今年は大学院の受験を計画していたのだが、熟考した結果、(とりあえず今年は)受験を断念することにした。
僕は元々大の学校教育嫌いで大学の成績も悪かったにもかかわらず、海外の大学のMBA(経営学修士)課程には昔から興味があったのだが、日本での仕事を辞めて海外に行くわけにもいかず、30代になって法律の勉強を始めてからは法科大学院に通いたいと思っていた。
しかし、調べたところ関西には夜間の法科大学院がなく、日中に働きながら大学院に通うのは不可能に思えたので、法科大学院は断念して予備試験を受けることにした。
それでもいつか大学院に通いたいという思いは拭いきれず、働きながら通える大学院はないかと探していたところ、大阪公立大学大学院の都市経営研究科が目にとまった。
本研究科は平日夜2日、土曜日だけで修了できるらしいし、サテライトキャンパスが梅田駅前ビルにあり、さらに(条件を満たせば)大阪府民は学費が無料という、とても魅力的で今の僕にとっては理想的にすら思えた。
とりあえず受験してみようと思い立ち、資料を請求して願書提出の準備も進めていたのだが、研究計画書を作成するために資料や本を読んだりしていたところ、今の自分には難しいんじゃないかと思えてきた。
本で体験談なんかを読んでいると、大学院のMBA課程などに通っている人は、2年間休職したりして結構ガチで勉強している様子だ。
現状、本業である翻訳の仕事はコロナ前の~7割くらいに減っているし、司法書士事務所は開業したばかりでまだ顧客もおらず、予備試験の勉強もマイペースに続けているので大学院にも十分に通えると思っていた。
しかし、来年以降は司法書士の仕事を本格的に始める予定だし、コロナが収束すれば翻訳の仕事も増えるだろう。
それでも、平日の夜2日と土曜日に大学院に通うだけならまだなんとかなるかもしれないが、講義以外に当然レポートなどもあるだろうし、2年目は修士論文に忙殺されるだろう。
仕事と予備試験の勉強に大きな影響を与えてまで通いたいか?と言われると大きな疑問符が湧く。
しかも、研究対象は興味がある経営学や法学、語学でもなく、都市経営というなんだか僕にとっては曖昧模糊とした分野である。
そもそも、現時点で論文執筆に全く興味が湧かない。
論文なんて世の中の役に立たなければ書く意味はないと思っているし(おっさんがちょっと勉強して書いた論文が世の役に立つとは思えない)、好きな分野で研究を続けた結果世の中の役に立つことがあったとしても、僕が大学院に通うのは仕事するのに役立てたいだけで研究者になるつもりはない。
そのようなわけで、多大な時間とエネルギーを使ってまで通う意味はあるのかと熟考した結果、とりあえずは断念するという結論に至った。
当該分野の研究にそれほど興味がなく、学費無料で仕事しながら梅田で通えて名門大学の修士学位を授与されて、できれば30代の美人キャリアウーマンと仲良くなってキャンパスライフを謳歌したいという邪な心では、通ってもそれほど意味がないように思える。
そもそも、すっかり受かるつもりでいるけれど、司法試験・予備試験なんて日本一難しい試験で、東大など旧帝大の法学部に通うような秀才が人生かけて挑んでくるような試験なのだから、いくら司法書士試験に合格しているアドバンテージがあるとしても、中途半端にやって受かるほど甘い試験ではないだろう。
難関資格の合格に大事なのは生活含め「いかに捨てるか」だということは身に染みて分かっているし、2つの仕事を抱えながら、予備試験の勉強も進めて、大学院に通えるほど僕は優秀でも根性があるわけでもない。
できない理由をあれこれと考えていると、自分がジョン・フォン・ノイマンのような天才ではなく、所詮IQ126しかない凡人だということを嫌というほど思い知らされる。
出典:amazon.co.jp
「やりたかったらやればいいじゃないか」
「いや、そんなに沢山のことは一気にできないし、司法試験に受からなかったら元も子もない」
ここ一週間くらい自分の心の中での葛藤が続いて、しばらくしたら脳みそがバーストして放心状態になってしまった。
自分の無力さに、涙が出て止まらないよ。
これがノイマン先生だったら、司法試験なんか3ヶ月くらいで受かって、国家最高顧問になってサクサクと憲法改正案とか出したりするんだろうな。
その頭脳が羨ましいよ。
でも、放射能を浴びて若くして死ぬのは嫌だな。
自分が開発した原爆による放射能浴びて死ぬなんて、天才なのか紙一重なのかよく分からないよ。
結局日本に原爆落ちているわけだし、他人に迷惑かけずに一生懸命生きようとする凡人も悪くはないかもな。
そのようなわけで、とりあえず今は予備試験の勉強が面白いので、来年以降しばらくは仕事(特に司法書士事務所の経営)に力を入れながらも、できるだけ早く合格を目指すことにした。
予備試験と司法試験に合格して、1年間の司法修習が終わったら、その時こそ大学院のMBA課程に通おうかな。
しかし、本当に通いたかったら意地でも通うし、無意識に避けているのもあるかもしれないけれど、やっぱり学校教育にはなかなか縁がないなぁ。