

本書のように、ある日突然被相続人が滞納していた100万円の税金の督促が来たりするケースもあるから、借金や負債の有無が不明な別居の親族が亡くなって相続人になったときは要注意である。