司法書士試験の受験回数なんて気にするな

犬

司法書士の研修を受けていると、必然的に他の司法書士試験合格者と話す機会が多くなります。

そのこと自体は歓迎すべきことなのですが、「合格するまでの受験回数」が話題に上ることが多いのが個人的には気になります。

特に受験回数を聞いているわけでもないのですが、「私は仕事をしながら3回(4回)で受かった」などと切り出し、私が「働きながらだったら早いですよね」などと返すと、「いや、1回で受かった人もいるんで」などと返ってきたりします。

これが単に話のネタなら良いのですが、これは一見謙遜しているようで、人間および動物が大好きな序列の確認をしているのでは?などとついつい疑ってしまいます。

司法書士試験に合格したばかりの人であれば頭の中がそれ一色になっているでしょうからまだ分かるのですが、司法書士会で登録の手続きをした際にも、その情報が必要なのかどうかは分かりませんが、ベテラン司法書士と思われる方から受験回数を聞かれてややうんざりしました。

学歴と同じで、難関資格の受験回数というのは一生ついて回ってくるのかも知れませんね。

個人的な意見としては、司法書士試験に合格した時点で凄いと思いますし、いつまでも受験回数にこだわるのは馬鹿馬鹿しく、合格した後は学生が社会に出るのと同じで司法書士として横一線のスタートだと思っています。

私は働きながら4回目の受験で合格しましたが、自分よりも短期の合格者に対してコンプレックスを感じることもありません。

このブログでもたびたび触れている通り、1年目は1回で合格するつもりで約2,000時間の勉強時間を確保し、仕事以外の多くの時間を勉強に捧げていました。

しかし、勉強不足のために不合格となり、司法書士試験の難しさに驚愕すると共に休みなく脳みそを酷使したせいか、受験後は放心状態となりました。

私は当時司法書士になりたいと思っていたわけではなく、1年目と同じペースで勉強を続けていたら仕事にもプライベートにも影響が出ると思ったので、2年目以降は仕事と趣味を優先してマイペースに勉強することにしました。

2年目以降はしっかりと仕事をこなしながら、頻繁に旅行にも行き、ブログの執筆やランニング、読書、友人との飲み会など趣味を存分に楽しみながらも独学で勉強を続け、4回目の受験で上位合格することができたので、そのこと自体は誇りに思っています。

受験生によって、生まれ持った能力だけでなく年齢や仕事の有無など置かれている環境が全く異なるわけですから、受験回数だけで優劣を図ろうとするのは本当に馬鹿げていると感じます。

確かに、司法書士試験に1~2年で合格する人は凄いと思うのですが、専業受験生であれば1~2年で十分に合格できると思いますし、個人的には働きながら3~4年で合格する人の方が優秀だと感じます(自己弁護を含めたあくまでも私見です)。

1~2年で合格する人は地頭は良いだろうし努力もされたのだと思いますが、そもそも良い年して仕事もせずに専業受験生をしているのであれば、その時点で優秀ではないと感じてしまう自分がいます(まぁ、仕事をせずに勉強するのもその人の勝手なのですが)。

「お前も散々4回4回って言ってるじゃないか」

などと思われる方もいるかもしれませんが、私はブログ記事を執筆するに当たって他の受験生の参考のために記載しているという事情もありますし、そもそもブログやSNSで1人で自己満足で呟いている分には他人の権利を侵害しない限り問題はありません。

他の合格者に出会っても、親しい間柄で話のネタにするのはともかくとして、いきなり受験回数を明示または黙示に聞いたりすることはありませんし、そうしないようにしています。

合格者の中には例えば10回以上など長期で受験された方もいるでしょうし、その方たちは受験回数の話になるたびに妙な劣等感を覚える可能性があることを考えると、せっかく司法書士試験に受かったのになんだかなぁ、という気分にさせられます。

前述の通り、司法書士試験に合格した時点で立場は同じですし、司法書士としては実務ができるかどうかの方がよほど大事で顧客からしても受験回数なんてどうでも良いでしょうから、先を見て能力と人格を磨く努力をする方がよほど有益だと思います。

さらに言えば、司法書士には後見の仕事があります。

後見の仕事をしていれば、成年被後見人など精神に障害を持っている人や認知機能が衰えている人を相手にするわけで、その人たちを見ていれば嫌でも人間の脳みそには個人差があることが理解できるかと思います。

司法書士試験には一生かかっても受からない人もいるでしょうし、同じように努力していても1年で受かる人もいれば10年かかって受かる人もいるでしょう。

少数者の人権を守ることが法律家の役目であることを考えると、それが意識しているかしていないかにかかわらず、他者より優位に立とうという目的の下に受験回数を持ち出しているのであれば、法律家としてはイマイチ品位が感じられないように思います。

このように多くの人が受験回数にこだわるのは予備校が「一発合格」などとうたっていることの弊害だとも思うのですが、受験回数に重きを置いてしまうと、一発合格の称号が欲しいために「何年間も勉強してから初めて試験を受ける」といったような、本質とはかけ離れた受験生を生み出すことにも繋がりかねません。

以上、司法書士試験に合格した後でも受験回数の話が多くて若干イラッとしてしまったので愚痴のようにもなってしまいましたが、努力して勉強を継続することそれ自体に価値があり、受験回数なんて気にするなというお話しでした。

あ、もちろん自ら受験回数をモチベーションにして猛烈に勉強に取り組む分には良いと思いますよ。